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ジュニアサッカー【ビルドアップ】基礎〜実践・徹底解説

こんにちは、講師のカズです。

ジュニア年代のサッカー指導において、ビルドアップは最も注目される戦術の一つです。

しかし
「ビルドアップを教えたいけど、何から始めればいいかわからない」
「戦術は理解しているのに、試合で機能しない」
といった悩みを持つ方も多いのではないでしょうか。

僕自身も、過去にはビルドアップの本質を理解せずに、形だけを教えていた時期がありました。

・ビルドアップの正しい理解と指導方法を知りたい
・8人制サッカーでのビルドアップ方法がわからない
・年代に応じたビルドアップ指導のポイントを知りたい

この記事では、ジュニア年代のビルドアップ指導に必要な全ての要素を、体系的にガイドします。

この記事を読めば、ビルドアップ指導の全体像が把握でき、段階的で効果的な指導ができるようになると思いますので、最後までご覧ください。

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1. まず理解すべき:ビルドアップの本当の意味

①日本での「ビルドアップ」の意味は曖昧

ビルドアップの指導を始める前に、まず「ビルドアップとは何か」を正しく理解する必要があります。

日本では「ビルドアップ」という言葉が曖昧に使われており、指導者によって解釈が異なります。

例えば、ディフェンスラインからのパスを配球する状況をビルドアップと言ったり、パスを回すことをビルドアップと言ったり。

おおかた間違いではないと思いますが、もう少し言葉を整理した方がわかりやすいかもしれません。

②スペインサッカーから学ぶ正確な定義

スペインサッカーでは、ビルドアップに相当する概念として「Juego combinativo(フエゴ・コンビナティーボ)」があります。

これは攻撃タイプの一つであり、ダイレクト攻撃との使い分けが重要になります。

③攻撃の2つのタイプを理解する

サッカーの攻撃は、実は以下の2つのタイプに分類されます。

1.ビルドアップ攻撃
 パスワークを重視した段階的な攻撃
2.ダイレクト攻撃
 ロングボールや縦パスを使った直線的な攻撃

つまり、一般的に「ビルドアップ」と呼ぶ場合は、この攻撃のタイプである「ビルドアップ攻撃(Juego combinativo)」と考える方が理解しやすいです。

2. 指導者が陥りがちな課題と対策

①ビルドアップ指導でよくある問題

ビルドアップの基本概念を理解したら、次に指導上の注意点を把握することが重要です。

多くの場合、知らず知らずのうちに効果的でない指導をしてしまい、結果として子どもたちが混乱したり、ビルドアップが機能しなかったりします。

②5つの主要な注意点

ビルドアップ指導では、以下の5つの点に特に注意が必要です。

1.パス回しが目的化してしまう
2.個人技術が後回しになりがち
3.形だけを真似してしまう
4.相手を想定していない
5.失敗を恐れすぎる

これらの課題を事前に理解し、適切な対策を講じることで、より効果的なビルドアップ指導が可能になります。

3. 8人制サッカーでのビルドアップ実践

①8人制特有の課題

ジュニア年代の8人制サッカーでは、11人制とは異なる特有の課題があります。

スペースが狭く、選手数が少ないため、11人制の戦術をそのまま適用することはできません。

そのため8人制に適したビルドアップ方法を理解することが重要です。

②サリーダ・デ・バロン(ビルドアップの始まり)

