こんにちは、講師のカズです。
この記事では、多くの指導者の方が練習メニューを考える際に抱えるであろう問題(悩み)について掘り下げていきたいと思います。
・理想のサッカーを追求したいけれど、目の前の試合結果に左右されてしまう。
・練習メニューが、一貫性のないものになっていないか不安を感じることがある。
・長期的な育成目標と、日々の課題解決のバランスをどう取れば良いか難しいと感じる。
僕自身も、過去には「理想を追い求めすぎて現実とのギャップに悩む」こともあれば、「目の前の問題解決に追われて、長期的な視点を見失いそうになる」こともありました。
この記事では、プレーモデルやプランニングからの逆算と、M-T-M(マッチ・トレーニング・マッチ)からの逆算、それぞれの考え方と、そのバランスをどう取るべきかについて、僕の実体験を交えながら解説していきます。
この記事を読めば、練習メニュー作成における「軸」が明確になり、自信を持って日々の指導に取り組めるようになると思いますので、ぜひ最後までご覧ください。
1. 練習メニューの逆算思考:2つのアプローチ

練習メニューを考える際、大きく分けて2つのアプローチがあると思います。
それぞれに特徴があります。
① プレーモデル・プランニングからの逆算:理想を追求する
これは、チームとして「どんなサッカーを目指すのか」という明確な理想(ゲームモデルやプレー原則)を設定し、そこから逆算して練習メニューを組み立てていく方法です。
例えば、「ビルドアップを重視したポゼッションサッカー」を目指すのであれば、そのために必要な個人のテクニック、グループでの連携、チームとしてのポジショニングなどを段階的に落とし込んでいくイメージです。
このアプローチの最大のメリットは、チームのスタイルに一貫性を持たせやすく、長期的な視点で選手の成長を促せることにあると思います。
チームの哲学が明確になり、選手も「自分たちはこういうサッカーをするんだ」という共通認識を持ちやすくなります。
② M-T-Mからの逆算:現実の課題を解決する
M-T-M(マッチ・トレーニング・マッチ)は、試合(Match)で現れた課題を分析し、それを解決するためのトレーニング(Training)を行い、次の試合(Match)でその成果を検証するというサイクルです。
例えば、前回の試合で「サイドからの攻撃が単調だった」という課題が見つかれば、その改善に特化した練習メニューを組む、といった具合です。
このアプローチのメリットは、目の前の課題に即応でき、短期的なパフォーマンス向上に繋がりやすい点です。
選手の「できた!」という成功体験も得やすく、モチベーションを維持しやすいという側面も。
短期的な課題解決に注力しすぎると、ともすると「場当たり的」な練習になりかねない、という懸念は確かに存在します。
2. 理想と現実のバランス:僕のリアルな経験

僕自身、指導者としてのキャリアの中で、この「理想」と「現実」のバランスに何度も悩んできました。
特に、スペインで理論を学んだ後は、「こうあるべきだ」という理想が強くなり、現実とのギャップに苦しんだ時期もあります。