【8人制】少年サッカーフォーメーション【基礎〜応用まで徹底解説】

こんにちは、講師のカズです。

ジュニア年代では8人制サッカーが導入されていますが、どのフォーメーションを採用したらいいのか、またどんな練習をすればいいのかと悩む方は多いと思います。

11人制サッカーと同様に8人制サッカーにおけるフォーメーションでも特徴が異なり、チームが目指すサッカースタイルとも関係します。

また、あまり意識されていませんがどのフォーメーションを採用するかによって指導のポイントが異なります。

この記事ではジュニア年代の指導者が押さえておかなければならないフォーメーションに関する基礎知識や指導ポイントについて解説します。

それぞれのフォーメーションの特徴を理解すると、試合で起きている問題点が明確になり効果的な選手へのアドバイスが可能になるのでぜひ最後までご覧ください。

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1.フォーメーションの本質

フォーメーションを考える際に注意しなければいけないのは以下の部分です。

・そのフォーメーションが構造上そもそも持っている利点
・意図的に改善しないと機能しない部分

各フォーメーションには、その配置からそもそも前提としている利点になる部分と、意図的に手を加えなければ上手く機能しない部分とがあります。

構造上持っている利点

そのフォーメーションが構造上持っている部分とは、最初の配置によってすでに特性として与えられているものです。

後述しますが、例えば3-3-1というフォーメーションではピッチに選手が縦横方向にフラットに配置されることで、すでに守備ブロックが最初から形成されています。

そのため、守備ブロックを作ることに関して、それを習得するために多くの時間は必要ありません。
なぜならそもそも3-3-1がそれを備えているからです。

意図的に改善しないと機能しない部分

反対に3-3-1の場合、選手たちの配置が縦・横方向に直線的に並んでいます。

そのためサポートの基本である斜め方向のパスラインが形成されにくいので、その部分は意図的に時間をかけてトレーニングする必要があります。

つまりフォメーションによってどのような戦術を多めにトレーニングするのか、それともあまりトレーニングをしなくても習得しやすいのかが変わります。

この辺の内容は下記の記事で詳しく解説しているので参考にしてください。

2.8人制サッカー・フォーメーション(代表的な5つ)

細かなポジション配置でバリエーションは増えると思いますが、ここでは8人制サッカーにおける代表的なフォーメーションについて紹介します。

■8人制で代表的なフォーメーション
・3-3-1
・3-2-2
・2-4-1
・4-2-1
・2-3-2

※フォーメーションの表記でGKを含めて1-3-3-1などすることがありますが、ここではDFラインより前の数字で表記します。

3-3-1

まずは3バックをベースにした代表的なフォーメーションである3-3-1。

代表的な特徴とトレーニングによって改善しないと機能しない部分については以下の通りです。

●構造上持っている利点
・ポジションバランスが良く守備ブロックを形成できる
・ポジション毎の役割が明確

●改善しないと機能しない部分
・効果的なパスラインの形成
・ポジションチェンジなどの流動性(モビリティ)

縦・横方向ともにフラットに選手が配置されるので主に守備の基礎的な戦術が学びやすいですね。

横方向のスライドやカバーリング、ドリブル突破された後のペルムータなどジュニア年代で身につけておきたい守備戦術を最初に取り組むには適したフォーメーションです。

反対に攻撃面では選手配置がフラットに並んでいるため、意図的に斜め方向にサポートしてパスラインを形成することをトレーニングしないと攻撃が機能しません

また、サイドバックの前のスペースをサイドハーフが埋めているためにオーバーラップの動き方や前線の選手のポジションチェンジをともなうモビリティ(流動性)を上手くコーディネートしないと攻撃が単調になってしまいます。

攻撃が個人能力頼みになったりするのも注意が必要です。

3-2-2

次に同じ3バックで形成される3-2-2です。

●構造上持っている利点
・攻撃の流動性を出しやすい
・DFラインで守備ブロックを形成できる

●改善しないと機能しない部分
・プレッシングにおける各ポジションのタスク
・攻撃時のポジションバランス

大きな特徴としては攻撃面では選手の配置から流動的な動きを出しやすく、守備面ではDFラインのブロックが作りやすいというところです。

注意点としては流動性が出るということはポジションバランスを崩しやすいということなので、いつ、どのようにスペースを埋めるか、または攻撃の警戒(ビヒランシア・オフェンシーヴァ)などを理解しておく必要があります。

