指導の記録、残していますか?【少年サッカー】データ蓄積で差がつく

こんにちは、講師のカズです。

ジュニアサッカーの指導では、日々の練習や試合の「記録」がとても重要だと考えています。
ただ、実際に記録を残している指導者の方は、かなり少ないのが現実だと思います。

例えば、以下のように感じる方もいるかと思います。

・試合や練習の記録を残したいが、時間がない
・出場時間や出欠の管理が、記憶頼みになっている
・自分の指導が合っているのか、振り返る材料がない

僕自身、10年以上前からチームのデータの蓄積に取り組んできました。
実は9年前、その取り組みを専門誌に取材していただいたことがあります。

この記事では、なぜ指導の記録が大切なのか、記録がないと何が起きるのか、そして今日からどう始めればいいのかを、僕の実体験を交えて解説します。

この記事を読めば、記録という小さな習慣が指導者としての成長にどうつながるのかが分かると思いますので、最後までご覧ください。

Content

1. 記録がないと、指導は「記憶頼み」になる

①指導の時間は、そのままではストックされない

選手も指導者も、それなりの時間を割いて現場に立っています。
ただ、その内容がどこにも残っていないケースがほとんどです。

指導者の仕事は、現場に立って指導することです。
それ自体は間違いないのですが、記録がないと、自分の指導が合っていたのかどうか、あの時期に何をやっていたのかが、すべて記憶頼みになります。

何年も現場に立っているのに、手元に何も積み上がっていない。
これは、とてももったいない状態だと思います。

②記憶は、いいように書き換わる

記憶というのは、どうしても自分の都合のいいように書き換わってしまいます。

例えば、「全員を偏りなく出場させていたな」と思っていても、記録を見ると実はすごい差があったりします。
得点の記録を取っていくと、「意外と、あの選手以外のところでも点を取っているな」と気づくこともあります。

選手がどう伸びたか、という感覚も同じです。
体感だけに頼っていると、印象の強い場面だけが残ってしまいます。

③記録を見ると、自分の認識とのズレが分かる

僕らのクラブでは、10年以上前からこうした記録に取り組んできました。

実際にやってみて感じたのは、レポートを見返すと、自分の認識とのズレが結構あるということです。
自分の指導の癖も見えてきます。

つまり記録は、選手のためだけのものではありません。
指導者自身が、自分を客観的に見るための道具になります。

理論を学ぶことと現場のあいだには「作業」がある、という話を以前の記事でも書きました。
記録は、その作業の代表的なものだと思います。

2. 9年前の雑誌取材で語っていた「データの管理と蓄積」

①サッカークリニック2017年5月号

僕は普段から「10年ぐらい前からデータの蓄積をやっています」という話をしているのですが、ふと、その証明になるものを思い出しました。

専門誌「サッカークリニック」の2017年5月号で、取材を受けていたのです。

タイトルは「個人データの管理と蓄積が、クラブ、指導者、選手を成長させ、進化させる」。
2017年ですから、9年前です。

当時から、個人データやクラブ、チームのデータをちゃんと残しておくことがとても重要になる、と考えて取り組んでいました。
それを記事にしていただいていた、ということです。

②昔は、パワポとエクセルで大変だった

ただ、正直に言うと、データの蓄積は昔はすごく大変でした。

パワポとエクセル、手書き、スクリーンショット。
そんな方法でやっていたので、時間がいくらあっても足りません。

僕らのように仕事として指導している立場でも大変だったので、普段は別のお仕事をされている指導者の方には、とてもじゃないけど時間がなかったと思います。
記録が大事だと分かっていても続かないのは、意志の問題ではなく、作業が重すぎたからです。

③スペインで見た「当たり前」のレベル

僕がスペインに渡ったのは10数年前ですが、当時からスペインは先を行っていました。

スペイン系の会社が出している分析・編集アプリがすでにあり、コーチングスクールでは練習メニュー作成アプリを使って課題を作るように言われていました。
僕が一緒に住んでいたスペイン人は分析の先駆けのような人で、代表チームや欧州のビッグクラブで分析の仕事をしていました。

