【少年サッカー】ビルドアップが前プレでハマる理由とロングの使い分け

少年サッカー

こんにちは、講師のカズです。

ここ数年、後ろからしっかりつないでビルドアップしようというチームが、少しずつ増えてきたと感じます。
子どもたちに、ちゃんとサッカーをやらせたい。
そう考えて、ビルドアップやポゼッションに取り組んでいる指導者の方も多いかと思います。

例えば、以下のように感じる方もいるかと思います。

・ショートパスでつなごうとすると、相手の前プレで引っかかってしまう
・引っかかるたびに「サポートが遅い」「パスの精度が」という話になってしまう
・相手が強くなると、結局ロングを蹴るだけのサッカーになってしまう

僕自身、10年くらい前までは、まさにこの状態に陥っていました。

この記事では、ビルドアップが前プレでハマってしまう理由と、ショートとロングの使い分けをどう設計するか、そしてどう練習するかについて解説します。
ビルドアップがうまくいかないと悩んでいる方のヒントになると思いますので、最後までご覧ください。

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1. ショートパスをつなぐことに固執していませんか

①「つなぐこと」が目的になると、前プレでハマります

キーパーがボールを持って、パコーンと蹴って、セカンドボールを拾う。
それが嫌だから、ディフェンスラインからしっかりつないでいこう、ゴールキーパーもビルドアップに参加させよう、と考えます。

ところが、やってみると、だいたい引っかかります。
「今は我慢して、つなぐことをやらせたい」と続けていくと、引っかかる回数が増えて、うまくいかない感じになっていきます。
選手はビルドアップする自信をなくしてしまう。
このようなことは、よくあるかなと思います。

②なぜショートパスをつなぐのか、から設計します

基本的に、ショートパスをなぜつなぐのか、というところからデザインしていく必要があると思います。

僕の場合は、ショートパスを使いながら、相手が前プレで食いついてきたら一気に裏を取る、というプレイの方がいいと考えています。
だから、ショートとロングをどう使い分けるかは、かなり重点的に練習するところです。

③相手がプレッシングの練習をしていなくても、ハマってしまう

ショートしか狙っていないチームは、前プレに来られたら全部終わってしまいます。
ロングが入らないので、相手からすると「前から行け」「プレッシング行け」で済んでしまうからです。

相手がプレッシングの練習をしていなくてもハマってしまう。
これは、ジュニア年代で結構あることかなと思います。

2. ロングで裏を取りたいから、ショートをつなぐ

①ショートを諦めてロング、ではありません

よくあるのが、ショートでつなごうとして、相手が前プレに来たら、出すところがないのでラインを上げてロングを蹴り、フィフティフィフティから拾う、という形です。
これは別に悪いことではありませんし、プロでもそういうことをします。

ただ、僕が大切だと考えているのは、発想の順番です。
ショートパスが無理だから諦めてロングを蹴るのではなく、ショートパスのコースを作りに行きながら、相手が前プレに来ているからロングを入れる。
こんな感じで、基本的な概念として、まずショートパスを作りに行くことを置きます。

②ロングが入った先は、守備が手薄になっています

例えば、センターバックやボランチがショートパスのサポートやパスラインを作りに行く。
そこを相手に最初から狙われているから、ロングを入れる。
そうすると、ロングが入った先は、ディフェンスが手薄になっているはずです。

これはキーパーが持った時以外も同じです。
サイドバックやセンターバックがボールを持って、サリーダ・デ・バロン(ビルドアップの局面)で次の配球先を探している。
相手がガンガン前プレに来るから、一気にサイドバックが裏を取って背後を狙う。
そうすると、今度は相手が下がるので、ショートが入るようになります。

③ロングだけでは、相手が下がるだけです

一方で、ショートパスを作らずにロングだけを入れると、単純なロングフィードになります。
スペインで言う、フエゴ・ディレクトという前進の仕方です。
ロングだけになると、相手は最初から下がるので、別に意味がなくなってしまいます。

ショートのビルドアップをするぞ、という形でショートを作る。
その上で、相手がグッと前に来たら一気に裏を取る。
このようなプレイモデルのデザインをしている方が、ビルドアップ攻撃はうまくいくと感じています。

④サッカーは、意外と逆のことが大切です

僕はいろいろな場所で言っているのですが、サッカーは意外と逆のことが大切かと思います。

・パスを回したいから、ドリブルする
・ドリブルしたいから、パスを回す
・ロングパスで一発で裏を取りたいから、ショートをつなぐ
・ショートで崩したいから、ロングボールを入れる

こういった逆のことを、ちゃんとデザインしておくことが大事です。

3. サポートの話に着地しない

①「早くサポート来い」は、爆弾ゲームになりやすい

ビルドアップがうまくいかない時、サポートやパスラインの話に重点が行きすぎることがあります。
センターバックがボールを持って、パスコースがない。
「早くサポート来い」となる。

