団子サッカーからポジションへ【U-8】移行の2つの方法

こんにちは、講師のカズです。

低学年の指導では、団子サッカーからどうやってポジションを意識したプレイに移していくかが、多くの方が悩むところかと思います。
守備の時に団子になって中央をやられる。そろそろ卒業させたい。でも、ポジションを教えると今度は寄せが甘くなる。

例えば、以下のように感じる方もいるかと思います。

・スタートポジションを教えたら、子どもたちが混乱して、また団子に戻ってしまう
・ポジションを守らせると、ボールへの寄せや球際が弱くなる
・U-8で、どこまでポジションを教えていいのか分からない

以前、Xでこのようなご質問を頂きました。
「U-8(2年生)を担当しています。守備時に団子状態になり中央をやられるので、スタートポジションを伝えて、守備の時は自分の場所に戻ろうと働きかけています。ですが、子どもたちに混乱が生まれ、寄せが甘くなったり、また団子に戻ったりします。カズさんならどうアプローチしますか?」

この記事では、団子サッカーからポジションプレイに移行する2つの方法と、僕がU-8を見るならどうするか、そして移行のための練習の考え方を解説します。
この記事を読めば、「形を整えること」と「選手の良さを残すこと」のバランスの取り方が見えてくると思いますので、最後までご覧ください。

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1. 団子サッカーからポジションへ移行する2つの方法

結論から言うと、方法は2つあります。

① 半分強制的に、スタートポジションを教え込む

1つ目は、質問にあるように、スタートポジションを伝えて「攻撃・守備になったらこの位置に立つ」と教え込むやり方です。
半分強制的に、形から入る方法です。

メリットは、見た目の形がすぐに綺麗になることです。

ただ、デメリットがあります。
インテンシティ(プレイの強度)が落ちてしまうことです。
ポジショニングを意識しすぎるあまり、球際が弱くなったり、プレッシャーに行けなくなったりします。

これは攻撃でも同じです。
ポジションを守らせようとすると、パスばかり選ぶようになり、ドリブルの鋭さが消えてしまうことがよくあります。
ご質問にあった「寄せが甘くなる」は、まさにこのデメリットが出ている状態かなと思います。

② 団子のまま、キーファクターで少しずつポジションに寄せていく

2つ目は、団子サッカーをさせながらも、細かなキーファクターで徐々にポジションにつくようなプレイに持っていく方法です。
こちらの方が難しいです。

選手が自然にプレイした時にどう動くかを観察して、そこに修正をかけていきます。
例えば、ボールに寄ってしまう子に対して「味方がボールを持ったら、少し離れてパスをもらおう」というサポートのキーファクターを伝えていく。
そういう積み重ねです。

メリットは、インテンシティが落ちず、本能的なドリブルなども消えないことです。
ただ、コーチングが非常に難しく、時間もかかります。

③ どちらを選ぶかは「何を残したいか」

形をすぐに整えたいなら①、選手の良さを残したいなら②です。
①は早いけれど強度が落ちる。②は強度が残るけれど時間がかかる。
この2つの性質を知ったうえで、どちらに寄せるかを決めるのがいいと思います。

2. 僕がU-8を見るなら、何を優先するか

① スタートポジションは教える。でも固執はしない

僕がもしU-8を見るなら、スタートポジションは教えると思います。
ただ、そこまでポジションに固執はしないかなと思います。

それよりも、3年生や4年生になった時に必要となる、テクニカルな部分を優先します。

② 団子の中でこそ磨ける個人の技術

例えば、団子状態でごちゃごちゃした時に、ボールが来たら「コントロールオリエンタード(方向づけたコントロール)」で広いスペースに運ぶこと。
あるいは「レガーテ(突破のドリブル)」や「運ぶドリブル」、ワンツーといった技術です。

団子になるのはある程度しょうがない、という前提で、個人の技術を磨くアプローチをとると思います。
団子は、狭い中でボールを扱う場面が多いので、その意味では個人技術を磨く機会でもあります。

③ どうしても卒業させたいなら、切り替えの瞬間から

それでも、どうしても団子を卒業させたいのであれば、まずは「トランジション(攻守の切り替え)」で、すぐにスタートポジションにつく意識を徹底させることから始めます。
ポジションそのものを覚えさせるというより、「切り替わった瞬間にどこへ戻るか」を最初の一歩にします。

3. 移行のための練習の考え方

① 4対4+3フリーマンで「スタートポジションはどこ?」

トレーニングとしては、例えば「4対4+3フリーマン」のポゼッション練習などで、ボールを失った瞬間に「スタートポジションはどこ?」と問いかけ、素早くポジションを取らせる練習が有効です。

② ポジションに立つことを目的にしない

ただし、ポジションに立つことが目的にならないように、注意が必要です。
「ポジションを取った後は、自由に動き出していいんだよ」
「パスが出たら、思い切って奪いに行くんだぞ」
このように、ポジションを取った後のアクションまで落とし込む必要があります。

立つ場所を覚えて止まってしまうと、①のデメリット(寄せが甘くなる)がそのまま出ます。
「戻る→そこから奪いに行く」までがワンセットです。

③ 守備の練習は、攻撃が回ってから

もう1つ、大事な前提があります。
守備のトレーニングをするには、ある程度ボールが回る状態である必要があります。

もし「ロンド」などでボールが回らないレベルであれば、守備よりも先に、攻撃のオーガナイズを優先した方がいいと思います。
攻撃でスタートポジションが取れてボールが回り出すと、それに対する守備のトレーニングも、自然と成立するようになります。

守備の団子をなんとかしたい時ほど、遠回りに見えても、まず攻撃の形から整える。
これが順番かなと思います。

まとめ

・団子からポジションへの移行は2つ。①形から教え込む(早いが強度が落ちる)②団子のままキーファクターで寄せる(強度は残るが難しく時間がかかる)
・僕がU-8を見るなら、スタートポジションは教えるが固執しない。3・4年生で必要になる個人技術を優先する
・団子の中でも、コントロールオリエンタード・運ぶドリブル・突破のドリブル・ワンツーは磨ける
・卒業させるなら、切り替えの瞬間にスタートポジションへ戻る意識から
・練習は4対4+3フリーマンなどで「スタートポジションはどこ?」。立った後のアクションまで落とし込む
・守備の練習は、攻撃でボールが回ってから成立する

この記事では、U-8の団子サッカーからポジションプレイへの移行について解説しました。

U-8年代では、ポジションを守ることで選手の本能的な良さが消えてしまわないよう、バランスを見ながらアプローチしてみてください。
皆さんの指導現場でも試してみてください!

なお、4対4+3フリーマンのような練習は、盤面を描いて「スタートポジション」を可視化しておくと、選手への問いかけがしやすくなります。
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