こんにちは、講師のカズです。
サッカーの指導者にとって、勉強はとても大切かと思います。本を読んだり、講習会に参加したり、いろいろな方法がありますよね。
ただ、僕がこれまでいろいろな指導者の方と出会ってきた中で、勉強の仕方について、少し誤解されている部分があるかなと感じることがあります。
例えば、以下のように感じる方もいるかと思います。
・本や講習会で学んでいるのに、現場の指導が変わった実感がない
・練習メニューをその場で考えてしまい、記録がまったく残っていない
・忙しくて、練習の振り返りに時間を取れない
この記事では、サッカー指導者の勉強で本当に差がつくポイントと、忙しい方でも続けられる記録の習慣について、僕自身の経験を交えて解説します。
この記事を読めば、限られた時間の中でも指導者としての経験値がしっかり積み上がっていくと思いますので、最後までご覧ください。
1. サッカー指導者の勉強で、差がつくのはどこか

① インプットの量には、そこまで差がありません
僕のポッドキャストやブログを読んでくださっている方は、すごく勉強熱心な方が多いと感じています。子どもたちのために自分の指導をもっとよくしたい、という気持ちを持った方ばかりです。
そういった方々を見ていると、新しい知識を入れること、つまりインプットに関しては、皆さんしっかりされています。本も読みますし、講習会にも足を運びます。
正直なところ、インプットの量にはそこまで大きな差がないなと感じます。
② 差が出るのは、アウトプットの量です
では、どこで差がつくのか。僕の経験上、それはアウトプットの量です。
僕らは何かを学ぼうとすると、つい知識を入れることだと思ってしまいます。僕自身もよく間違えます。もちろん知識を入れることは重要です。
ただ、それ以上に大切なのは、インプットしながらも実際に手を動かして、現場でアウトプットすることかと思います。
学んだ理論を現場でやってみて、どうなったか。そこまで行って、はじめて自分の経験になっていきます。
③ 僕が現場でやってみた結果だけを話してきた理由
僕がジュニアサッカー大学という名前で情報発信を始めて、6年目くらいになります。
このメディアがどういうコンセプトでやってきたかというと、スペインで学んだ知識をそのままお伝えするのではなく、実際にそれを現場でやってみた結果はどうだったか、というところにフォーカスしてきました。
必ず現場で一度アウトプットしたものを、修正して伝える。もともとの理論はこうだったけれど、現場でやるとこうなった。そこまで踏まえてお話ししています。
だから、他の方とは少し切り口が違うのかなと思っています。そしてこの、現場でのアウトプットという部分にこそ、指導者としての差が開く理由があると感じています。

2. 練習メニューを残す習慣が、指導者の経験値を変えます

① 練習メニューをストックしていない、という話に驚きました
以前、すごく勉強熱心な指導者の方に、練習メニューはどうされていますか、とお聞きしたことがあります。
そうしたら、別にストックはしていません、というお返事でした。練習前に毎回作ることもしていない、と。これには正直、驚きました。
もし10年20年、練習メニューを作ってプリントアウトして現場に立ち続けてきた方が、もう頭の中に入っているから今は作らない、ということであれば理解できます。
ただ、そもそも一度も作ったことがない。紙に書いて持ってトレーニングに臨んだことがない。この状態は、とてももったいないかなと思います。
② プロの現場は、必ず作って残しています
例えば、Jリーグの下部組織やアカデミー、スクールなどで指導経験がある方は、練習メニューを毎回作っています。
紙なのかデータなのかは人によりますが、作らないという選択肢は基本的にありません。それが仕事として当たり前になっています。
一方で、少年団の指導者の方や、サッカーコーチを始めたばかりの方は、時間もありませんし、どう作るのかという習慣がないことが多いかと思います。
引用でも構わないので、1枚の紙にその日のセッションをまとめてストックしていく。この習慣があるかないかで、その後の積み上げが大きく変わってきます。
③ うまくいかなかった記録こそ、残す価値があります
指導経験がまだ浅い方の場合、練習の順番が良くなかったり、改善したいポイントと練習メニューがずれてしまうこともあるかと思います。
ただ、それで構わないと思っています。むしろ、自分がうまくいかなかったことさえも、ちゃんと残しておく。この作業に価値があります。
僕ら指導者にとって、現場がすべてです。現場にはいろいろな答えが落ちています。
今日の練習はこうだったな、というメモが1行あるだけでも、その後の経験値はまったく違ってきます。
④ 1日15分、週45分から始められます
とはいえ、他のお仕事をされながら現場に立つ方には、そこまでの時間がないかと思います。
だからこそ、習慣にできる範囲で構いません。例えば、練習前に10分で練習メニューを組んで、終わった後に5分で振り返る。1日15分です。
週3回の練習であれば、1週間で45分になります。これを1ヶ月、2ヶ月、1年と続けた時に、かなりのアウトプット量になっていきます。
・練習前に10分、その日のセッションを組み立てる
・練習後に5分、うまくいった点といかなかった点をメモする
・その2つを、消さずに残しておく
まずはこれだけでも十分かと思います。
3. 記録は、指導者だけでなく選手の財産になります

