サッカーにおける原理原則とは?【実践的な指導方法も解説】

こんちは、講師のカズです。
サッカーコーチをしているとサッカーにおける原理原則という言葉をよく聞きます。

・サッカーの原理原則を指導することが大切
・原理原則に沿ったプレー
・選手が原理原則を学ぶことが重要

僕も過去には自分なりに調べましたが、わかるようでわからない。
なんとなく理解できても、それをどうやって指導に結びつけるのか…という状態でした。

しかしサッカーコーチとしてバルセロナ留学中に感じたのは、ジュニア年代からサッカーの原理原則を指導することの大切さ。ジュニア年代からの原理原則の積み上げの差が、世界との差の1つであるとも考えています。

この記事では、サッカーにおける原理原則の意味と実践的な指導方法について解説します。
原理原則を理解し指導できるようになると、子ども達がサッカーを学べるようになりプレーの質が変わります。

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#182 サッカーにおける原理原則とは?【実践的な指導方法も解説】 - ジュニアサッカー大学ラジオ | stand.f... ジュニア・ジュニアユース年代のサッカー指導歴26年 / 30代でスペイン・バルセロナへコーチ留学し指導者ライセンスを取得 / 小・中学生約300名程の会員を持つサッカークラ...
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サッカーにおける原理原則とは何か?

最初に結論ですが、僕はサッカーにおける原理原則を以下のような意味でとらえています。

攻守において有効なプレーをするための基本的な理屈や法則

ちなみに原理原則という言葉を辞書で引くと以下の通り。

“原理も原則も、基本的な決まり・規則の意。重ねることでその意味を強調した言葉。”
weblio辞書

『原則』の意味にもあるように「多くの場合に共通に適用される基本的なきまり・法則」ということから、サッカーにおいて様々なシチュエーションでも共通する理屈や法則という意味で使っています。

具体的な例としては以下のようなものです。

例)ボールホルダーがプレスを受けた時、前方の味方がフリーな状態ならパスを優先する

これを「効果的に前進するための原理原則」というような意味で使っています。

この状態をイメージしてほしいのですが、前方にフリーな味方がいるにもかかわらず、ボールホルダーがプレスを受けながらドリブルするよりも、パスをしたほうが速く、ボールを失うリスクを回避できることから効果的な前進と言えます。

ちなみにゲームモデルにおけるプレー原則と言葉が似ていますが、まったく別のものです。

前提として大事なこと

少し話が脱線しますが、サッカーにおける言葉には唯一の正解はありません。
そのためコーチ自身が自分なりの解釈でロジックを組んでいくことが大切です。

バルセロナのコーチングスクールで学んでいた時も、それって本当?
そこまで言語化する必要はないな、ということがありました。


また、コーチ留学で学んだ一番大切なことは「自分の言葉でサッカーを定義づけすることが重要」ということでした。

この記事をご覧の皆さんも、自分なりの解釈で自分なりのサッカー観を構築しましょう。

サッカーの原理原則は普遍的なもの

原理原則とは多くの場合に共通となる基本的なきまりや法則であることから、普遍的なものであると表現できます。

どんなゲームモデルでも、大人でも子どもでも、11人制でも8人制でもあらゆるサッカーに共通するもの。先ほどの「味方がフリーならパスを優先する」という例は、11人制でもジュニア年代のサッカーでも共通しています。

もちろんあくまでも原理原則なので、例外もありますね。

注意:イメージと違ったら読むのをやめましょう

もしかしたら、この記事で僕が説明しているサッカーの原理原則は、多くの方がイメージしているものとは違うかもしれません。
この記事を読むことで混乱してしまいそうなら、この先を読む必要はありません。

あくまでもよくわからないサッカーの原理原則という言葉を、僕は指導現場で使えるようにするためにこう考えています、という前提ですのでご了承ください。

ジュニア年代から原理原則を指導すること【重要】

ジュニア年代からサッカーの原理原則を指導することはとても重要です。

なぜなら原理原則とは、子どもたちがサッカーを理解するために必要不可欠なものであり、効果的なプレーを実行するための基礎となるものだからです。

いつドリブルしていつパスを優先するのか。
ジュニア年代で散見される、いつでも前へドリブルで仕掛けてしまう現象やポジショニングのミスでチャンスを潰してしまうような現象は、シチュエーションに応じたサッカーの原理原則を理解できていない状態です。

サッカーの原理原則を指導できない原因

しかしジュニア年代からサッカーの原理原則を指導しましょう、と言っても難しく感じる方は多いと思います。

過去の僕がそうだったように、サッカーにおける原理原則を調べると、具体的にどのように指導したらいいのか分からないということが起きます。

その理由として挙げられるのは言葉の意味がすごく広かったり、抽象的だったりすることが原因です。

例えばサッカーの原理原則の1つに「守備ではゴールを守ること。ボールを奪うこと。」という言葉があります。確かにサッカーの原理原則と言えますが、これだと具体的に何を指導していいのかわかりません。

育成年代では原理原則を教えることが大切だと認識しつつも、なかなかピンときません。子どもたちに「サッカーで大事なことはゴールを守ること。ボールを奪うこと。」を教えても「で、具体的に何をするの?」という話になってしまいます。

