Junior Soccer College Written by ジュニアサッカー大学

【心理学と脳科学を学ぶ】サッカー指導がスキルアップする理由:オススメの書籍も

スキルアップ

こんにちは、講師のカズです。

サッカーの勉強をしているとテクニックや戦術、フィジカルなどサッカーの専門的な知識は増えてきます。

しかし、コーチという立場ではサッカーの知識を子どもたちに落とし込むスキルが必要になります。選手を成長させるためのコーチングスキルや根本的な育成の考え方など、競技以外の知識やスキルが重要になってきます。

そして、それらを伸ばすためにはサッカー以外の分野を勉強することが大切です。

その中でも今回は、心理学と脳科学を学ぶことによって指導スキルが格段に上がる理由と具体例について解説します。

現在、僕が運営するクラブでは300名ほどの子どもたちが活動していますが、年齢や性格はそれぞれです。サッカーを始めたばかりの子ども、高いレベルの選手、いろんな選手を指導する中で僕自身、心理学や脳科学の応用が不可欠だと感じています。

これらを学ぶことで指導やコーチングスキルが上がるだけでなく、結果としてそれが子どもたちに還元されパフォーマンスに影響するので、ぜひ最後まで読んでみてください。

1.心理学・脳科学を学ぶとスキルアップする理由

スキルアップする理由を理解するには、前提としてサッカーコーチのスキルには以下の2点があるということを押さえておく必要があります。

  1. サッカーそのものの知識
  2. 選手に落とし込む際の指導方法の知識

例えばサッカーの戦術を理解するにはサッカーの知識そのものが必要ですが、コーチにはそれを子どもたちに落とし込む=指導するスキルが必要。

上手く落とし込むには、選手の心理状態やチームの雰囲気、効果的な伝え方など様々な知識とスキルが必要になります。

つまり、この落とし込むスキルにはサッカー以外の分野の力を借りることが大事なポイントになるということです。

では、サッカー以外の分野の知識を学ぶメリットは何でしょうか。
僕は以下の3つがメリットだと考えています。

  • 指導者としてのマインドが確立される
  • 指導の根拠が持てる
  • 指導の問題が解決できるようになる

この3つが改善されると指導スキルは上がります。
それでは1つずつ見ていきましょう。

①指導者としてのマインドが確立される

心理学や脳科学を学ぶとサッカーコーチとしてのマインドを確立できます。

なぜなら、自分がどんな考えを根拠にどのような指導をするのか。
導者としての根本的な哲学を形成するができるからです。

例えば僕の場合、心理学のピグマリオン効果というものを指導するうえでの基本的なスタンスにしています。

ピグマリオン効果を簡単に説明すると、自分が担当するグループの選手たちは皆、必ず成長できる良い選手だと信じ込むことで選手の伸びる率が上がるというものです。

※ピグマリオン効果に否定的な考えもありますが、僕自身の指導者としてのマインドの1つとしています。

他にも内発的動機づけやバーンアウトなど。

サッカー以外の知識がコーチとしての基本的スタンスを確立する手助けになってくれます。
僕自身、心理学と脳科学を参考にしたコーチング方法や選手育成に対する考え方が他にもたくさんありますがそれらについては後述します。

②指導の根拠が持てる

また、心理学や脳科学的な知識を得ることで指導の根拠が持てるようになります。

コーチの経験やオリジナルの考えは大切ですが、客観的・科学的な根拠を持つことはそれ以上に重要です。

権威主義ではないですが、自分で考え出すよりも巨人の肩に乗る方が知識も広がりやすく信憑性も高いものになりますよね。

僕自身も指導の勉強をする時にはまず、これは信憑性が高いなという知識を入れてそれを自分なりに変換する作業を行なっています。

情報過多の時代なので、情報を取捨選択するうえでも客観的・科学的な根拠があることがまずは重要ですね。

③問題の半分が解決できるようになる

指導していると、なんか選手に響いていないなと感じることが多々あります。
またチームの雰囲気を良くしたい、もっと子どもたちに積極的にサッカーに取り組んでほしいなど指導現場での問題は山積みだと思います。

