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ジュニアサッカー【中級者】指導者向け:戦術の実践ガイド

この記事は、レベル別戦術指導ガイドの【中級者向け】です。基本的な戦術コンセプトの指導ができる指導者が、フォーメーションの理解と運用、チーム戦術の構築について学習するための実践ガイドです。

こんにちは、講師のカズです。

ジュニア年代のサッカー指導では、フォーメーションの理解と運用がとても重要です。

しかし、「フォーメーションを決めても機能しない」「選手がポジションの役割を理解できない」と悩む指導者の方も多いのではないでしょうか。

僕自身、指導を始めた頃はフォーメーションを「並べるだけ」で終わってしまい、なかなか機能しないと感じることがありました。

形を作っても、実際の試合では思うような動きにならないという経験を何度もしました。

・フォーメーションを決めても選手が迷ってしまう
・各ポジションのタスクを明確に設定できない
・戦術構造を理解して指導に活かせない

この記事では、フォーメーションの構造的理解から、タスク設定による機能化、主要フォーメーションの特徴と活用法まで詳しく解説します。

この記事を読めば、フォーメーションを「機能させる」指導ができるようになり、チーム戦術が格段に向上すると思いますので、最後までご覧ください。

Content

1. フォーメーションの構造的理解

①フォーメーションとシステムの違い

多くの指導者が混同しがちなのが、フォーメーションとシステムの違いです。

この違いを理解することで、指導アプローチが大きく変わります。

※ただし、この考えは僕の独断です。

フォーメーション:選手の配置・形
システム:選手の役割・動き

僕の現場では、まずフォーメーション(形)を覚えさせてから、システム(動き)を教えるという段階的なアプローチを取っています。

②8人制フォーメーションの特徴

8人制サッカーのフォーメーションには、11人制とは異なる特徴があります。

人数が少ない分、一人一人の役割がより重要になり、複雑性も増します。

主要なフォーメーションの構造的特徴を理解することが、適切な選択と運用につながります。

③フォーメーション選択の注意点

フォーメーションを決める時に重要なのは、構造上のメリット・デメリットを理解することです。

「なんとなく」や「人気だから」という理由で選ぶのではなく、チームの特性と目指すサッカーに合わせて選択することが大切です。

僕が現場で意識しているのは、以下の4つの観点です。

・選手の特性と能力
・チームの目指すサッカー
・相手チームの特徴
・試合状況

2. タスク設定による機能化

①タスク設定の重要性

フォーメーションを機能させるための鍵が「タスク設定」です。

ただ配置を決めるだけでは、選手は何をすればいいか分からず、混乱してしまいます。

各ポジションの具体的な役割(タスク)を明確にすることで、フォーメーションが初めて機能するようになります。

②ポジションの役割を明確化する

選手がポジションの動き方や役割を理解できない時は、タスクが不明確な場合が多いです。

タスクはプレーモデルとも関係しますが、ジュニア年代の場合は、どんなプレーモデルかよりも、原理原則的に指導する方が良いかもしれません。

③スタートポジションの整理

ポジショニングの改善は、まずスタートポジションの整理から始まります。

子どもたちがポジションを理解できずサッカーがカオスになる現象を解決するには、最初にスタートポジションを明確にすることが重要です。

僕が現場で使っている方法は、ピッチや選手の配置を基準にして、「ここが君のスタートポジション」と具体的に示すことです。

3. 主要フォーメーションの特徴と活用法

①2-3-2フォーメーションの実践

2-3-2は、ジュニア年代で人気のフォーメーションです。

バランスが良く、攻守両面で安定感があります。

構造的な特徴
・中盤が3枚でボール保持しやすい
・サイドとセンターの両方を使える
・守備時には5-2-1に変化可能

②3-3-1フォーメーションの安定性

3-3-1は守備面での安定感が高いフォーメーションです。

守備重視のチームや、失点を減らしたいチームに適しています。

構造的な特徴
・守備時に3-3-1で安定
・DFラインが3枚で安心感
・攻撃面ではタスク設定がカギ

ただし、攻撃面では工夫が必要で、タスク設定次第で大きく変わるフォーメーションです。

③3-1-2-1の可変式システム

3-1-2-1は可変式フォーメーションの代表例です。

守備時には3-3-1、攻撃時には様々な形に変化できる柔軟性があります。

構造的な特徴
・攻守で形が変化
