こんにちは、講師のカズです。
この記事は、レベル別『指導・育成』ガイドの【中級者向け】です。
中級者のコーチ(指導歴3〜5年目)の方向けに、「指導・育成」カテゴリーにおける参考になりそうな記事をまとめています。
1. 個の育成と自主性
①個の育成とチーム戦術の使い分け
「個の育成」という言葉、よく聞きます。
でも本当の意味とは何か?
個の育成は単純に個人技術を向上させることではありません。
選手一人ひとりの個性を理解して、その個性を最大限に活かす方法を見つけること。
チーム戦術との使い分けのポイント
・この育成とは単なる技術指導ではない
・プレーモデルとのバランス
・チームとしての役割とそれを超えたクリエイティブさ
プレイモデルを厳密にしすぎると、選手の個性が見えなくなります。

②選手の自立を促す育成方法
自主性・主体性の育成、これは中級者以上のコーチには必須のスキルです。
僕の経験では、段階的なアプローチが効果的です。
・依存期:指導者が決める、選手が従う
・自立準備期:選択肢を提示、選手が選ぶ
・自立期:選手が自分で考え、決める
答えを教えるのではなく、考えさせる。
失敗を学習機会として捉えることが指導者にとって大切です。

③自主性が育たない原因
「選手に自主性を求めてるのに、全然育たない…」という悩みもよくあります。
実は、自主性を育てる前提として、適切な「場の空気感」が必要です。
・安心して発言できる雰囲気
・失敗を恐れない環境
・お互いを尊重する関係
この空気感なしに自主性を求めても、選手は困惑するだけです。

④主体性を育てる具体的方法
理論は分かったけど、具体的にどうすればいいの?という方向けの記事。
日常での主体性育成の方法
・練習の準備や片付けを選手主導で
・チームルールを選手と一緒に決める
・困った時の解決策を選手に考えさせる
押さえるべきポイントを実践的に解説しています。

2. 選手のプレー分析と観察する技術
①ミスの4つのプロセス分析法
「なぜミスったのか?」を正確に分析できれば、効果的な改善策を提示できます。
PAD+E
・P(認知):状況を把握する
・A(分析):情報を分析する
・D(決定):分析した情報から判断を決定
・E(実行):実行に移す
どの段階でのミスかを特定すれば、指導のポイントも明確になります。
ちなみに、最近はこの考えに否定的な意見もありますが、とりあえずこういう考えもあるとして覚えておきましょう。

②現象を捉える基本スキル
中級者以上のコーチには「観察眼」が求められます。
表面的な結果だけ見るのではなく、その奥にある現象を捉える必要があります。
・「起きた結果」だけでなく「起きなかった現象」も見る
・選手の意図や思考を理解する
・潜在的な可能性を見抜く
この観察眼がないと、選手は上手くなりません。

③見えない現象を見る観察眼
さらに高度な観察技術について。
指導の質を劇的に変える観察眼の磨き方
・結果だけでなくプロセスや意図を見抜く
・選手の真の成長を促すための観察技術
・隠れた才能を引き出すためのヒント
これができると、コーチングが選手に深く響くようになります。

3. 判断力・認知能力向上
次に判断力や認知力を向上させるための指導に関してです。
①選択的注意を活用した指導
選手が状況判断できない時、心理学的なアプローチが有効です。
・見るべき対象を明確にする
・選択肢を限定して負荷を下げる
・段階的な情報処理能力向上
「あれもこれも見ろ」では選手は混乱します。まずは見るべき対象を絞る。

②状況判断力と選択肢を増やす方法
「状況判断を良くしろ」と言うだけでは選手は改善しません。
また「選択肢が多い方が良い」と言われますが、本当はどうなのか?
・情報収集の技術
・判断基準の明確化
・選択肢の拡大方法
・実践的なトレーニング例
コーチがやるべきことを明確化した記事です。
多分、このような内容は書籍などにはありません。

