こんにちは、講師のカズです。
ジュニア年代の試合では、個人技を駆使して相手のディフェンスを突破するスキルは大切ですが、味方との連携した戦術スキルをマスターすることも重要です。
この記事では、ジュニア年代から理解しておきたい攻撃の戦術アクションであるスペースの活用、スペースを作る動き・使う動きについて解説します。
実際に僕が指導したU-12の例(動画)も含めて解説しますのでぜひご覧ください。
スペースを作る・使う動きができるようになると、相手の守備を撹乱する攻撃ができるようになります。
動画で解説
1.スペースを作る動き・使う動きの基本
①スペースを作る動き・使う動きとは
スペースを作る・使う動きとは、攻撃の選手が自分のいる場所から動いた時に空いたスペースに別の選手が入ってくることを言います。
基本的には味方が最初にいた場所から動くことでスペースが生まれ、そのスペースを別の選手が活用するというイメージで大丈夫です。
②具体例:図解
言葉だけだと分かりにくいので、具体的な図を使って解説します。
図のように右側のFWがパスを受けるためにボールホルダーに近づきます。
その時、相手のDFがついていくことによりスペースが生まれる。これがスペースを作る動きになります。
その空いたスペースに別の選手が動いて入ってくるのがスペースを使う動きです。
③特徴
DFにジレンマを与える
相手のDFが攻撃の選手をマークしている時、マークを継続するためにその選手の動きに合わせてついて行けばスペースを空けてしまうし、ついて行かなければフリーにしてしまうということでジレンマが起きます。
守備側にジレンマを与えるという意味では、攻撃側にとって有利なアクションになりますね。
DFの選手は攻撃側の選手のアクションに対しての反応、つまりリアクションになるので攻撃側が主導権を握ることができます。
また、この動きはマークを外す動きとも関係します。
攻撃の選手がマークを外す動きで別のスペースへ移動することが結果としてスペースを作る動きにもなります。
2.ジュニア年代の指導ポイント
ジュニア年代において低学年生や3、4年生では、まだあまり必要ない戦術ですが高学年になると守備側のレベルも高くなってくるので必須になる戦術です。
しかし、指導者側がしっかりと理解して子どもたちに落とし込まないとなかなか上達しません。
①小中学生でよくあるミス
スペースを作る意識が強すぎて効果的でない
選手たちにスペースを作る動きを意識させ過ぎると、それ自体が目的化してしまうことがよくあります。
下の図がその典型的な例です。
Aの選手はフリーな状態なのでそこでパスを受けることができますが、スペースを作る動きを意識し過ぎるあまり、Bにスペースを空けようと動きます。
そのスペースをBが使いますが結果として有効な動きにはなりません。
このような現象が起きる場合、スペースを作る動きが目的化してしまってます。
②指導方法
子どもたちに単純にスペースを作れ、使えと指導しても上手くなりません。そこで重要なのはキーファクターを伝えるということです。
僕が実際に指導する際の、いくつかの例をピックアップします。
・味方がボールを持った時、自分がフリーならその場に留まる
・サポートした時にマークをされたら別のスペースへ動く
・ボールに近い選手からアクションを起こす
・他の選手はボールに近い選手が動いたらそれとは別の動きを行う
このようにサポートにおけるキーファクターとして伝えることで、結果として自然とスペースを作る動き、使う動きが発生するように伝えています。
(この辺は動画内でアニメーションを使って解説しているのでそちらをどうぞ)
③実際の例:動画
下記の動画は、僕が実際に指導したU-12(6年生)の例です。
ボールホルダー以外の3人の選手が先ほどのキーファクターをもとに連続してスペースを作る動きと使う動きを行なっています。
あまり完成度は高くないですが、こんなイメージです。
もう1つ動画を貼っておきます。これも僕が指導した同じチームです。
グランドがボコボコしていてパスやシュートがキレイではありませんが、こんなイメージです。
3.スペースを作る・使う動きの練習メニュー
スペースを作る・使う動きの練習メニューを紹介します。
これも僕が実践している練習メニューです。
4.まとめ
最後に要点を整理しましょう。
・スペースを作る動きとは、サポートしている選手が味方のためにスペースを空けること
・使う動きとは、その空いたスペースを別の選手が活用すること
・分かりやすいキーファクターで選手に伝える
・高学年から指導可能
今回はサッカーにおける攻撃の戦術コンセプト、スペースを作る動き・使う動きについて解説しました。
ジュニア年代でも身につけておきたい戦術スキルなので、ぜひ指導現場で試してみてください!