しかし、これらの問題も心理学や脳科学の観点からアプローチすることで改善できます。

なぜなら選手に対する声かけやモチベーションの上げ方などは、子どもたちの心理状態やコーチングの伝わり方など、サッカー以外の要素がつまっているからです。

つまりサッカー指導における問題の半分は、サッカー以外の部分が占めています。

そういう意味では、サッカーの知識も増やしながら、心理学や脳科学なども同時に勉強する必要があります。

反対に言うと、サッカーそのものだけを勉強しても指導スキルは半分しか上がりません。
この2つは「子どもに教える」際にどちらも重要な知識になります。

2.実際に応用している例

では、実際に僕が心理学や脳科学を勉強した中で、指導に活きている実例を紹介します。

①外発・内発的動機づけ

このブログやYouTubeでも繰り返し外発・内発的動機づけの話をしていますが、サッカーが上手くなるには必要不可欠な要素です。

この心理学の用語では、子どもたちのサッカーに対するモチベーションをどのようにコントロールするのかといったヒントが見えてきます。

サッカーを始めたばかりの子どもには、褒めることやコーチが楽しいなどの外発的動機づけが必要ですし、高いレベルを目指す選手になるには内発的動機づけが必要。

これらの言葉はスポーツ心理学では基本中の基本なので必ず押さえておくべき概念です。

この概念を使って僕が実践している指導方法についてはリンクを貼っておくので参考にどうぞ。
>>なぜ子どもにやる気がないのか【少年サッカー・内発的動機づけの方法】

②コンフォートゾーン

別記事で、【少年サッカー】厳しいコーチの方が上手くなる理由というものを書いていますが、これの根拠はコンフォートゾーンというキーワードです。

コンフォートゾーンも心理学の用語で、快適な空間を意味します。
選手を快適な空間の外に連れ出すことでスキルアップするという考えです。

これはスポーツだけでなく、仕事のスキルアップも同じですよね。

僕ら指導者がスキルアップするにも、必ずコンフォートゾーンの外に出る必要がありますね。

当然このような考えから、選手にどれくらいのレベルを要求するべきか、過度な要求をしても上手くならないという考えに至っています。

>>【少年サッカー】厳しいサッカーコーチの方が上手くなる理由

③バーンアウト(燃え尽き症候群)

コーチの仕事ではサッカーを上達させることはもちろんですが、子どもたちがサッカーを好きでい続けるようにすることも重要です。

しかし心理学でいうところのバーンアウト=燃え尽き症候群を引き起こしてしまうのはなぜでしょうか。

バーンアウトとは子どもたちがサッカーを嫌いになり辞めてしまう原因の1つですが、これを防ぐためにも心理学の知識が必要です。

バーンアウトのリスクを考えた時に、週に何回くらい練習日を設けた方が良いのか、自主練をどのように考えるか、試合のスケジュールをどうするべきが見えてきます。
>>少年サッカーの適度な練習量とは?【自主練・週何回・練習時間】解説

④状況判断

少し違う観点では、状況判断を高める時にも心理学を応用しています。

サッカーでは状況判断が重要だと言われますが、この子どもたちの判断を助ける時に僕は結構使います。

例えばビルドアップで上手くいかない時。
子どもたちがどこにパスするか迷う、もしくはパスコースが見えていない時に「ボールを持ったら〇〇を見なさい」とコーチングします。

これは選択的注意=カクテルパーティー効果という心理学の用語にヒントを得たものです。これにより判断ミスやパスミスが減少することがよくあります。
>>少年サッカー【状況判断をよくする】選択的注意(心理学)の活用

⑤コーチング

子どもたちに投げかける言葉=コーチングでは心理学と脳科学が深く関わってきます。

例えば「ほめて伸ばす」というのは理にかなっているのですが、ほめるも叱るも選手に対するフィードバックです。このフィードバックにより気づきが誘発され自己成長が引き起こされます。

以前読んだ、学びを結果に変えるアウトプット大全という本では、効果的なほめ方に関する記述がありました。要約すると以下の通りです。

  • 強化したい行動をほめる
  • 具体的にほめる
  • 承認欲求を満たす
  • 文章でほめる

このポイントを意識するだけで、ほめられた対象者が調子に乗らずに自己成長を促せるとのこと。

これも僕自身、コーチングの際にかなり意識している部分です。

例えば選手のオフザボールの動き。ここに対してアプローチする時にもこの考えを応用していますし、クラブのホームページに試合結果の記事を書く時にも、それを効果的に使うようにしています。

>>選手が上手くならないサッカーコーチの特徴【現象を捉える基本スキル】

以上、他にもありますが僕が実践していて効果的だなと感じた心理学・脳科学の応用を紹介しました。

3.オススメの書籍

最後に、実際に僕が読んで勉強してきた参考になる書籍を紹介します。

①よくわかるスポーツ心理学

スポーツ心理学の入門書的な本です。基本的に見開きで1つのテーマに絞っているので見やすいのと、基本的な知識は網羅できます。
表現もわかりやすいので次に紹介する本よりは個人的にはオススメです。

②これから学ぶスポーツ心理学


こちらも入門書的な本です。
僕は①と両方持っていますが、2冊は必要なかったかなと。
チームマネジメントを考える上では7章の「スポーツにおける集団」など参考になりますね。

③学びを結果に変えるアウトプット大全

先に紹介した本と毛色が違いますが、選手へのコーチング(声かけ)にとても役立つ本です。

ほとんどの方は読んでいると思いますが、60万部を突破したベストセラー。
基本的にはビジネス書ですが、コーチングのヒントや選手の成長につながる内容がかなり詰まっています。
内容もかなりわかりやすく、すぐに実践できるのがいいですね。

僕自身、ここからたくさんのヒントを得ています。
また、コーチ自身が成長するためにも、学び効率が最大化するインプット大全とセットで読むとかなり勉強になります。
余談ですが、著者の樺沢紫苑さんは精神科医で心理学や脳科学の知識を分かりやすく解説してくれるので助かります。YouTubeでも活躍されていますね。

他にもたくさんの書籍があると思いますが、僕が実際に読んで参考になった3冊を紹介しました。

4.まとめ

最後に要点をまとめておきます。

  • 指導ではサッカーそのものと、それ以外の知識が必要
  • 心理学・脳科学を学ぶと指導スキルがアップする
  • 指導のマインド、根拠、問題解決などのメリットがある

以上、この記事では心理学と脳科学を学ぶことで指導スキルがアップする理由について解説しました。

指導に行き詰まったら、サッカー以外の分野からヒントを得ましょう!