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ジュニアサッカー【初級者】指導者向け:戦術の基礎実践ガイド

この記事は、レベル別戦術指導ガイドの【初級者向け】です。基本概念を理解した指導者が、具体的な戦術コンセプトを実際に選手に指導するための実践的な方法を詳しく解説しています。

こんにちは、講師のカズです。

ジュニア年代のサッカー指導では、戦術コンセプトの指導がとても重要です。

しかし、「オフザボールをどう教えればいいか分からない」「戦術コンセプトを練習に落とし込めない」と悩む指導者の方も多いのではないでしょうか。

僕自身、指導を始めた頃は戦術コンセプトの重要性は理解していたものの、具体的にどう選手に伝えればいいか悩むことがありました。

理論は分かっても、実際の指導となると難しいと感じることがありました。

・オフザボールの動きをどう体系的に教えればいいか分からない
・戦術コンセプトを選手に理解させる方法が分からない
・練習と試合でのギャップを埋められない

この記事では、基本的な戦術コンセプトの指導方法から、オフザボールの体系的な教え方、実践への落とし込み方まで詳しく解説します。

この記事を読めば、戦術コンセプトの指導に自信が持てるようになり、選手の戦術理解が格段に向上すると思いますので、最後までご覧ください。

Content

1. オフザボールの指導法をマスターする

①オフザボールの基本的な考え方

戦術指導の核となるのが、オフザボールの動きです。

サッカーにおいて、選手がボールを持っている時間は全体のわずか2-3%と言われています。残りの97-98%はオフザボールの時間です。

僕の現場でも、オフザボールの動きが改善されると、チーム全体のプレーの質が大きく向上することを実感しています。

参考記事:ジュニアサッカー【オフザボール】基本的な考え方と指導方法

②2つの要素に分解して指導する

オフザボールの指導で僕が意識しているのは、2つの要素に分解することです。

・認知の要素:周りの状況を把握する
・実行の要素:適切な動きを選択・実行する

この2つを分けて考えることで、選手がつまずいているポイントを特定しやすくなります。

動けない選手は、見えていないのか、見えているけど動けないのか、まずはそれを判断することが大切です。

参考記事:サッカー【オフザボールの教え方】2つの要素と3ステップ:基本解説

③3ステップでの指導プロセス

僕がオフザボールを指導する時は、以下の3ステップで進めています。

ステップ1:認知の向上
まずは周りを見る習慣をつけさせます。「首を振って見る」ことから始めて、「何を見るべきか」を具体的に伝えます。

ステップ2:判断基準の明確化
見えた情報をもとに、どう判断するかの基準を教えます。「こういう時はこう動く」という具体的な判断基準を示します。

ステップ3:実行の練習
判断基準が分かったら、実際に動く練習をします。最初は簡単な状況から始めて、徐々に複雑な状況に発展させていきます。

参考記事:ボールがない時何をする?ジュニアサッカー【オフザボールの動き】

④オフザボールの2つの状態

オフザボールには、実は2つの状態があります。

直接的関与:すぐにボールに関われる状態
間接的関与:直接的ではないが、チーム全体に影響を与える状態

この違いを理解することで、より精度の高いオフザボール指導ができるようになります。

僕の現場でも、この区別を意識してから選手の動きが整理されるようになりました。

参考記事:【サッカー・オフザボールの状態は2種類】違いと指導方法を解説

2. 攻撃の基本戦術コンセプトを指導する

①サポートから始める理由

攻撃の戦術コンセプトで最初に教えるべきは「サポート」かなと思います。

なぜなら、これが攻撃の基本中の基本だからです。

余談ですが、マークを外す動きやスペースの活用もサポートの概念とリンクしますね。

サポートには大きく2種類あります。

近づく:ボールホルダーに近づいて(ラインを下げて)パスを受ける
離れる:ボールホルダーから離れて(ラインを超えて)パスを受ける

この2つの使い分けを理解することで、選手のサポートの質が格段に向上します。

参考記事:サッカー戦術コンセプト【サポート】目的別・2種類のサポート

②マークを外す動きの指導

ジュニア年代でも、高学年になるとマークを外す動きが必須かなと。

マークを外す動きには主に2つのパターンがあります。

時間差:タイミングをずらして動く
方向変化:動く方向を変えて相手を撹乱する

参考記事:時間とスペースを作る【マークを外す動き】サッカー戦術コンセプト

③スペースの活用を理解させる

スペースの活用は、攻撃戦術の核となる概念です。

ただし、小学生にいきなり「スペースを使え」と言っても伝わりません。

僕が現場で意識しているのは、少しややこしい表現ですが、「サポートの結果としてスペースを作る動きや使う動き」を引き出す方法です。

割愛しますが、「自己組織化」を促す方法です。

スペースを作る動き:相手を引きつけてスペースを作る
スペースを使う動き:作られたスペースに入る

参考記事:サッカー戦術コンセプト【スペースの活用】スペースを作る・使う動き

④フィハールで相手を引きつける

フィハール(相手を引きつける)は、スペイン語圏では一般的な戦術用語です。

ドリブルで相手DFを引きつけて、味方をフリーにする戦術です。

