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ジュニアサッカー【初級者】指導者向け:コーチングの基礎実践ガイド

この記事は、レベル別コーチング指導ガイドの【初級者向け】です。 基本概念を理解した指導者が、具体的なコーチング技術を実際に現場で実践するための方法を詳しく解説しています。

こんにちは、講師のカズです。

ジュニア年代のサッカー指導では、基本的なコーチング技術の習得がとても重要です。

しかし、「どうやって選手に伝えればいいか分からない」「叱り方や褒め方が分からない」と悩む指導者の方も多いのではないでしょうか。

僕自身、指導を始めた頃はコーチングの理論は理解していても、実際の現場でどう実践すればいいか悩むことがありました。

選手に上手く伝えられず、もどかしい思いをすることがありました。

・効果的な声かけの方法が分からない
・叱り方と褒め方の使い分けができない
・指導が選手に伝わらない理由が分からない

この記事では、効果的な伝え方の技術から、叱り方・褒め方の具体的な方法、年代別のアプローチまで詳しく解説します。

この記事を読めば、基本的なコーチング技術に自信が持てるようになり、選手との関わりが格段に改善すると思いますので、最後までご覧ください。

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1. 効果的な伝え方の技術を身につける

①選手の理解度を正確に把握する

指導が伝わらない最大の理由は、選手の真の理解度を把握できていないことです。

多くの指導者が陥りがちなのが、選手の「はい、わかりました」という返事を信じてしまうことです。

僕の経験上、この返事は必ずしも理解を意味しません。

選手の本当の理解度を把握するためには、以下の方法が効果的です。

・選手に説明させる:「今の話、友達に説明してみて」
・具体例を挙げさせる:「例えばどんな時?」
・行動で確認する:実際にやってもらう

参考記事:ジュニアサッカー【指導が伝わらない理由】選手の理解度を正確に把握する方法

②3つの視点で「できない」理由を分析する

「言ってるのにできない」という場面では、以下の3つの視点で原因を分析することが大切です。

視点1:学習段階の理解
選手がどの学習段階にいるかを把握する。知識は理解していても、実際の動作ができない段階かもしれません

視点2:練習と試合のリンク
練習でできていることが試合で発揮できない場合、練習の環境設定に問題がある可能性があります。

視点3:実践的コーチング
選手の立場に立って、なぜできないのかを一緒に考える姿勢が重要です。

参考記事:【ジュニアサッカー】言ってるのにできない…を解決する3つの視点とは?

③指導歴1〜3年目によくあるミスと改善方法

指導経験が浅い段階では、以下のようなミスが起こりがちです。

①一度に多くのことを伝える 改善方法:1回の指導で伝えることは1〜2点に絞る
②抽象的な表現を使う 改善方法:具体的で分かりやすい言葉に置き換える
③選手の反応を見ずに話し続ける 改善方法:選手の表情や反応を常に観察する
④感情的になってしまう 改善方法:深呼吸をして冷静になる時間を作る
⑤一方的に話してしまう 改善方法:選手に質問を投げかけて対話する