・中央とサイドの厚みを活用
・選手の理解度が重要

このフォーメーションは、選手の戦術理解が進んでから導入することをおすすめします。

4. 戦術構造の深い理解

①8人制の複雑性を理解する

「11人制より8人制サッカーの方が戦術が難しい」という声を聞きますが、果たしてそれは本当でしょうか。

複雑性を理解することで、選手への指導アプローチも変わってきます。

②構造的な理解の重要性

サッカーを構造的に理解することで、戦術指導の質が大きく向上します。

「前進とボール保持」「フィニッシュ」といったフェーズ分けで考えることで、戦術が整理されます。

僕の現場では、選手にも「今はどのフェーズか」を意識させるようにしています。

③戦術的判断力の育成

フォーメーションが機能するためには、選手の戦術的判断力が不可欠です。

「予測」「警戒」といった基礎的な戦術コンセプトを身につけることで、判断力は向上します。

まとめ

この記事では、フォーメーションの機能化について解説しました。

・フォーメーションとシステムの違いを理解する
・タスク設定により各ポジションの役割を明確化する
・主要フォーメーションの構造的特徴を把握する
・戦術構造を理解して指導に活かす

学習のポイント

このレベルで重要な4つのポイントを整理します。

フォーメーション理解の段階

Level 1: 構造理解

  • 各ポジションの配置と基本的な役割
  • フォーメーションの形的特徴

Level 2: 機能理解

  • タスク設定によるポジションの具体的役割
  • 攻守での形の変化

Level 3: 適用理解

  • チーム状況に応じたフォーメーション選択
  • 選手特性を活かしたタスク設定

指導の優先順位

僕の現場では、以下の順序で指導を進めています。

  1. 基本ポジション:スタートポジションの確立
  2. 個人タスク:各ポジションの基本的役割
  3. 連動性:ポジション間の関係性
  4. 可変性:状況に応じた形の変化

チーム戦術構築の手順

実際に現場でフォーメーションを機能させるための手順も紹介します。

Step 1: フォーメーション選択

  • 選手の特性と能力を分析
  • チームの目指すサッカーを明確化
  • 相手チームの特徴を考慮

Step 2: タスク設定

  • 攻撃時のタスクを明確化
  • 守備時のタスクを設定
  • 切り替え時の約束事を決める

Step 3: 段階的練習

  1. 個人タスクの習得
  2. ユニット(2-3人)での連動
  3. ライン単位での協働
  4. チーム全体での実行

Step 4: 試合での検証

  • タスクの実行度をチェック
  • 連動性の質を評価
  • 改善点を特定して修正

理解度チェック

以下の質問に答えられるか確認してみましょう。

・フォーメーションとシステムの違いを説明できますか?
・各ポジションのタスクを明確に設定できますか?
・2-3-2、3-3-1、3-1-2-1の特徴を理解していますか?
・戦術構造を意識した指導ができますか?
・選手の戦術的判断力を評価できますか?
・フォーメーションが機能しない原因を特定できますか?

すべて答えられたら、次のレベルに進む準備ができています。(たぶん…)

フォーメーションは「並べるだけ」では機能しません。

タスク設定による機能化と、構造的理解に基づいた体系的な指導アプローチが重要です。

選手とチームの成長を実現するために、ぜひ実践してみてください。皆さんの指導現場でも試してみてください!

学習ステップ

推奨学習順序

現在のレベル:基本概念の理解
次のレベル:基本的な戦術コンセプトの習得
中級レベルフォーメーションと構造理解(←今ここ)
上級レベル:高度な戦術理論と実践

フォーメーションと戦術構造を理解し指導できるようになったら、次はより高度な戦術理論と実践的な指導法について学習することをおすすめします。

可変式フォーメーションやプレーモデル(ゲームモデル)、試合分析などに取り組みましょう。

次のステップ

📕 [ジュニアサッカー【上級者】指導者向け:戦術の応用ガイド]
プレーモデル(ゲームモデル)や高度な戦術について学習しましょう。

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📗 [ジュニアサッカー【超初級者】指導者向け:戦術の基礎理解ガイド]
戦術の基本概念をもう一度確認したい方はこちら。

📘 [ジュニアサッカー【初級者】指導者向け:戦術の基礎実践ガイド]
基本的な戦術コンセプトをもう一度確認したい方はこちら。

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