味方を助ける守備の基本戦術【カバーリング】サッカー戦術アクション

こんにちは、講師のカズです。

サッカーにおけるカバーリングは守備の基本戦術です。
当然ジュニア年代からマスターしておく必要があり、チームの攻撃力を上げるためにも守備戦術を理解することで相乗効果が生まれますね。

この記事をご覧の方の中には以下のような疑問があると思います。

・カバーリングという言葉は聞いたことがあるけど、具体的なやり方がわからない
・実際に選手にどのようにマスターさせるのか
・コツやポイント、練習メニューを知りたい

この記事ではこのような疑問に答える形で進めていきます。

カバーリングを理解すると失点する場面が減るだけでなく、守備の楽しさも分かるのでしっかりとマスターしましょう。

動画で解説

※アニメーションを使って解説しているので動画の方がわかりやすいです。

Content

1.カバーリングの基礎知識

日本ではよく、チャレンジ&カバーという表現が使われます。

僕がコーチ留学したバルセロナではチャレンジという言葉はなしで、単にカバーリングと呼ばれていました。

が、ここでは日本の言葉で浸透しているチャレンジ&カバーとして解説します。

①チャレンジとは?

チャレンジ&カバーの「チャレンジ」とは、ボールを持っている相手に守備側の選手がアプローチに行くことです。

アプローチとはボールホルダーへ寄せること、ボールを奪う、もしくはプレッシャーをかけるアクションです。

②カバー(カバーリング)とは

カバーリングとは、アプローチに行った選手がドリブルなどで抜かれた時に、隣にいた選手が素早くアプローチして相手にプレスをかける、つまり味方の選手をカバーする戦術です。

この図ではAの選手がボールを奪おうとしてアプローチしましたが、ドリブルで抜かれました。その後Bの選手がカバーリング。

これが基本的な考え方です。

2.カバーリングないとどうなるか?

ではカバーリングがないと、どのような現象が起きるでしょうか。

すでにイメージできると思いますが、分かりやすくゴール前の設定だと以下のようになります。

Bの選手はAの選手のカバーリングをしていません。

そのためAの選手がドリブルで抜かれた後、アプローチが間に合わずそのままシュートチャンスを相手に与えてしまっています。

このような現象が起こる理由は2つあります。

1.カバーリングの意識がない

Aの選手が自分のマークに気を取られてカバーリングという意識がないケース。
ジュニア年代ではよくあるミスです。

2.カバーの意識があってもポジションが高い

図に黄色の点線で書いていますが、Aの選手よりBの選手のポジションが高いです。

カバーリングは同じ高さでもカバーの意識があれば良いのですが、意識はあってもポジションが高いと対応できません。

3.カバーリングのポイント

先ほどの例をもとに、カバーリングのポイントについて解説します。

①カバーとパスカットを同時に考える

Bの選手が考えることは2つあります。

Aの味方が抜かれた後のカバーリングとマークしている相手へのパスカットもしくはすぐにアプローチ。

この2つを同時に行える位置にポジションを取ります。

ポイントは中間の位置をとることです。

実例を紹介

実際にU-10(小学4年生)の選手がカバーリングとパスカットを狙う動画を貼っておきます。

僕が数年前に指導していた選手たちです。

この動画では、2人の選手がそれぞれ別の戦術コンセプトを実行しています。

手前の選手は、相手の攻撃を遅らせるディレイ

奥の選手はカバーリングの意識・ポジションを取りながらパスカットを狙っています。

②中央とサイドの違い:DF3枚の例

次に相手がボールを持っている時の場所、中央とサイドの違いについて見てみましょう。

サイドのケース

相手がサイドでボールを持っているケースではBの選手は基本的に斜め後ろにポジションをとり、カバーリングとパスカットを狙います。

攻撃の選手のスピードがない場合は、Aと同じ高さでも構いません。

Cの選手はまだボールから遠いのでラインを揃えてBが動いた後の準備をします。

ポイントはBとポジションの高さを揃えておくこと。これによってディフェンスラインが揃うし、自分のマークへのアプローチも可能です。

※ポジションの高さを揃える時は、相手の足の速さに注意しましょう。

中央のケース

相手が中央でボールを持っている時は中央にいるディフェンスがアプローチし、サイドの選手はポジションを絞ってカバーリングとパスが出た後のアプローチを狙います。

カバーリングしているAとCの選手のラインは揃っていますね。

より細かくポジションをどのように取るかを知りたい方は、マークの考え方の記事を参照してください。
>>サッカー戦術コンセプト【マーク】2種類のマークと3原則も徹底解説

③カバーリングは中盤でも同じ考え

先ほどの図ではディフェンスラインのチャレンジ&カバーを紹介しましたが、この考えは中盤でも同じです。

また、ディフェンスラインや中盤のラインにおいて2人でも3人でも同じ考え方で応用できます。

④カバーリングは常に隣の選手との関係で考える

ディフェンスラインが3枚でも4枚でも、カバーリングの基準となるポジションを決定するのは守備側の隣の選手との関係性です。

2人組のユニットを考えて、それがリンクしているイメージです。

4.ジュニア年代でよくあるミスと成功例

ジュニア年代におけるカバーリングのよくあるミスと成功例ですが、図で表現すると分かりにくいので動画のみで解説しています…ご了承ください。
再度、動画を貼っておきます。


※6:45秒から見て頂けると分かります。

5.カバーリングの練習メニュー

カバーリングのスキルをマスターするのに役立つ練習メニューをいくつかピックアップしておきます。

①トレーニングの導入やチャレンジ&カバーの基本が学べる4対2のロンド。
3、4年生でも可能な練習メニューです。

②4対2より少し複雑になってプレッシング基本とのチャレンジ&カバーの練習メニュー。
小学5、6年生あたりが対象です。

③僕がよくやる攻撃のメニューですが、ディフェンスにフォーカスすれば2対2でのチャレンジ&カバーが学べます。
これも5、6年生あたりが対象です。

6.まとめ

最後に要点の整理です。

・カバーリングとは味方の選手が抜かれた時に、隣にいる選手が素早くアプローチして相手にプレスをかけること
・カバーリングがないとドリブルで抜かれたらすぐにピンチになる
・カバーリングの意識を持つこととポジショニングがポイント

以上、今回はカバーリング、日本でいうところのチャレンジ&カバーについて解説しました。

ジュニア年代から必ずマスターしておきたい基本的な守備戦術なので、ぜひチャレンジしてみてください!

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