こんにちは、講師のカズです。
ジュニア年代のサッカー指導では、単発の練習メニューを考えるだけでなく、長期的な視点でトレーニングを計画することがとても重要です。
しかし、「どうやって練習を計画すれば良いかわからない」「練習メニューは考えられるが、全体的な流れが見えない」「選手に合わせた練習量の調整ができない」といった悩みを抱える指導者の方も多いのではないでしょうか。
僕自身も指導を始めた頃は、場当たり的な練習になってしまい、選手の成長に一貫性を持たせることができませんでした。
・長期的な視点でのトレーニング計画の立て方がわからない
・練習メニューの作成方法や手順が明確でない
・選手の年代や特性に応じた練習量の調整ができない
この記事では、リアルな現場経験から考えた、効果的なトレーニング計画を立てるための視点を体系的に解説します。
この記事を読めば、一貫性のある練習計画を立てることができ、選手の成長を最大化できると思いますので、最後までご覧ください。
1. トレーニング計画の基本的な考え方

①MTMとプレーモデルの理解
効果的なトレーニング計画には、MTM(マッチ・トレーニング・マッチ)の概念とプレーモデルの両方を理解することが重要です。
目の前の試合からの逆算と、理想的なプレーモデルからの逆算、この2つのアプローチのバランスが鍵となります。

②計画的な指導の軸を作る
場当たり的な指導ではなく、明確な軸を持った計画的な指導を行うことで、選手の成長に一貫性を持たせることができます。
2. 練習メニューの作成方法

①体系的なメニュー作成の手順
練習メニューを作成するには、体系的な手順とテンプレートを活用することが効果的です。
初心者の方でも自分で練習メニューを作れるように、下記の記事で僕が実際に使っているテンプレートを紹介しています。

②応用的なメニュー作成のコツ
基本的な作成方法を身につけた後は、より応用的で創意工夫に富んだメニュー作成のテクニックを学ぶことで、バリエーション豊かな練習が可能になります。
3. 練習テーマの適切な設定

①テーマに固執し過ぎない指導
練習テーマは重要ですが、テーマに固執し過ぎると逆に選手の成長を妨げることがあります。
選手が「勝手に上手くなる」環境を作るためのバランスの取り方を理解しましょう。

②柔軟性のある計画立案
計画は大切ですが、現場の状況に応じて柔軟に調整できることも重要です。
計画性と柔軟性のバランスを取った指導を心がけましょう。
4. 少年サッカーにおける練習量の最適化

①年代別の適切な練習量
少年サッカーでは、年代に応じた適切な練習量を理解することが重要です。
週何日、何時間の練習が適切か、また自主練習はどの程度必要かを科学的根拠や日本人の子どもたち特有の文脈に基づいて判断しましょう。

②練習し過ぎのリスクと対策
練習量が多ければ良いというものではありません。
練習し過ぎによるリスクを理解し、選手の成長に最適な練習量を見極める力を身につけましょう。
5. 戦術練習の工夫

①少人数でも可能な戦術練習
人数が少ない環境でも、フラクタル的な考え方を用いることで効果的な戦術練習が可能です。
2〜3人のユニットを使って戦術の本質を落とし込む方法を活用しましょう。
②環境に応じた練習の工夫
限られた環境の中でも、工夫次第で質の高い戦術練習を行うことができます。
制約を逆に活かした練習計画を心がけましょう。
6. 練習計画の技術的工夫

①タッチ制限の適切な活用
ロンドやゲーム形式の練習でのタッチ制限には、メリットとデメリットがあります。
文脈に応じた適切な判断基準を身につけることで、より効果的な練習設計が可能になります。

②選手の特性に応じた計画
選手の年代や技術レベル、性格特性に応じて、練習設計を調整することが重要です。
画一的ではない、個別最適化された練習を心がけましょう。
7. 困難な状況への対応

①難しい練習を嫌がる選手への対応
難しい練習を嫌がる選手に対しては、叱るのではなく「練習計画の工夫」「内発的動機づけ」「信頼関係」で対応することが効果的です。

②モチベーション管理の技術
練習計画の中で、選手のモチベーションを維持・向上させる工夫を組み込むことで、より効果的な指導が可能になります。
8. 特別な状況での計画調整

①夏場の試合間での過ごし方
夏場のトーナメントなど、特別な状況では通常とは異なる計画調整が必要です。
体力温存とトレーニングのバランスを取った戦略的な計画を立てましょう。

②季節や大会に応じた計画修正
年間を通じて、季節や大会スケジュールに応じた計画修正を行うことで、選手のコンディションを最適化できます。
9. トレーニングの総合的理解

①育成年代に必要な基礎知識
ジュニア年代の指導者として必要なトレーニングの基礎知識を総合的に理解することで、より効果的な計画立案が可能になります。
②継続的な学習と改善
トレーニング計画は一度立てたら終わりではありません。
継続的な学習と現場での実践を通じて、常に改善し続けることが重要です。
トレーニングの基礎知識も合わせて学びましょう
効果的なトレーニング計画を立てるためには、計画論だけでなく、トレーニングに関するの基礎知識も重要です。
環境設定やテーマ設定など、より具体的な実践技術と合わせて学ぶことで、包括的な指導力を身につけることができます。

まとめ
この記事では、ジュニアサッカーにおけるトレーニング計画について、効果的な練習を計画するためのポイントを解説しました。
・MTMとプレーモデルを理解した計画的な指導の軸作り
・体系的な練習メニュー作成の手順とテンプレート活用
・テーマ設定の柔軟性と計画性のバランス
・年代別の適切な練習量と練習し過ぎのリスク理解
・少人数でも可能な戦術練習とフラクタル思考
・タッチ制限など練習設計の技術的工夫
・困難な状況や特別な状況への対応策
・育成年代に必要な総合的なトレーニング理解
効果的なトレーニング計画は一朝一夕で身につくものではありませんが、これらの視点を理解し、現場で継続的に実践することで、必ず計画力は向上します。
選手の成長を最大化するために、長期的な視点を持った計画的な指導を心がけましょう。皆さんの指導現場でも試してみてください!