これは個人技術と戦術が組み合わさったプレーですが、ジュニア年代でも理解させることは可能です。

ただし、日本の8人制サッカーのピッチ条件には注意が必要です。

参考記事:DFを引きつけるドリブル【フィハール】サッカー戦術コンセプト

3. 守備の基本戦術コンセプトを指導する

①マークの2種類と3原則

守備の基本となるのが「マーク」です。

マークには大きく2種類あります。

マンツーマン:特定の相手選手につく
ゾーン:特定のエリアを担当する

また、マークには3つの原則があります。

距離:適切な距離を保つ
角度:ゴールとボールを結ぶ線上に立つ
姿勢:いつでも対応できる姿勢を保つ

参考記事:サッカー戦術コンセプト【マーク】2種類のマークと3原則も徹底解説

②ディレイで時間を稼ぐ

ディレイ(遅らせる)は、守備の基本原則の一つです。

相手の攻撃を遅らせることで、味方が戻ってくる時間を稼ぎます。

僕が選手に教える時は「急いで取りに行かずに、まずは遅らせる」と説明しています。

これだけでも、慌てて飛び込んでしまうミスが減ります。

参考記事:相手の攻撃を遅らせて味方を待つ【ディレイ】サッカー戦術コンセプト

③カバーリングで味方を助ける

チャレンジ&カバーは、守備における基本的な協働です。

一人が相手にチャレンジしている時、もう一人がカバーに入る。

この連携が守備の安定につながります。

特に距離感などはジュニア年代から身につけておきたいですね。

参考記事:味方を助ける守備の基本戦術【カバーリング】サッカー戦術コンセプト

④スライドでゾーンを守る

ゾーンディフェンスの基本となるスライドです。

ボールの位置に応じて、守備ラインが横にスライドする動きです。

これはジュニア年代から身につけておきたい基本的な動きですが、スライドした後に何を意識するかを指導すると良いと思います。

参考記事:ゾーンディフェンスの基本【スライド】サッカー戦術コンセプト

4. 実践への落とし込み方法

①段階的な指導アプローチ

戦術コンセプトを実践に落とし込む時は、段階的なアプローチが重要です。

僕が現場で意識している流れは以下の通りです。

Phase 1:戦術コンセプトの理解
Phase 2:基本的な動きの習得
Phase 3:無意識での実行

一気に Phase 3 を目指すのではなく、確実に一段階ずつ進めることが大切ですね。

②練習メニューの組み立て方

戦術コンセプトをテーマにした時の練習を組み立てる時の基本的な流れ(例)です。

※僕は同じテーマで1日の練習を行うことはありませんが、参考程度に。

導入:戦術コンセプトの説明(5分)
基礎練習:コンセプトの基本動作(15分)
応用練習:実戦に近い形での練習(20分)
ゲーム:学んだコンセプトを試合で実践(15分)

もし何らかの戦術コンセプトを一日通しで練習したい場合は、こんな感じでしょうか。

③よくある課題と解決法

現場でよくある課題とその解決法をいくつか紹介します。

課題1:選手が戦術を理解できない 解決法:抽象的な説明ではなく、具体的な動きで示す
課題2:練習ではできるが試合で使えない 解決法:段階的に実戦に近い環境で練習する(特にグローバル)
課題3:複数の戦術が混乱する 解決法:1つのコンセプトを確実に定着させてから次に進む

選手たちへの指導は「積み上げ」ようとしても、すぐに忘れてしまったりします。

必要性や文脈に応じて指導しましょう。

まとめ

この記事では、戦術コンセプトの指導方法について解説しました。

特に「どれを優先的に指導すべきか?」はありませんが、チーム、選手の状態を分析して、直近で必要なものから随時取り組んでいくのをお勧めします。

学習のポイント

このレベルで重要なのは、以下の4つのポイントです。

戦術コンセプト指導の基本

段階的指導:選手のレベルに応じて段階的に指導
具体化:抽象的な概念を具体的な動きに落とし込む
反復:繰り返し練習で定着を図る
実戦連結:練習と試合を連動させる

理解度チェック

以下の質問に答えられるか確認してみましょう。

・オフザボールの2つの要素を説明できますか?
・サポートの2種類を使い分けて指導できますか?
・マークの3原則を選手に伝えられますか?
・戦術コンセプトを段階的に指導する流れを理解していますか?
・練習と試合のギャップを埋める方法を知っていますか?

すべて答えられたら、次のレベルに進む準備ができています。(たぶん…)

学習ステップ

推奨学習順序

現在のレベル:基本概念の理解
次のレベル:基本的な戦術コンセプトの習得(←今ここ)
中級レベル:フォーメーションと構造理解
上級レベル:高度な戦術理論と実践

基本的な戦術コンセプトを指導できるようになったら、次はフォーメーションや戦術構造についてより深く学習することをおすすめします。

各ポジションのタスク設定や、チーム全体での連動性について理解を深めていきましょう。

次のステップ

✅ [ジュニアサッカー【中級者】指導者向け:戦術の実践ガイド]
フォーメーションとタスク設定について学習しましょう。

さらに上を目指すなら

📕 [ジュニアサッカー【上級者】指導者向け:戦術の応用ガイド]
プレーモデル(ゲームモデル)や高度な戦術について学習しましょう。

前のステップに戻る

📗 [ジュニアサッカー【超初級者】指導者向け:戦術の基礎理解ガイド]
戦術の基本概念をもう一度確認したい方はこちら。

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