サッカーの原理原則を細かく考える

ここで大事なことは、先ほどの言葉が大きすぎてかつ抽象的すぎるからではなく、そこから更に細かく落とし込んでいく作業が指導現場では必要だということです。

プレーの状況やシチュエーションの解像度を上げて、更に細かくしていくイメージで原理原則を考えなければいけません。

例えば以下のような項目に対する考えが、サッカーの細かな原理原則であると考えています。

・前進するために効果的なサポートはどのように行うか。
・運ぶドリブルをいつ行うと有効なプレーになるのか。
・いつ足元にコントロールして、いつコントロールでボールを動かすのか。

このように、サッカーのテクニックや戦術1つとっても状況に応じた効果的なプレーを行うための原理原則があります。

このような細かな部分を手掛かりに、子どもたちは状況に応じた効果的なプレー、つまり『サッカーの原理原則』を学んでいきます。

指導するのは細かな原理原則

ここまで読んで頂ければわかると思いますが、僕ら育成年代のサッカーコーチが行うのは、これらの原理原則を選手に落とし込む=サッカーを理解し効果的なプレーができるようにすることです。

サッカーにおける原理原則の整理+指導方法

原理原則の正解、一覧表はない→自分で考える

原理原則を指導しようとした時に、正しい答えや「原理原則一覧」などがあればいいですが、実際には存在しません。

そのためコーチ自身が自分でサッカーを深く理解し、体系化していく必要があります。

また、これから紹介する方法も正しいかどうかは分かりません。
あくまでも僕はそうしているという方法なので、参考程度にしてください。

では、具体的にどのように指導するのかについて解説します。
まずはコーチ自身が原理原則を整理することから始めます。

サッカーの原理原則の整理・指導方法

まず前提として、コーチ自身が様々なテクニックや戦術の原理原則を理解しておく必要があります。

こう聞くと難しく感じるかもしれませんが、以下の流れで原理原則を言語化してきます。

1.直感的に効果的と思えるプレーを熟考する
2.プレーの方法と理屈を言語化する
3.基準を明確にして選手に伝える

ここでは、サイドバックの選手のサポートの高さをどうするか?ということを例に進めます。

上の図の場合、サイドバックの選手が低いポジションをとって相手のプレスを受けてしまい前進できません。
もしAの高い位置でパスを受けたならプレスを受けずに効果的な前進ができます。
ただし、CBの選手が激しくプレスを受けている場合だと、高い位置を取るとボールを逃がすことができません。

この例をもとに、原理原則の探り方と選手に伝える方法を解説します。

STEP
直感的に効果的と思えるプレーを熟考する

コーチは自分のサッカー経験や指導経験から「もっとこうした方が良い」ということを感覚的には理解できると思います。
まずは、ある状況で「今のはこうした方が良い」という部分を抽出します。
経験がない方は参考になりそうなプレーを見てもいいでしょう。

■実際の思考例
『さっきのサイドバックのポジションではプレスを受けてしまって前進できない。高い位置をとれと言うと、パスが出せない時でも高い位置をとってしまう。どうしよう…上手く伝える方法はないか。』

STEP
プレーの方法と理屈を言語化する

次に、なぜそのプレーの方が効果的なのか、プレーの方法と理屈を言語化します。
ここが一番大事な部分ですが、頑張って言語化します。

■実際の思考例
『ボールホルダーがパスを出せる状態なら相手DFからプレスを受けず、パス1本で超えられるポジションを取る。もしパスが出せない状態なら、ポジションを下げてボールを逃がせる位置。
これならサポートの高さをどうするかの理屈が合うな。』

STEP
基準を明確にして選手に伝える

最後にプレーを選択する基準を明確にして選手に伝えます。

■実際のコーチング例
『ボールホルダーがプレスを受けていなければ、相手DFのラインを超えた高いポジションを取ろう。
 反対にパスが出せない状態ならポジションを下げて横方向まで落とそう。』

※こうすると「いつ高いポジションをとり、いつポジションを下げるか」といった基準が明確になり、選手が理屈を理解することができます。

以上、僕が実際に行なっている原理原則の整理の仕方と指導方法でした。大事なポイントはどこまで言語化できるか、矛盾が起きないかという部分です。

ちなみに僕は原理原則のことを「プレーコンセプト」とも表現しています。個人的にはこっちの方がしっくりくるのでそうしています。

興味がある方は第3章まで無料なので読んでみてください。
>>参考:ジュニアサッカー・戦術指導の完全講義【具体的指導方法を解説】

育成年代では戦術コンセプトやキーファクターも指導

サッカーの原理原則と関連してくるのが、戦術コンセプトやキーファクターです。
僕自身は育成年代、特にジュニア年代ではテクニックアクションや戦術コンセプト群の理解とキーファクターをしっかりと落とし込むことが重要だと考えています。

戦術コンセプトとは「サポート、マークを外す動き、カバーリング、スライド…」といった普遍的な戦術のことです。

またキーファクターとはトレーニングの中でプレーを成功させるためのコツのようなものです。

これらはサッカーにおける原理原則と重複したり、関連したりしています。
興味があれば下記の記事を参考にどうぞ。

まとめ

最後にまとめておきます。

・サッカーにおける原理原則とは『攻守において有効なプレーをするための基本的な理屈や法則』
・原理原則は普遍的なもの
・ジュニア年代から原理原則を指導することが重要
・原理原則の整理・指導方法は以下の手順で行う
  1.直感的に効果的と思えるプレーを熟考する
  2.プレーの方法と理屈を言語化する
  3.基準を明確にして選手に伝える
・サッカーの原理原則は戦術コンセプトやキーファクターとも関係する

以上、サッカーにおける原理原則について解説しました。
みなさんの指導現場でも試してみてください!

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