そうすると、プレッシャーを受けたらボールを放す、という扱い方になりがちです。
昔テレビであった、自分のところで爆発しないように回していく爆弾ゲームのような形です。
このようにボールを扱うと、だいたい引っかかります。

僕も10年くらい前に感じていたのですが、ビルドアップするチームに対して前プレでガーッと来られてハマる。
そこで「サポートが遅い」「ポジショニングが」という話に着地してしまいがちです。
ただ、大事なのは逆のところかと思います。

②相手のレベルが低ければ、ボールは回って当たり前です

練習試合で相手のレベルが低いとビルドアップができるのに、選手権になって相手のレベルが上がると一気にロングしかなくなる。
高校生でも中学生でも、ジュニアでは特によく見る光景です。

相手のレベルが低ければ、ポゼッションできるのは当たり前です。
テクニックや個人の能力で上回っているので、ボールは回ります。
ボールが回っているからといって、いつでもビルドアップできるわけではありません。

相手のレベルが同等ぐらいになると、それだけではボールを持てなくなります。
すると、後ろで引っかけるのが怖いからロングを入れよう、となり、サッカーが単調になっていきます。
僕自身もそうでした。

③パスコースがない時に、運んで作る

特にジュニア年代でポゼッション型のサッカーをさせようとすると、子どもたちは強くパスを意識します。
相手のプレッシャーが弱いうちはパスが回るので、うまくいっている感じがします。
ただ、プレッシャーが強くなると、逃げるようなパス、怖いからパス、になって引っかかります。

だからこそ、僕は4人のロンドなどで、パスコースがない時を前提にボールを持たせます。
パスコースがないから、運んでパスコースを作る。
パスコースができなかったら終わりではなく、できなかった時にどうするのか、から組み立てる方が、ビルドアップ攻撃はうまくいくかなと思います。

4. どう練習するか

①数的優位だけでボールが回る状況を作りません

数的優位のトレーニングでボールが回っているのは、相手のレベルが低くてボールが回っているのと同じ現象です。
なので、最後はちゃんと同数にする。
もしくは、パスコースがない状況を作る。
必ずその逆のことをしないといけない練習を入れます。

ショートを作りながらもロングをデザインする。
サポートやポジショニングをやりながらも、サポートがない時のコンドゥクシオン(運ぶプレイ)や、体の向きでパスを入れるふりをして外す、といった個人のテクニックをちゃんとやっておく。
ここがとても大切なところかと思います。

②4vs4+2サーバーは、ショートだけだと全部ハマります

例えば、4vs4+2サーバーのポゼッションは、サーバーへのプレッシャーを禁止にしているので、中は同数になっています。
基本的に、ショートだけをやると全部ハマって終わるトレーニングです。
その中で、ロングをいかに入れていくのかを学べるメニューになっています。

③その前段階として、スタートポジションがあります

その前段階として、ポジショニングの問題がある場合もあります。
スタートポジションをどう取るのか、スタートポジションからいかに動き出すのか。
こういったところも、とても大切になってくると思います。

④ビルドアップは、試合を有利にするためにやります

ビルドアップやポゼッションは、子どもたちにちゃんとサッカーをやらせたいからやるものではなく、それによって試合が有利になる、勝ちやすくなるからやる。
これが最初の前提かなと思います。

前プレに来られてパスコースがない時に、どう回避するかという術がないまま、ショートパスだけをやらされる。
ロングも入れてはダメ、個人で剥がしてもダメ、となると、選手たちはビルドアップが怖くなって、やりたがらなくなってしまいます。
試合を有利に進めるためのビルドアップで、選手が自信をなくし、指導者も袋小路に入ってしまう。
これは本末転倒です。

「今は、プレッシングを個人のスキルでどう外すかをやっている」
「今は、そこからどうロングを入れるかをやっている」
このように、何をやっているのかがはっきりしていれば、問題はないかと思います。

そもそも「ビルドアップ」という言葉が、日本とスペインで何を指しているのかは、次の記事で整理しています。

まとめ

・ショートパスをつなぐことに固執すると、前プレでハマりやすくなります
・ショートを作りに行くから、相手が食いついた時にロングで裏を取れます
・ロングだけ、ショートだけ、ではなく、逆のことをデザインしておくことが大切です
・「サポートが遅い」に着地せず、パスコースがない時から組み立てます
・数的優位だけでボールが回る練習ではなく、同数やパスコースがない状況を入れます

この記事では、ビルドアップが前プレでハマってしまう理由と、ショートとロングの使い分けについて解説しました。

ビルドアップは、細かいところまでデザインしないといけないので、現場ではとても難しいかと思います。
それでも、そういうサッカーができたらいいなと感じている指導者の方は多いと思います。
まずは、ショートを作りながら、どこでロングを入れるのかを、1つだけ練習に入れてみてください。
皆さんの指導現場でも試してみてください!

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