【コーチ2人以上は役割を明確に】少年サッカー・試合中のコーチング

こんにちは、講師のカズです。

少年サッカーの指導現場で、試合中にコーチが2人もしくはそれ以上いて、コーチ自身が困ってしまうということがあります。

  • 他のコーチが自分の考えとは違うことを指示する
  • コーチ間の共通認識がなくて困る
  • 他のコーチに遠慮して言いたいことが言えない

普段の練習を自分が見ていて、試合も自分が指揮をとるならそういった問題は起きませんが、試合になるとコーチ間の意見が異なり対立したり、不信感が募る。

これでは指導される選手も上手くプレーできません。

ぼくがサッカーコーチ留学したバルセロナでは第一監督と第二監督と立場が明確に異なり、しっかりと役割分担されていました。

今回は、試合中にコーチが2人以上いる場合のコーチング・問題の解決方法について解説します。

動画で解説

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1.試合中コーチが2人以上いる時は要注意


試合前、事前にコーチ間ですり合わせができているケースでは問題はありませんが、考え方・やるべきことを整理していないと試合中に様々な問題が起きます。

①指示系統が2つになる

よくある例がコーチそれぞれが思ったことをコーチングしてしまい、指示系統が2つ以上になってしまうことです。

同じシーンを目にしても1人は選手にダメ出しし、もう1人は悪くないとプレーを褒める。

これだと選手はどちらのコーチングを信じていいかわかりません。

②試合だけ指揮をとると普段の練習からブレてしまう

他にもよくある例を。

普段の練習はあるコーチが担当して見ているのですが、試合になると別のコーチも帯同。

その時に帯同するコーチの立場が、普段の練習を見ているコーチよりも上のケース。

そうすると自分のコーチングを否定されたような気分になりますし、そもそも練習を見ていないのでフォーカスする部分がブレてしまいます。

つまり他のコーチに自分の担当するチームへ介入された時ですね。
この辺のやりにくさは、指導現場に立つと痛感するところだと思います。

2.二人のコーチングによって試合中に選手に起きる問題

短所を克服する


試合中に2人以上のコーチが好き勝手にコーチングすると問題が起きるのはイメージできると思いますが、では具体的にどんな問題が起きるのか。

①選手が混乱する

当然、選手は混乱します。

プレーの良し悪しの基準、やるべきことが分からなくなり、結果的に迷いやそれから生ずるインテンシティの低下を招きます。

本来は選手のプレーを良くするためのコーチングですが逆効果になってしまいます。

②タスクが増える

2人以上のコーチから別のことを要求されると、選手のタスクが増えます。

これもまた、迷いやプレー強度・質の低下につながります。

③コーチに対する不信感が生まれる

最悪の場合はコーチに対する不信感を選手が抱きます。

子どもたちがコーチ陣に対して不信感を抱き出すと、選手をコントロールできなくなり、チーム崩壊を招く大きな要素の1つになりますね。

チーム崩壊とは何かを知りたい方は【チーム崩壊を招くサッカーコーチの特徴】指導の問題と5つの解決策を参照して下さい。

3.コーチング方法と解決策


では具体的なコーチング方法と解決策を見ていきましょう。

①メインコーチとアシスタントコーチに立場を分ける

まずはその試合を指揮する上でメインコーチとアシスタントコーチに立場を分けます。

ぼくが留学したスペイン・バルセロナでは第一監督と第二監督として役割分担を明確にしていました。

呼び方は監督でもコーチでも何でもいいですが、とにかく役割と立場を明確にすること。

これによって指示系統は1つになります。

②メインコーチは全ての決定権を持つ

その試合を指揮するメインコーチは全ての決定権を持ちます。

ゆえに全責任を負います。

試合の采配やコーチングなど全てがメインコーチの考えが中心に行われます。

③アシスタントコーチはメインのサポート役

では、アシスタントコーチは何をするかと言うと、メインコーチのサポートです。

メインコーチが気づいていない部分への助言


アシスタントコーチが見て気になる所を、直接選手へ指示を送るのではなく、助言としてメインコーチに伝えます。
その指示を出すかどうかはメインコーチが決定します。

メインコーチの意向をくみ取り助言


メインコーチが持っているコンセプトを否定するのではなく、それを実現するために考えられることを助言します。

メインコーチが納得すれば助言に従って進めても良いですし、納得できなければ実行する必要はありません。

許可が出た部分はコーチングOK


例えばディフェンスラインが下がりすぎないようにコーチングしてほしい、といったメインコーチからの要請があればその部分については積極的にコーチングします。

選手交代前のウォーミングアップ・セットプレーの確認


途中交代の場合などピッチ外の部分の仕事を引き受けます。

メインコーチはピッチ内の状況に目を光らせているので負担を軽減。

メンタル的に支えること


試合の状況によってはメインコーチのメンタルに不安が出たり、神経質になり過ぎることがあります。

それらを緩和するのも必要ですね。

以上がアシスタントコーチの主な仕事になります。

4.まとめ

ざっくりと2人以上のコーチがいる試合での問題点や注意点、メインコーチとアシスタントコーチの役割について解説しました。

が、もう少し補足を。

①試合前にミーティングを必ず行う

実際にぼくも大事な公式戦ではアシスタントにつくコーチに、やってほしいことを事前に伝えます。

例えば自分が主に攻撃の部分にフォーカスしたいので、守備での問題点があれば教えてくれとか、〇〇の部分はまだできないからコーチングしないようになど。

事前にミーティングしておくことで共通認識を作りましょう。

正直、他のコーチに余計なことを言われるとやりにくくなりますよね。

②コーチどうしも1つのチームとして機能させる

このように考えると、コーチどうしも1つのチームとして機能する必要がありますね。

指示系統が分かれたり、それぞれが好き勝手にやっていてはチームとしてまとまりません。


もし指導現場でこのような問題があるなと感じたら、まずは立場をメインとアシスタントと分けて指導してみてください!

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