【低学年の守備練習】何から教える?抜かれても追う30mの1対1

こんにちは、講師のカズです。

守備の戦術や、守備をどうやって落とし込んでいくかで悩まれる方は、結構多いと思います。
特に低学年、2年生や3年生あたりになると、何から教えればいいのか迷いますよね。

例えば、以下のように感じる方もいるかと思います。

・低学年に守備をどうやって教えていいかわからない
・守備をサボる選手、守備に行けない選手がいる
・ボールに行っても、抜かれたら終わりになってしまう

この記事では、僕が低学年の守備で最初に何をやるのかを、実際にやっている30メートルの1対1と一緒にお話しします。
低学年の守備で何から手をつけるか迷っている方は、参考になると思いますので最後までご覧ください。

この記事の内容は、動画(約20分・字幕つき)でも見られます。

Content

1. 低学年の守備は、チャレンジ&カバーの前段階から

①守備戦術の要素は、そんなに多くない

守備の戦術といった時に、皆さんが大体思いつくのはチャレンジ&カバーやディレイ(遅らせる)、スライドだと思います。
スライドにも、横のスライドと縦のスライドがあります。

他にはビヒランシア、警戒というアクションですね。
そして代表的なのがマークです。
マークも、ゾーンなのか、マンツーなのか、ミックスなのか、いろいろあります。

意外と守備戦術は、そんなに要素が多くありません。
高学年になれば、ある程度できるようになります。

②低学年は、技術の前にメンタル作り

でも低学年の場合は、最初にチャレンジ&カバーからやるべきか、いろいろ迷うと思います。
僕が今日お話ししたいのは、その前段階です。

守備をサボる選手や、守備に行けない選手。
こういった現象は結構あると思いますが、僕の場合はチャレンジ&カバーやスライド、プレッシングの話から入りません。
入口は1対1です。

1対1の守備の技術には、コントロール際を狙う、アプローチして止まってついていく、ついていきながら体を入れる、といった基本的な考え方があります。
ただ低学年の場合は、その前段階かなと思っていて、どちらかというとメンタル作りを重視しています。

これは試合ですぐ役に立つし、低学年のうちに身につけておきたいスキルだと思います。

2. 奪いに行けるか、抜かれてももう一回追えるか

①ボールを奪いに行く姿勢

簡単に言うと、ボールを奪いに行けるかどうかです。
奪いに行ける選手と、行けない選手は、結構分かれると思います。

まずはボールを奪いに行く姿勢です。
技術的にどうやって奪うかではなく、まず奪いに行くこと。
これが1つ目です。

②抜かれても、もう一回取りに行く(二度追い)

2つ目は、抜かれても、もう一回取りに行くことです。
低学年では、抜かれたら終わり、という選手がいると思います。
試合中も、ボールに行って抜かれたら終わってしまう。

そこを二度追いできるか、です。

ボールを奪うという執着心があって、初めて「次にどうやって奪うか」になります。
執着心がないと、メンタル的に守備に行けない子もいるので、僕は低学年ではまずここからやっています。

3. 30メートルのラインゴール1対1

①なぜ30メートルなのか

やり方は、1対1の練習です。
ただし、1対1の奪い方をやるのではなく、走れるかどうかをやります。

距離はだいたい30メートルぐらい。
3年生にはちょっときついな、という長い距離をとって、ラインゴールの1対1をやります。

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長い距離をとる理由は、狭いと二度追いが起きないからです。
例えば12メートル×12メートルで1対1をやると、抜かれた後にもう1回追いかけるアクションが起きる前に、攻撃側がゴールしてしまいます。

でも30メートルぐらい取ると、抜かれた後に追わなかったら、追いかけていないのがバレバレになります。

②狙いは、抜かれても追いかける習慣

まずアプローチしてボールを奪いに行く。
抜かれました。
抜かれても、20メートル、25メートル走って追いかける。

この習慣をつけさせることが、この練習の狙いです。

4. 8人制のピッチは、低学年には広い

①推進力のあるドリブラーに抜かれて終わる

2年生や3年生で練習していて、いざ8人制の試合に行くと、ピッチがめちゃくちゃ広いですよね。
足が速くて、推進力があるドリブラーがいると、だいたい抜かれて終わります。
もう追いつかない、という感じです。

低学年の場合、8人制のコートでダイナミックにスプリントができるかどうかが、個人的な優位性を出せるかどうかになってきます。
相手チームに、ドリブルでグッと前に運べる子が一人いて、そこにぶち抜かれて終わる。
「一人だけ違うよね」という感じは、結構ないでしょうか。

②プレーエリアの広さは、習慣

そもそも8人制のコートに慣れていないから走れない、ということもあります。
3年生ぐらいだと、8人制のコートが広すぎる時があると思います。
3-3-1をやると、サイドバックやサイドハーフ、中盤の選手のプレーエリアが、10メートルぐらいの範囲しかない。

これは今、中学生を見ていてもそうなのですが、プレーエリアがすごく狭い、ダイナミックにスプリントできない選手は結構います。
僕はそれを習慣だと思っています。

だからグッドハビットという意味で、最初の段階から、自分が抜かれたら「後ろの人お願い」と任せるのではなく、自分が30メートルでも40メートルでも走ってボールを奪いに行く。
この意識をつけさせるところが、最初の段階かなと思います。

5. 低学年に戦術は教えられるのか

①戦術とは、どう定義するか

「小学生に戦術を教えるのは難しい」「必要ない」という話を見かけることがあります。
戦術というのは、その指導者がどう定義しているかです。

難しい話ではなく、知的なアクションであれば、ある種の戦術です。
だから低学年の守備戦術といった時も、チャレンジ&カバーやラインコントロールではなく、二度追いすることも、ある種の戦術的なアクションになります。