8人制サッカーでも、ビルドアップは「サリーダ・デ・バロン」というサブフェーズから始まります。

これは「ビルドアップの始まり」を意味し、ゴールキーパーやディフェンスラインからの最初のパス出しを指します。

③フォーメーション別のアプローチ

8人制サッカーでは、フォーメーションによってビルドアップの方法が大きく変わります。

いくつか、よくある例をピックアップしておきます。

3バックでのビルドアップ:相手のプレスにハマりやすい傾向があるため、注意深い設計が必要。

変則型(守備3バック→攻撃2バック): 守備の安定性を保ちながら、攻撃時にはより効果的なビルドアップが可能になります。

2-3-2フォーメーション:バランスの取れたフォーメーションで、ビルドアップに適した選択肢の一つです。

4. 個人技術とビルドアップの関係

①戦術だけでは限界がある

ビルドアップの戦術を理解することは重要ですが、それだけでは実戦で機能しません。

個人技術が伴わなければ、どんなに優れた戦術も活かすことができないのです。

②個人技術の重要性

8人制サッカーでは、スペースが狭く相手との距離が近いため、個人技術の差が顕著に現れます。

プレスを受けた時に個人でボールを失わない技術が、ビルドアップ成功の鍵を握ります。

③技術と戦術のバランス

ビルドアップ指導では、個人技術の向上と戦術理解の両方をバランスよく進めることが重要です。

どちらか一方に偏ると、実戦で使えないビルドアップになってしまいます。

5. 実践的な練習方法

①基礎技術の習得

ビルドアップに必要な基礎技術を段階的に習得させることが重要です。

特に以下の技術は重点的に練習する必要があります。

・コントロールオリエンタード
・運ぶドリブル
・プレス回避のファーストタッチ

まずはビルドアップに必要な基礎的なテクニックを身につけましょう。

②実戦的な練習メニュー

理論だけでなく、実際の練習メニューを通じてビルドアップ技術を身につけることが大切です。

以下に具体的な練習メニューをリンクしておきます。

まずはビルドアップに必要なテクニックを学べる練習メニュー。

次に方向性があり「ビルドアップのイメージの導入」として使える練習メニュー。

③段階的なプレッシャー設定

練習では、段階的にプレッシャーを強くしていくことで、実戦で使える技術として定着させることができます。

また、最初は数的優位なオーガナイズでトレーニングしても良いですが、最終的には必ず、試合を想定して同数のトレーニングで行う必要があります。

6. 年代別ビルドアップ指導のポイント

①小学3〜4年生:基礎技術の習得

僕の場合、この年代では、ビルドアップの戦術よりも、基本的な必要となるテクニックの習得や意識作りを優先します。

・プレスに負けずにボールを止める、運ぶ
・相手を意識したボールコントロール
・プレスを外してからパスを入れる意識

基本的なテクニックだけでなく、「ビルドアップに必要なイメージ」作りも重要ですね。

②小学5〜6年生:戦術理解の導入(状況判断と共に)

基礎技術がある程度身についたら、ビルドアップの基本的な考え方の精度を上げていきます。

・サポートと運ぶドリブルの関係性
・配給の狙い目
・効果的なポジショニング
・ロングとショートの使い分け

試合中に起こりうる状況を想定しながら、いろんなケースに対応できるようにしたいですね。

7. ビルドアップ指導の成功のために

①段階的なアプローチ

ビルドアップ指導は、一度に全てを教えようとせず、段階的に進めることが重要です。

年代や選手のレベルに応じて、適切なステップを踏むことで、確実に技術を身につけさせることができます。

特に、ボールホルダーがパスコースを見つけることができない場合などは、戦術的な負荷を下げたりしながら指導します。

②失敗を恐れない環境作り

ビルドアップは、リスクを伴う攻撃方法です。

失敗を恐れすぎると、選手は積極的にチャレンジしなくなります。

失敗から学ぶ文化を作ることが、ビルドアップ指導の成功につながります。

③継続的な学習

サッカーの戦術は常に進化しています。

指導者自身も継続的に学習し、新しい知識や技術を取り入れることで、より効果的なビルドアップ指導ができるようになります。

④チーム全体での取り組み

ビルドアップは、一部の選手だけができれば良いものではありません。

チーム全体で共通理解を持ち、全員が関わることで、真に機能するビルドアップが実現できます。

この辺はゲームモデル(プレーモデル)とも関係しますね。

まとめ

最後に、この記事のポイントをまとめておきます。

・ビルドアップの正しい理解が全ての基礎となる
・指導上の注意点を事前に把握することで効果的な指導が可能
・8人制サッカーには特有のアプローチが必要
・個人技術と戦術のバランスが重要
・年代に応じた段階的な指導が効果的
・失敗を恐れない環境作りが成功の鍵

この記事では、ジュニア年代のビルドアップ指導に必要な全ての要素について解説しました。

まずは基本概念の理解から始めて、段階的に技術と戦術を身につけることで、実戦で本当に機能するビルドアップができるようになります。

各記事で詳しい内容を確認しながら、皆さんの指導現場でも実践してみてください!

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