① 10年前の記録を開いて分かったこと
僕は10年ほど前から、スペインの会社が作ったアプリに練習メニューをストックしてきました。
久しぶりにそれを開いてみると、こんな練習をやっていたんだな、この練習はイマイチだな、といった発見が結構あります。何シーズン分ものセッションが、カテゴリーごとに残っています。
この時はこう考えていたんだな、この時はこういうことが分かっていなかったな。そうやって過去の自分と会話ができます。
仮に振り返らなかったとしても、手を動かして書き出したという事実自体に価値があると感じています。書き出そうとすると、もう一度自分の頭で考え直すことになるからです。
② 僕らが現場でやっているのは、トレーニングと試合です
サッカーの勉強というと、本を読んで知識を入れるところで止まってしまうことがあります。
ただ、実際に僕らが現場でやっていることは、トレーニングと試合です。もちろんマネジメントの側面もありますが、基本はトレーニングを組んで練習し、試合に臨む。この2つの繰り返しです。
理論や知識は、その背景として存在しています。であれば、僕らの経験が一番濃く集約される日々のトレーニングと試合について、何も記録していないというのは、機会損失かと思います。
もし今、練習メニューを全部頭の中で管理しているという方がいらっしゃったら、1日5分からで構わないので、残す習慣を試してみてください。
③ チームやクラブの財産にもなります
記録を残すことは、指導者個人のためだけではありません。
チームの指導者仲間で共有すれば、チームの財産になります。少年団であれば、クラブの財産として蓄積されていきます。
このシーズンは、この子たちにこういう練習をしました。そういう記録が残っているだけでも、大きな意味があるかと思います。
子どもたちは毎年成長していきます。自分たちがどんな練習をしてきたのか、このチームでは何を大切にしてきたのか。その記録は、指導者だけでなく、選手や保護者の方にとっても財産になっていきます。
4. 情報がなかった時代と、今

① 僕らの世代より、もっと時短で質を上げられるはずです
僕は今年で50歳になり、指導歴は31年目くらいになりました。
僕が若い頃は、本当に情報がありませんでした。今は情報がたくさんあります。だとすれば、今の若い指導者の方々は、僕らの世代よりも短い時間で、もっと質を上げていけるはずです。
僕らの時代に手書きで1時間かけていたことが、今5分で終わるのであれば、その方がいいに決まっています。浮いた時間は子どもたちに還元されますし、指導者としてのレベルアップにもつながります。
② まずは練習メニューから始めるのがおすすめです
指導者が困る場面はいろいろありますが、一番のネックになりやすいのが練習メニューだと感じています。
面倒だから続かない。続かないから記録が残らない。この流れを断ち切るには、作る作業そのものを軽くするのが早いかと思います。
僕自身も今、過去の練習メニューを整理し直しているところです。時間はかかりますが、いつか皆さんにお渡しできたらいいなと思っています。
5. まとめ

・サッカー指導者のインプット量には、そこまで大きな差がない
・差がつくのはアウトプットの量。現場で手を動かした分だけ経験値になる
・練習メニューとその振り返りを残す習慣が、1年後10年後に大きな差になる
・1日15分、週45分からで十分に始められる
・記録は指導者だけでなく、チームや選手、保護者の財産にもなる
この記事では、サッカー指導者の勉強で差がつくポイントについて解説しました。
知識を入れることも大切ですが、それ以上に、現場で手を動かして残していくことが指導者を育ててくれると思います。皆さんの指導現場でも試してみてください!
なお、練習メニューを5分で作って記録として残せる練習メニュー作成アプリを、無料でお配りしています。図を描いてアニメーションで動かしたり、PDFや動画で書き出したりできますので、記録を残す習慣づくりに使っていただけたらと思います。受け取り方は無料メルマガの登録だけです。使い方は下の記事にまとめています。
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