また守備面ではサイドバックの前方にスペースがあるので、中盤の横方向のスライドだけでなく縦ズレ(縦へのスライド)なども必要です。

FWのプレスのかけ方にも工夫がいりますね。

2-4-1

次はサイドと中央を起点に攻撃できる2-4-1です。

●構造上持っている利点
・サイドを起点にした攻撃
・インサイドハーフの動きと絡めた流動性

●改善しないと機能しない部分
・プレッシングのコーディネート
・高さを変えたサポート

最初からサイドに起点があるため、守備から攻撃への切り替えでも誰が幅をとるかが明確なので、サイドへボールを逃しやすいフォーメーションです。

また攻撃面では3-3-1に対しては中盤で数的優位を作りやすく、サイドハーフと絡めて上手くサポートの高さを変えることでボールが循環しやすくなります。

反対に守備面ではビルドアップする相手に対して、各ポジションのプレッシングの動きをしっかりとコーディネートする必要があります。

また、上手くプレスをかけないとサイドハーフがディフェンスラインに吸収され重心が低くなってしまいます。

4-2-1

先ほどの2-4-1のサイドハーフが一段下がっているのが4-2-1です。

守備時は4-2-1からのカウンターを狙い、攻撃のフェーズでは2-4-1としてボール保持を高めたいという考えもできますね。

●構造上持っている利点
・最終ラインでスペースを与えない
・押し込まれた後のカウンター

●改善しないと機能しない部分
・DFラインの選手の縦へ出る動き
・切替D-A・攻撃時のプランニング

ポイントなるのはDFライン4枚の選手の動きです。

守備時にライン上だけでプレーするとミドルを打たれたり、ディフェンスラインの手前で起点を作られたりするので、いかに前へ出てプレスをかけボール奪うかがポイントになります。

反対にそれができれば一気にカウンターを仕掛けやすくなります。

また基本的なスタンスとして引いて守ることを意図的に行うのか、それともサイドハーフがディフェンスラインに吸収されて4枚になっているのかでは意味が変わります。

プレスの高さをどこに設定するかで4-2-1か2-4-1の違いが出るイメージです。

2-3-2

最後に2-3-2について。

●構造上持っている利点
・配置から斜めのパスコースが確保されている
・攻撃時の流動性を出しやすい

●改善しないと機能しない部分
・CB脇のスペースへの対応
・プレッシングのコーディネート

最初から斜めに選手が配置されているのでボールが循環しやすく、また2トップを絡めた流動的な動きを発生させやすいフォーメーションです。

反対に守備面での動きをしっかりとコーディネートしないとセンターバックの脇のスペースを突かれやすく、また2トップの守備が機能せず押し込まれるという現象が起きます。

3.可変式と変則型のフォーメーションとは?

可変式と変則型

可変式フォメーションとは攻撃時と守備時で異なるフォーメーションを採用することです。

例としては以下のとおりです。

■可変式
攻撃:2-4-1→守備:3-3-1

また変則型とは選手の配置がシンメトリー(左右対称)になっていないフォーメーション。

■変則型
攻撃:2-3-2→守備:3-3-1
※下記の図参照

図のように片方のサイドに選手が一人多いような状態です。

いずれの場合も、守備時には3-3-1で攻撃では別のフォーメーションもしくは変則のフォーメーションにするという意味で可変式のフォーメーションです。

可変式フォメーションのメリット

なぜ可変式にするかというと、3-3-1の場合だと前述したように守備ブロックが安定しやすく、基礎的な守備戦術で対応しやすいという構造上のメリットを優先させているからです。