参考記事:ジュニアサッカー【指導歴1〜3年目】コーチングのミスと改善方法

④初心者の子どもへの特別なアプローチ

サッカーを始めたばかりの子どもたちには、特別なアプローチが必要です。

この段階では「外発的動機づけ」が効果的です。

外発的動機づけとは、外部からの刺激によってやる気を引き出す方法です。

・楽しい雰囲気作り
・小さな成功体験の積み重ね
・分かりやすい褒め言葉
・ゲーム的な要素の導入

まずはサッカーを好きになってもらうことが何より大切です。

参考記事:【サッカー初心者の子どもへの指導】コーチング方法は外発的動機付け

2. 叱り方と褒め方をマスターする

①効果的な叱り方の5つのポイント

叱る時は、以下の5つのポイントを意識しています。

①結果ではなくプロセスを基準にする
「ゴールを決められなかった」ではなく、「守備の戻りが遅かった」という具体的な行動について指摘する。

②人間性・規律面では妥協しない
技術的なミスは許容しても、仲間を傷つける言動や約束を破る行為には毅然とした態度で臨む。

③叱った後は必ずフォローする
叱りっぱなしにせず、その後の様子を見て声をかける。

④個人の文脈を考慮する
その選手の性格や背景を理解した上で、適切な強さで叱る。

⑤改善方法も一緒に伝える
「ダメ」だけでなく、「こうしてみよう」という提案も含める。

②心に響く褒め方の技術

褒める時も、ただ「上手だね」と言うだけでは効果的ではありません。

具体的な行動を褒める
「ナイスプレー」ではなく、「さっきのパス、タイミングが完璧だったね」

努力やプロセスを褒める
結果だけでなく、そこまでの過程や頑張りを認める

他の選手への影響を褒める
「君のプレーで、チーム全体が良くなったね」

成長を褒める
「前回より確実に上手くなってるよ」

参考記事:ジュニアサッカー【叱り方と褒め方】子どもの心に響く伝え方を解説

③一貫性のある指導基準を作る

叱り方と褒め方において最も重要なのは、一貫性です。

僕の現場では、以下のような基準を明確にしています。

叱る基準
・仲間を傷つける言動
・約束やルールを破る
・危険な行為
・努力を怠る

褒める基準
・チャレンジする姿勢
・仲間への思いやり
・成長や改善
・チームへの貢献

この基準を選手にも伝えることで、選手自身も何が良くて何がダメなのかを理解できるようになります。

3. 場面別の効果的な声かけを学ぶ

①練習中の声かけパターン

練習中の声かけは、選手のモチベーションを左右する重要な要素です。

技術練習での声かけ(例)
・「今のいいね!その調子」
・「あと少しで完璧だよ」
・「前回よりずっと良くなってる」

ゲーム形式練習での声かけ(例)
・「ナイス判断!」
・「積極的にいこう」
・「失敗を恐れずに」

ミスをした時の声かけ(例)
・「大丈夫、次は成功するよ」
・「チャレンジしたことが素晴らしい」
・「今度はこうしてみよう」

②年代別のアプローチ方法

同じ内容でも、年代によって伝え方を変える必要があります。

低学年(1〜3年生
・短い言葉で分かりやすく
・身振り手振りを使って
・楽しい雰囲気を重視

高学年(4〜6年生)
・理由も一緒に説明
・選手の意見も聞く
・責任感を育む言葉かけ

中学生
・より具体的で戦術的な内容
・自主性を重視した関わり方
・将来を意識した声かけ

③選手のタイプ別対応方法

選手には様々なタイプがいるため、それぞれに適した声かけが必要です。

積極的なタイプ
・チャレンジを評価する
・リーダーシップを任せる
・高い目標を設定する

消極的なタイプ
・小さな成功を積み重ねる
・安心できる環境を作る
・自信をつけさせる言葉かけ

マイペースなタイプ
・その子のペースを尊重
・焦らせない関わり方
・個別の時間を作る

参考記事:少年サッカー【効果的な声かけ集】場面別コーチング事例

4. 実践的なコーチング技術を身につける

①キーファクターを使った指導

選手を上達させるためには、曖昧なアドバイスではなく「具体的なコツ=キーファクター」が必要です。

技術のキーファクター例
・ドリブル:「相手の逆足側を狙う」
・パス:「受け手の足元ではなく、動く方向に出す」
・シュート:「ゴールキーパーの逆を狙う」

戦術のキーファクター例
・攻撃:「パスを出したら動く」
・守備:「ボールと相手を同時に見る」

ただし、キーファクターが選手に響くためには、以下の条件が必要です。

・適切なタイミングで伝える
・選手の理解レベルに合わせる
・実際にやって見せる
・繰り返し確認する

参考記事:サッカー上達のコツ【キーファクター】その言葉で選手は上手くなる

②フリーズコーチングの活用

フリーズコーチングは、プレーを一時停止して指導する効果的な方法です。

特に「褒める目的」でのフリーズコーチングには以下のメリットがあります。

①良いプレーを共有できる
一人の良いプレーをチーム全体で共有し、学習効果を高める

②選手のモチベーションが向上する
人前で褒められることで、選手の自信とやる気が向上

③チーム全体のレベルアップ
「このプレーが良い」という基準が明確になる

④ポジティブな雰囲気作り
チーム全体に前向きな雰囲気が生まれる

注意すべきデメリット
・多用しすぎると流れが止まる
・空気感を間違うと白ける
・タイミングを間違えると効果が薄れる

参考記事:選手をやる気にさせる【褒めるフリーズコーチング】4つのメリットとデメリット

③長所を伸ばし短所を克服するバランス

選手指導では、長所を伸ばすことと短所を改善することのバランスが重要です。

長所を伸ばすアプローチ
・得意なプレーをより多く経験させる
・自信をつけさせる言葉かけ
・チームでの役割を明確にする

短所を改善するアプローチ
・段階的な目標設定
・小さな改善を積み重ねる
・他の長所でカバーする方法を教える

バランスの取り方
基本的には長所を伸ばすことを優先し、短所については必要最小限の改善にとどめることが効果的です。

参考記事:少年サッカー・長所を伸ばし短所を克服する3つのコーチング

5. まとめ

この記事では、基本的なコーチング技術について解説しました。

・選手の理解度を正確に把握する技術を身につける
・効果的な叱り方と褒め方をマスターする
・場面別・年代別の声かけ方法を理解する
・キーファクターやフリーズコーチングなど実践的な技術を習得する

学習のポイント

このレベルで重要なのは、以下の4つのポイントです。

基本的なコーチング技術
・理解度把握:選手の本当の理解度を見抜く
・叱り方・褒め方:一貫性のある基準で実践
・声かけ技術:場面や年代に応じた適切な言葉選び
・実践的技術:キーファクターやフリーズコーチングの活用

6. 理解度チェック

以下の質問に答えられるか確認してみましょう

・選手の理解度を確認する方法を知っていますか?
・効果的な叱り方と褒め方を使い分けられますか?
・年代別のアプローチ方法を理解していますか?
・キーファクターを使った指導ができますか?
・フリーズコーチングの適切な使い方を知っていますか?
・長所と短所のバランスを考えた指導ができますか?

すべて答えられたら、次のレベルに進む準備ができています。(たぶん…)

7. 学習ステップ

推奨学習順序

・現在のレベル:基本概念の理解
・次のレベル:基本的なコーチング技術の習得(←今ここ)
・中級レベル:選手の心理と動機づけの理解
・上級レベル:チーム運営とシステム化

基本的なコーチング技術を身につけたら、次は選手の心理面や動機づけについてより深く学習することをおすすめします。

選手のやる気を引き出し、自主性を育む技術について理解を深めていきましょう。

次のステップ

✅ [ジュニアサッカー【中級者】指導者向け:コーチングの実践ガイド]

選手の心理と動機づけについて学習しましょう。

さらに上を目指すなら

📕 [ジュニアサッカー【上級者】指導者向け:コーチングの応用ガイド]

チーム運営や高度なコーチング技術について学習しましょう。

前のステップに戻る

📗 [ジュニアサッカー【超初級者】指導者向け:コーチングの基礎理解ガイド]

コーチングの基本概念をもう一度確認したい方はこちら。

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