評価を受ける環境で指導することで成長します【リアルな実体験】

こんにちは、講師のカズです。

指導者として成長するためには、評価を受ける環境に身を置くことが重要です。
他者からのフィードバックを得ることで、自分の指導スキルの課題が明確になり、次のステップへ進むきっかけとなります。

この記事では、僕が実際に経験した評価を受ける環境と、その中でどのように成長してきたかを具体例を交えながら解説します。

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1. 評価を受ける環境とは?

皆さんは、指導者として日々活動する中で、他の人から自分の指導が見られたり、評価されたりする機会はありますか?

例えば、他の指導者や保護者に常に見られている環境。
さらにはライセンス取得の際の指導実践(試験)など。

こうした環境に身を置くと、自分が見落としている課題や改善点を発見することができますね。

① 僕の体験:評価の重要性を知ったきっかけ

僕自身、最初は少年団のボランティアコーチとして指導者の道をスタートしました。

当時、自分の指導を他の人に見られることはほとんどありませんでした。
誰もフィードバックをくれないし、自分も求めていなかったため、自分がどのような指導をしているのかを客観的に考えることができませんでした。

その後、JFAの指導者ライセンス(C級)を取得する過程で、初めて他者からの評価を受ける機会がありました。ライセンス取得の際には、練習メニューを提出し、それを基に指導実践を行い、その様子を評価されます。

この経験を通じて、自分の指導スタイルに多くの課題があることを実感しました。

というか、自分は何も知らないんだなと痛感。

それまで知らなかったフリーズのタイミングや、選手に効果的なフィードバックを与える方法など、基本的な指導スキルの重要性を学ぶことができました。

これは僕にとって大きな転機でしたね。

②バルサスクールでの挑戦

僕が日本のバルサスクールで指導を始めたとき、そこは評価を受ける環境そのものでした。

当時は海外クラブのスクールほとんどなく、更にバルサがやってくるということで注目も集めていました。

バルセロナから派遣されたコーチが現地に常駐し、指導内容を細かくチェックしていました。
練習中にもその場でフィードバックが入り、保護者からの期待も非常に高い状況で指導しなければなりません。

さらに、練習風景を保護者がビデオに撮影していることもあり、自分の指導が映像として記録されるプレッシャーを感じる場面もありました。

このような環境では、自然と指導に対する意識が高まり、事前準備や練習構成に細心の注意を払うようになります。

③スペイン留学での成長

その後、スペインに留学し、現地の選手を指導する機会を得ました。

ここでは、言語や文化の壁もある中で評価を受ける環境に挑むこととなりました。
特に、現地のコーチングスクールでの指導実践は大変でしたね。

僕の場合、語学習得がまだまだだったので、片言のスペイン語でオーガナイズやルールを説明し、プレイに関してコーチングするのは極度の緊張感ゆえに、逃げたい感覚でした。

今思えば、指導内容の問題というより単純な語学の問題ですね。

しかし、このような経験を通じて、自分が日本で指導していたときには気づかなかった細かな改善点を多く学びました。

ちなみに、この海外での非常に高い緊張感。
僕が3シーズン一緒に仕事をして、勝手に師匠にしている村松さんの書籍の中でもリアルに描かれています。

2.評価を受ける機会を作る方法

どこかのスクールや海外に飛び込まなくても、評価を受ける機会は意識的に作ることができます。

①チーム内での相互チェック

同じチームの指導者同士で、お互いの指導を観察し合い意見交換を行います。
これにより、新たな視点を得ることができますね。

なかなか忙しい環境だと思うので、毎回の練習でできなくても、3ヶ月や半年に1回などでもいいので時間を作って

ただし、喧嘩にならないようにするためには表現の仕方が大事。
雰囲気が悪くならないように気をつけましょう。

普段、自分の指導について議論する習慣がない方は、これだけでも十分効果があります。

②練習を録画する

自分の指導をビデオで記録し、後で客観的に振り返ります。特に、選手たちの反応や練習のテンポを確認するのに有効です。

ただし、後述しますが『自分の指導の良し悪しをジャッジするための基準』が大切です。
何が良くて何が良くないかを知らなければ、評価のしようがありません。

3. 評価を恐れないマインドセット

他者から指導内容を評価されるのは、最初は抵抗を感じるかもしれません。
というか、非常に緊張するし苦痛です。

実際に過去の僕はとても嫌でした。

しかし、それを乗り越えることで指導者としての成長が加速します。

ここで失敗や評価を恐れていてはいけません。
どうしてもその一歩が踏み出せない方は下記の書籍を参考に。

『自分はやればできる!』と信じることが大切です。

繰り返しますが、他人に自分の指導を評価されるのは本当に嫌なものです。

しかし、僕らのようにコーチを仕事にしている人にとっては日常的なことです。

苦しいこともありますが、そこから逃げずに評価をポジティブに捉え、フィードバックを活用して改善に取り組む姿勢が重要ですね。

また、評価を受けるだけでなく、自分自身が他の指導者を評価する立場になることも有益です。

他者の指導を見ることで新たな視点を得るとともに、自分の指導に活かすことができます。

4.基準を知ることの重要性

評価を受ける前に「良い指導とは何か?」という基準を知ることが大切です。

例えば、90分の練習を通じてテンポが良いトレーニングとはどんな感じなのか。
選手のプレイを適切に改善するためのコーチングひとつとっても声のトーン、抑揚、タイミングなど。
トレーニングを構成する練習メニューの精度やつながり、インテンシティ、グループの雰囲気。

これらの基準を知らないと評価が難しくなります。

そのためには、優れたもしくは経験のある指導者、または自分が尊敬する指導者の練習を観察し、そのスタイルを模倣するところから始めるのがおすすめです。

まずは模範となる指導者を見つけ、その方法を取り入れることで、自分の指導スキルを基準に近づけることができます。

近隣のクラブや自分がお手本にしたい指導者の練習を見学し、良い指導方法を学ぶことも重要ですね。

その際、可能であれば邪魔にならない程度に実際に練習に参加させてもらい、近くで生の雰囲気を感じるのもおすすめです。

離れた場所からだと伝わらない、生々しいリアルな雰囲気を感じることができます。

5.まとめ

この記事では、指導者として成長するための『評価される環境』の重要性について解説しました。

指導者としての成長には、評価を恐れずに受け入れる環境を作ることが欠かせません。
他者の目にさらされることで、自己流では気づけなかった課題が浮き彫りになり、改善への道筋が見えてきます。

また、自分自身で評価の基準を知り、指導に活かすことも重要です。評価をポジティブな成長の機会と捉え、日々の指導に反映させていきましょう!

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