少年サッカーポジション別の難易度【結論】ありません :実例で解説

こんにちは、講師のカズです。

少年サッカーにもいろんなフォーメーションがあり各ポジション毎の特徴があります。
それぞれのチームによって同じポジションでも与えられるタスクが違うし動き方も異なります。

この記事をご覧の方の中には、以下のような疑問があると思います。

・どのポジションが一番難しいのか
・上手い選手はやっぱり真ん中かな
・サイドバックだけど期待されていないのかな

このような疑問を抱く気持ちは分かりますが、実際のところポジションによって難易度が変わるのか。

最初に結論を言います。

ポジションによる難易度の違いはありません

僕自身、26年の少年サッカーの指導経験とバルセロナへのコーチ留学で学んだ経験上そう考えてます。

この記事では、上手い選手が任されるポジションや上手くない選手がサイドの置かれるなどはない理由と、ポジション毎の難易度を考える必要がないことについて解説します。

この記事を読めば、どのポジションでも成長できること、与えられたタスクを理解することの重要性が分かると思います。

では、解説します。

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1.ポジションによる難易度の違いはない(実例)

最初に結論ですが、繰り返しますがポジション毎の難易度の違いはありません。

ジュニア年代では上手い選手をセンターのラインに配置し、上手くない選手はサイドを任されるというイメージがあるかもしれませんが、僕自身はそういう考えはありません。

そうは言っても、それでも上手い子は攻撃をさせてそうでない子は守備をさせられるのではという声も聞こえてきそうですが、論より証拠、僕が実際に指導したU-12(小学6年生)の例をもとに解説します。

エースクラスの選手を左サイドハーフに配置

上の図は実際に僕がU-12を率いた時に行ったフォーメーションと選手の配置です。

赤丸の左サイドハーフ、ここにチーム内で一番テクニックがあり得点力もある選手を配置。攻撃時は大外のサイドハーフですが、守備時は少し絞って左のサイドハーフ。

また紫色の選手は攻撃はあまり得意ではないけれど、守備の予測やポジショニングが素晴らしかったため、守備時はセンターハーフで攻撃時は左のインサイドハーフ。
どちらかと言うとセンターバック系ではなく、ボランチ的な守備ができる選手です。

もう1つ攻撃の起点を右SB・SHへ

この時のフォーメーションでもう1つ例を出すと、赤丸の攻撃時は右のサイドハーフで守備時は右のサイドバックの選手。
ここには2人の選手が対象になっていて以下のような特徴がありました。

1.攻撃力での視野の広さがあり、守備面でもそつなくこなせる選手

2.攻撃力はそこまでないが、攻撃から守備への切替で良い判断が下せ、なおかつ守備も強く運動力がある選手

この2人の選手がこのポジションでプレーしていました。
試合の展開によってどちらのストロングポイントが必要になるかで決定。

ここでもサイドハーフとサイドバックの優劣はありませんね。

センターバックとサイドバックはビルドアップの特徴から

最後にもう1つ実際の例を。

赤と紫のセンターバックおよびサイドバックの選手は、どちらもDFライン3枚の中央を任せても信頼できる選手。
しかしビルドアップの際に紫の選手は苦手意識があったので左CBに配置。

ボール扱いが上手い左SHの選手の近くに置くことでカバーできるという仕組みです。

これら全ては僕が実際に指導した同じチーム内でのポジション配置です。

こうやって見ると、ポジション毎の難易度の高低がないこと、上手い選手が中央で上手くない選手はサイドなど、ポジションを決める時にそれらがないことが分かります。

2.変則型ではないフォーメーションの場合

先ほどの例は攻撃時と守備時のフォーメーションが異なる変則型だったため、難易度の高低やポジション毎の優劣が生まれにくいのではないかと言う方もいると思います。

では変則ではない3-3-1でもう少し解説します。

例)センターハーフにどんなタイプの選手を置くか

上の図はどちらも中盤がセンターハーフ1枚ですが、ここにどのようなタイプの選手を配置するかでチーム全体のプレーが変わります。

攻撃的な選手を配置する場合

センターハーフに一番テクニックがあり決定力がある選手を配置することも可能です。
そうすると組み合わせ的にサイドにどうのような選手を配置するかもいくつか想定できます。

センターハーフがゴール前に飛び出した時に空いたスペースを埋めることができる、気が利くタイプの守備的な選手を置くのか、それともサイドにも攻撃的な選手を配置し、DFラインの選手に前へ出れるボランチ的なタイプを置くのか。

それぞれの考え方で、周囲にどのようなタイプの選手を配置するかが変わります。

守備的な選手を配置する場合

反対にセンターハーフに攻撃的な選手を置かず、守備的な選手を配置する場合は同じポジションでもタスクが変わります。

3-3-1の例だとサイドバックも攻撃参加させるなら、センターハーフは深く攻め込まずバランスが取れるタイプも考えられます。


これらの例からも分かるように、やはりポジション毎の難易度の高低や上手い選手だから真ん中、守備的な選手は云々ではないことが分かりますね。

3.そのポジションに配置された理由=特徴とタスク

ポジションの決め方は3つ

少年サッカーにおけるポジションの決め方は以下の3つを考慮すべきだと考えています。

1.選手の特徴
2.各ポジションの役割
3.選手の将来性

僕の場合、これら3つの要素を考慮してポジションを決めます。

詳しくは、少年サッカーにおけるポジションの決め方【3つの要素を必ず考慮】を参照してください。

まずは選手がそもそも持っている個性=長所と短所からどのポジションなら長所が発揮できるか、そしてチームでのそのポジションに求めることは何か、そして選手個人の将来性をイメージしてポジションを決定します。

ゲームモデルという要素

少し難しい表現になりますが、ポジションの決定にはゲームモデルが加わります。
簡単に、ゲームモデル=どのようなサッカーするか、とイメージしてもらっても大丈夫です。

チームとしてどのようなサッカーを目指すかによってスタイルや各ポジションに求められるタスクは変わります。
また、選手どうしの組み合わせ、異なるタイプの選手が同じポジションでプレーする場合のバリエーションなども大きく関わってきます。

そのため、上手い選手=中央のラインに配置とかセンターハーフの方がサイドバックより難しいという観念は存在しません。

ポジション毎に難易度を感じるとすれば、あまり自分の適正とは違うポジションでプレーする場合です。

サイドでの縦への突破が得意な選手なら真ん中は難しく感じるし、ドリブルが得意だけど守備が苦手な選手だとセンターバックは難しく感じます。

そのような視点からも、やはりポジション毎の難易度の高低や上手い選手のポジションというものは考えにくくなりますね。

4.まとめ

最後にまとめです。

・少年サッカーにおいてポジションによる難易度の違いはない
・エースクラスの選手を左サイドハーフに配置した実例
・センターハーフに置く選手は攻撃的・守備的で変わる
・ポジションの決め方は特徴、役割、将来性を考慮する
・ポジションの決定にはゲームモデルが関係する

ポジションはそれぞれ難易度が異なるのではなく、選手の特徴やチームのスタイルから決定されるということ。
上手い選手、そうでない選手のポジションとかはありません。

以上、今回はポジション毎の難易度はあるのか、上手い選手のポジション、上手くない選手のポジションなどあるのかといった疑問に応える形で解説しました。

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