年齢に合った戦術を落とし込めばいいだけです。
2年生でチャレンジ&カバーが難しいなら、それはまだ理解できる段階ではないので、違うことをやればいい。
それが、抜かれたらもう一回追いかける、二度追いだと思います。

②完璧を求めず、余白を残す

攻撃でも同じです。
僕だったら2年生に、団子サッカーになってしまうから「ボールから離れてね」「離れてパスを受けてみ」とやります。
これはサポートのキーファクターを一つやっているだけです。

皆さん、完璧を求めすぎなんですよ。
サポートを教えようとした時に、離れて、斜めで、相手のラインを超える、これがサポートだと思うと、2年生にはできないから教えられない、となってしまいます。

そうではなく、2年生なら2年生なりに、理解できる範囲で教えてあげればいいんです。
離れる場所はどこでもいい、離れればとりあえずOK。
戦術的な動きの余白を残して、緩めてあげる。

それでも知的な行為という意味では、戦術です。

守備も同じで、何から教えようか迷った時は、まず何が理解できるかを見る。
2年生でチャレンジ&カバーをやってみて、まだ理解が難しいと思ったら、一段落としてやればいいと思います。

6. 何からできるかを見抜くのは、分析

①この練習も、試合の分析から生まれた

前回のポッドキャストでは、練習メニューは分析で決まる、という話をしました。
30メートルの1対1も、僕がゲームを見ていて生まれたものです。

サイドから攻撃してボールを奪われた後に、全然戻らない、戻れない。
そこをぶち抜かれる、ということが結構ありました。
それなら、一瞬抜かれたとしても、走り切ってついていくアクションが要るな、という分析的な考えから、この練習をやってみたわけです。

逆に、めちゃくちゃボールに執着して、どこまでも行ってしまう子もいるかもしれません。
その時は逆に「2人でボールを奪いに行かないで」と教えます。

②マークのミスは、起きるべくして起きている

一番悩まれるのは、マークかもしれません。
自分のゴール側に立たない、といったことです。

これは、まだ理解できないと考えていいと思います。
中学生になっても「マークのつき方がわかりません」は、あまりないですよね。
5、6年生でも「ゴール側から守るんだよ」がわからないことは、あまりないと思います。

だから2年生や3年生でマークのミスが起きるのは、年齢的な問題で、起きるべくして起きていることだと思います。
その子のレベルにもよりますが、だからといって何もできないわけではなく、今できることからやろう、というのが基本になってくると思います。

③キンダーでは、逆に下がる

余談ですが、今僕はキンダー(年長さん)を見ていて、1対1をやると面白い現象があります。
キンダーぐらいだと、今度は下がるんです。
ボールを失うと、ボールに行かずに一目散にゴールに戻って、ゴール前に立つ。

これも本能的な動きです。

そこで「下がらずに前に出てね、抜かれてもいいから奪いに行ってごらん」とやると、少し前に出るようになります。

何が基本なのかは難しいですが、今どういう段階にあるから、こういうことをやろう、と見抜く。
この分析する力が、指導者には必要だと思います。

7. 理解力が高まったら、プレッシングへ

①大枠のデザインから、ディテールへ

こういったことができてきて、ある程度理解力が高まってきたら、今度はちゃんとプレッシングを教えます。

僕が日本の現場で見てきて思うのは、ジュニア年代で守備のプレッシングをあまりやっていないクラブが多いのかな、ということです。
どちらかというと、勢いでやっている感じです。
僕はジュニアでも、守備はちゃんとやる方です。

守備の構築は、ディテールから入りがちです。
でも守備に関しては、わりと大枠の全体のデザインの中から、ディテールを落とし込んでいく方がいいと思っています。
4年生、5年生ぐらいからできるのではないかと思います。

ちなみに3年生ぐらいなら、ディレイはある程度理解できると思います。
要するに、試合で必要なことが何なのかです。
いつもカウンターを食らってしまうなら、ディレイからやった方がいいかもしれません。

その前段階なら、ボールを奪いに行く、抜かれても追いかける、から始めればいいと思います。

②守備の意識づけは、広いグリッドで

基本的に、スペースが広いのは攻撃にとって有利です。
ただ低学年の場合は、スペースが広いと走る量が増えるので、攻撃も守備も負荷がかかります。

だから守備の意識づけという意味では、狭いグリッドではなく、広いグリッドでやる方がいいと思います。
これは高学年のポゼッションでも、結構意図的にやります。
広いコートで6対3、守備が3人で、ぐっと長い距離を走ってプレッシングをかける意識づけです。

まとめ

・守備戦術の要素はそんなに多くない。低学年はチャレンジ&カバーの前段階から
・低学年は、技術の前にメンタル作り。ボールを奪いに行く姿勢と、抜かれてももう一回追いかける二度追い
・30メートルのラインゴール1対1なら、追わないのがバレバレになる。狙いは追いかける習慣
・8人制のピッチは低学年には広い。プレーエリアの広さは習慣
・戦術は、知的なアクション。年齢に合わせて、完璧を求めず余白を残す
・何からできるかを見抜くのは、指導者の分析する力
・理解力が高まったら、大枠のデザインからプレッシングへ

この記事では、低学年の守備で僕が最初にやることを、30メートルの1対1と一緒にお話ししました。
低学年の守備で何からやっていいかわからない方は、ぜひこういったところから試してみてください!

この記事の1対1のアニメは、僕が作った無料の練習メニュー作成アプリ「TRAINING DESIGNER」で作っています。
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