ジュニアサッカーでコーチをしていると、日々の練習の中で最初のウォーミングアップをどうするか悩むことがあると思います。
・練習のウォーミングアップはどんな方法がある?
・時間の配分は?
・年齢別に違うやり方がいい?
今回はこういった疑問に答えるかたちで解説したいと思います。
動画で解説
1. ジュニアサッカーの練習のウォーミングアップの方法は4種類

ジュニアサッカーのウォーミングアップにはいろんな方法があり、今後も新たな方法が出てくるかもしれません。
明確な分類はありませんが、とりあえず4つの方法に分類します。
① 動的ストレッチ(ブラジル体操系)
ジョギングやステップを踏みながら肩を回したり、股関節を動かしたりする方法。
スキップや2ステップなどをしながら筋肉・関節を動かしながらやる方法。
② ゲーム系
鬼ごっこやボールを使ったカンタンな遊びの要素を取り入れた方法。
走ることや身体をひねったりルールの中にアップの要素を入れる。
主にコーディネーションやリラックス、楽しい雰囲気を作りながら身体を温める。
アイスブレイクと呼ばれるものもありますね。
③ テクニック系
激しくない程度にリフティングやパスなどの実際のテクニックアクションをから入る。
(移動の合間に動的ストレッチなどを行う場合も)
最初のウォーミングアップからテクニックスキルも同時に行う方法。
④ 認知・判断系
サッカーに必要な状況判断に必要な「認知(周囲を見ること)」や「判断」を取り入れた方法。
主に2、3番と絡めながら行います。
大まかに分類するとこんな感じになります。
2. 年代別にみるウォーミングアップの方法

次に年代ごとにどのようなウォーミングアップが適しているかを解説します。
どの方法を選ぶかは「子どものサッカーに対する意識やモチベーション」に関係するので、その辺りを深掘りしたい方は下記の記事を参考にして下さい。

一概に年齢でくくるのは難しい部分もありますが、ここでは大きく3つに分けます。
① 低学年(小学1〜2年生)
私の経験上、ブラジル体操などの動的ストレッチをルーティン化するのが難しい年代です。
また、サッカーに対するモチベーションや年齢も考慮すると、遊びの要素を取り入れたものの方が選手は楽しめるでしょう。
ポイントとしてはコーディネーションを刺激すること、楽しいメニューの中に様々な動きが含まれていることです。
② 中学年(小学3〜4年生)
「サッカーに対するモチベーションのレベル」にもよりますが、この年代では徐々にルーティン化した動的ストレッチ(ブラジル体操など)も自分たちで行えるようになります。
最初に解説した「4つの方法」のどれでも可能なので、クラブのコンセプト、選手のレベルに合ったものを選べば良いと思います。
③ 高学年(小学5〜6年生)
こちらも中学年と同じように4つの方法が可能ですが、身体的な発達が選手個々によって異なるのと、成長が早い子ではケガのリスクがあるので動的ストレッチ系などは必ず入れたほうが良いと思います。
筋肉系等のケガをしやすくなるジュニアユース年代の前段階なので、動的ストレッチを習慣化させておく意味でも。
方法や年代によってできることはこんな感じですが、「コーチがウォーミングアップにどのような狙いを持っているか」ということが一番重要なポイントです。

3. 練習日のウォーミングアップの適正時間は10分〜15分程度

トータルの練習時間にもよりますが、どの年代でも10〜15分程度が理想です。
その場合、鬼ごっこ系のメニューと別のものを2つ行なって計15分でも良いですし、動的ストレッチとカンタンなボールを使ったテクニック練習を合わせて20分とし、それをウォーミングアップとするという方法もあります。
私の場合高学年では、動的ストレッチ+スプリント系(5〜7分)、ボールを使ったテクニック(5〜10分)までの合計10〜15分をウォーミングアップとしています。
余談ですが「試合時のアップ」はその後のボールを使ったコンビネーションの動きやポゼッションなど合計25〜35分程度の時間をウォーミングアップとしています。
4. まとめ
・ジュニアサッカーのウォーミングアップは明確な「正解」がない
・方法は大きく4つ:動的ストレッチ、ゲーム系、テクニック系、認知判断系
・年代ごとに適した方法を選ぶ必要がある
・ウォーミングアップの時間は10〜15分が目安
・「どの方法を選ぶか」ではなく「何の目的でその方法を選ぶか」が重要
この記事では、ジュニア年代のウォーミングアップについて、方法の分類から年代別の使い分け、時間配分までを解説しました。
現場での練習をより良くするために、自チームに合ったアプローチをぜひ実践してみてください!