その時に感じたのは、「ヨーロッパの分析はこんなレベルで進んでいるのか。日本は全然だな」ということです。
プレイモデルも10年前からパワポでどんどん作っていましたし、分析レポートを試合前のミーティングで使うことも当たり前でした。

知識や現場の考え方だけでなく、こうした「作業周り」でも、彼らは先を走っていたのです。

3. 記録する指導者は、1割もいない

①だからこそ、貴重な存在になれる

日本の指導者は、ライセンス所持者だけでも10万人ぐらいいると言われています。
現場にはライセンスを持っていない方もいますから、実際は15万人、20万人ぐらいいるかもしれません。

その中で、練習や試合の記録をちゃんと取っている指導者は、1割もいないと僕は思っています。
実際、僕の周りでもほとんど見たことがありません。

そうすると、記録を取る。
たったそれだけのことで、かなり貴重な指導者のくくりに入っていくことになります。

②1年続けられる人は、さらに少ない

熱心な方でも、実際に始めて、ワンシーズン継続できる人はごくわずかだと思います。

だからこそ、これを1年、2年、3年と続けていくだけで、学びの速度も量も、まわりと全然変わってきます。
続けた記録は、そのまま自分だけの資産になります。

③格差は、スピードで開く

こうした記録やデータ管理は、これからの時代、やるのが当たり前になってくると思います。

やる人はやるし、やらない人はやらない。
そして、やるクラブとやらないクラブ、やる指導者とやらない指導者の格差は、ものすごく広がっていくと感じています。

例えば、今シーズンの途中から始めて、来年の春までに担当グループのデータを取り、来年もうワンシーズン続けたとします。
それだけで、1年半分のデータがストックされます。

1年半後に「そういう方法があるんだ。うちもやってみようか」と始めるのとでは、見えている世界がまったく変わっています。
エコロジカル・アプローチのような指導理論と同じで、「大事だと分かってから」始めるのでは遅いのです。

知った今、始める。
このスピード感が、これからの勝負になると思います。

4. 今日から始めるために

①1日10分の作業で十分

とはいえ、昔のように重い作業は必要ありません。

今は道具が進化しているので、1日10分、15分の作業で十分です。
特に練習メニューのストックが溜まってくれば、そんなに難しくありません。

続けるコツは、完璧を目指さないことです。
相手とスコアだけでも、立派な記録になります。

②まずは「マッチレポート」から

僕が一番おすすめしたいのは、試合の記録(マッチレポート)です。

出欠や出場時間、得点、その日の配置。
これをちゃんと取っていくと、1年後にはものすごく面白いことが起きます。

自分の認識とのズレが見え、チームの形が見え、選手の成長が線でつながって見えてきます。
体感では絶対に気づけなかったことに、記録が気づかせてくれます。

③道具は何でもいい。習慣を先に作る

大事なのは、特定の道具ではなく、記録するという習慣です。

紙でもエクセルでも、使い慣れたもので構いません。
まずは今週の試合から、相手とスコア、出た選手だけでも書き残してみてください。

僕のポッドキャストを聞いてくださっている方、この記事を読んでくださっている方には、ぜひ先に走り出してほしいと思っています。
5年後に始めるのと今始めるのとでは、積み上がるものがまったく違います。

まとめ

この記事の要点です。

・記録がないと、指導はすべて「記憶頼み」になり、記憶はいいように書き換わる
・記録を見返すと、自分の認識とのズレや指導の癖が分かる
・僕は10年以上前からデータの蓄積に取り組み、9年前に専門誌の取材も受けた
・記録する指導者は1割もいない。だからこそ、続けるだけで貴重な存在になれる
・格差はスピードで開く。知った今、1日10分から始める

この記事では、指導の記録とデータの蓄積について、僕の実体験を交えて解説しました。
まずは次の試合から、小さく始めてみてください。

なお、僕自身が「数える作業に時間を取られず、記録が勝手に貯まる形」を目指して、チーム運営の無料アプリ(SQUAD MANAGER)も公開しました。
試合を1回登録すれば、出場時間や出欠の集計は自動で終わります。
練習メニュー作成アプリとあわせて、無料メルマガに登録していただくと、すぐに使えます。

\ アプリ+ミニブック5冊+サンプル3本を無料で受け取る/

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
Content