ただ、そのままだと攻撃でのメリットが得られないので、可変式にしてチームとして理想的な攻撃がやりやすいフォーメーションを組む。

こうすることで、守備に適したフォーメーションと自チームの攻撃に適したフォーメーションというメリットを得ることができます。

変則型のメリット

変則型はポジションバランスを崩すことにより、自チームのやりたい攻撃を有効化するために採用しているケースが多いです。

例えば先ほどの図のようにサイドに一人多い配置を行うことで、構造上数的優位を作ることなどを目的としています。

変則でこられると守備対応を変更しないといけないので、対戦チームはプレッシングを上手く変更しなければいけません。

また、おそらく変則型のまま守備を行うというチームは少ないと思うので、これも可変式の中の1つですね。

両者のデメリット

変則型でもそうでなくても可変式にもデメリットはあります。

それはトランジション(攻守の切替)において若干の難しさがあるところです。

ゴールキックなどのアウトオブプレーからのフォーメーション変更は問題ありませんが、流れの中で攻→守・守→攻の切替が発生するときにポジションにつくまでの数秒の時間が必要になります。

ボールを失った後にそのままプレスをかけるのか、それとも自分のポジションに戻るのを優先させるのかといった判断基準を明確にしておく必要があります。

どんなフォメーションでも可変式でも『完璧なもの』はありません。

4.フォーメーションの決め方

フォーメーションをどのように決めるかということに答えはないですが、基本的には以下の点が考慮するポイントです。

1.選手の特徴から考える
2.コーチの得意なフォーメーション
3.クラブのスタイル

順番に解説します。

選手の特徴から考える

まず大事なことは、フォーメーションに選手を当てはめるのではなく、選手たちの特徴を考慮してフォーメーションを決定することです。

これはゲームモデル作成と関わる部分ですが、選手の能力を最大限に引き出すためには特徴(良さ)を消さないようにしないといけません。

選手の特徴とリンクしないフォメーションを採用すると、選手側の負荷が高く本来持っている能力を発揮できません。

この辺はポジションの決め方とも関連します。

コーチの得意なフォーメーション

選手の特徴を十分に考慮することが優先事項ですが、コーチ自身がしっくりくるフォメーションがあるのも事実です。

経験値があるものや、指導しやすいもの、上手くいくイメージがあるフォメーションを採用することで、選手の特徴を引き出すこともできますね。

クラブのスタイル

クラブによってはどの学年でも共通したスタイルのもとにプレーするという考えもあります。

ちなみに僕の活動するクラブでは、クラブが目指すべきスタイルはありますが、どのフォメーションを採用するかはコーチの裁量です。

なぜなら毎年選手のレベルや特徴は変わりますし、それによって適したフォメーションが変わるからです。

僕の場合、U-12では2-3-2を採用しながらU-10では3-2-2を採用するというように臨機応変に対応しています。

5.フォーメーションとシステムの違い

フォメーションとシステム、同じ意味で使っている方も多いと思いますが、僕自身も過去には同じ意味で使っていました。

僕の場合は両者の言葉を以下のように考えています。

・フォメーション:攻撃時、守備時の選手の基本的な配置
・システム:組織や機能性

一応僕なりの考えでは、システムとはフォメーションの配置から生まれる機能性や、選手に与えるタスクなど。

つまりどのような戦術や動きを選手が実行しなければいけないのかという側面をシステムと呼んでいます。

詳細は下記の記事を参考にどうぞ。

6.フォメーションと練習方法

フォメーションの練習というとあまりしっくりこないですが、自チームのフォメーションを意識した練習をしたい場合にはシステミコで行います。

詳しく書くと長くなるので下記の記事を参考にしてください。

ポイントは実際に行うフォメーションをそのまま、もしくは一部切り取って試合と同じポジションでプレーしながらトレーニングを行うことです。

また、試合で起こった問題点を直接解決したり、対戦相手のフォメーションを設定する事で実際の試合に近い状態でトレーニングできます。

7.まとめ

最後に簡単にまとめです。

●フォメーションの特徴は以下の2点
 ・構造上そもそも持っている利点
 ・意図的に改善しないと機能しない部分
●8人制で代表的なフォメーション
 ・3-3-1
 ・3-2-2
 ・2-4-1
 ・4-2-1
 ・2-3-2
●他にも可変式と変則型がある
●フォメーションの決め方は3つ
 1.選手の特徴から考える
 2.コーチの得意なフォーメーション
 3.クラブのスタイル
●フォメーションの練習するならシステミコで行う

以上、この記事では8人制サッカーにおけるフォーメーションについて解説しました。

どのフォーメーションを採用するかには、いろんな要素が関係するのでぜひ参考にしてみてください!

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