③認知とプレー判断の育て方
小学生年代に特化した判断力向上の指導法。
判断ミスを減らすための具体的アプローチ
・「状況認知とプレー判断」の育成システム
・年代に適した指導方法
・段階的なスキル向上プロセス
4. 技術・戦術のもう少し高度な指導方法
①ミスに強い選手の育て方
「練習では上手いのに、試合では…」という選手、いませんか?
技術があっても試合で力を発揮できない選手への対応
・ミスへの心構えとメンタル面の強化
・プロセス重視の評価システム
・多様な状況での経験機会の提供
スペインでの経験も交えて、実践的なアプローチを紹介しています。

②1対1守備の強度向上
日本の選手の課題とされる「球際の弱さ」について。
1対1守備が弱い原因
・足だけでボールを奪おうとする
・体を使った守備ができない
・インテンシティ(強度)が低い
「体を使った守備」への転換方法を具体的に解説しています。

③戦術的スキル獲得の体系化
選手が戦術的スキルを確実に習得するための4ステップ。
・ステップ1:理解(戦術の目的と意味の理解)
・ステップ2:実行(制限された環境での実践)
・ステップ3:適応(様々な状況での応用)
・ステップ4:習慣化(無意識レベルでの実行)
習慣化と判断力向上のプロセスを体系化した内容です。

5. 指導法の適応と応用
①海外式指導法の適用技術
海外の優れた指導法、そのまま真似してしまう。
実は、これは結構危険です。
文化的背景や子どもの特性の違いを理解せずに導入すると、期待通りの効果が得られません。
・本質を抽出して日本の現場に適応する技術
・独自の発展と改良を行う方法
・文化的背景の重要性
スペイン留学したからこそ、よくわかります。

②エコロジカルアプローチの実践
最新の指導理論「エコロジカルアプローチ」について。
僕も一部取り入れている理論ですが、実例を紹介しています。

6. 選手の問題行動への対応方法
①ミスを認めない選手への対応
「自分のミスを味方のせいにする選手」、困りますよね。
この問題への対応方法
・規律と信頼関係の両方からのアプローチ
・建設的な改善につなげる方法
・チーム全体への影響を最小限にする対策
感情的に叱るだけでは解決しません。

②選手同士のコミュニケーションを活性化させる方法
選手たちが互いに声出しできない理由と解決法。
・コミュニケーション能力向上の具体的方法
・段階的な指導ステップ
・チーム内コミュニケーション活性化
選手同士の関係性も、コーチの指導次第で変わります。
7. コーチングが響かない問題
①集中力低下への対処
「最近、コーチングが響かなくなった…」という経験ありませんか?
コーチングが響かない根本原因の多くは「集中力」の問題。
集中力の低下は、最悪の場合チーム崩壊につながります。
・指導者が取るべき具体的対策
・チーム崩壊を防ぐ予防的アプローチ
・集中力を取り戻す方法
早めの対処が重要です。

8. 少し特殊な指導法
①戦術指導の完全講義
僕自身が実践しているジュニア年代における戦術指導の方法を体系化した教材です。
・具体的指導方法の詳細解説
・現場ですぐに使える実践的ノウハウ
中級者の方なら、ぜひ一度読んでほしい内容です。

9. まとめ
この記事では、選手の個性と能力開発について解説しました。
・個の育成とチーム戦術のバランスで選手の個性を最大限に活かす
・自主性・主体性を育む育成哲学で選手の自立を促進する
・高度な観察眼と分析力で選手の真の可能性と課題を見抜く
・判断力・認知能力向上の具体的技術を実践する
・指導法の適応技術でより高度な指導を実現する
中級者の方は、これらの技術を現場で実践しながら、一人ひとりの選手の個性と能力開発に取り組んでいきましょう。
次のステップ
選手の個性と能力開発を理解したら、高度な育成哲学と組織運営について学習しましょう。
✅ ジュニアサッカー【上級者】指導者向け:指導・育成の応用ガイド
【前のステップに戻る】
📙 ジュニアサッカー【初級者】指導者向け:指導・育成の基本実践ガイド
📗 ジュニアサッカー【超初級者】指導者向け:指導・育成の基本理念ガイド