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ジュニアサッカー【初級者】指導者向け:トレーニングの基礎実践ガイド

この記事は、レベル別トレーニング指導ガイドの【初級者向け】です。 基本概念を理解した指導者が、具体的なトレーニング技術を実際に現場で実践するための方法を詳しく解説しています。

こんにちは、講師のカズです。

ジュニア年代のサッカー指導では、基本的なトレーニング技術の習得がとても重要です。

しかし、「練習メニューをどう作ればいいか分からない」「ウォーミングアップの内容に迷う」と悩む指導者の方も多いのではないでしょうか。

僕自身、指導を始めた頃はトレーニングの理論は理解していても、実際に練習メニューを作ったり、効果的なウォーミングアップを設計したりすることに苦労しました。

理論と実践の間にギャップを感じることがありました。

・練習メニューの具体的な作り方が分からない
・効果的なウォーミングアップの設計方法が分からない
・練習の進行がスムーズにいかない

この記事では、実践的な練習メニュー作成方法から、ウォーミングアップの設計、練習環境の整備まで詳しく解説します。

この記事を読めば、基本的なトレーニング技術に自信が持てるようになり、現場での指導が格段にスムーズになると思いますので、最後までご覧ください。

Content

1. 実践的な練習メニュー作成をマスターする

①練習メニュー作成の基本テンプレート

効果的な練習メニューを作るためには、基本的なテンプレートがあると便利です。

基本テンプレートの構成

1. 基本情報の設定
・日時、場所、参加人数
・対象年代とレベル
・天候や環境の確認
・使用可能な道具

2. 目標設定
・今日のメインテーマ(1つ)
・サブテーマ(1つ)
・技術的な目標
・戦術的な目標

3. 練習の流れ
・ウォーミングアップ(時間、内容)
・メイン練習(段階別に3〜4つ)
・ゲーム(形式、時間)
・クールダウン(振り返り含む)

4. 注意点・配慮事項
・安全面での注意
・個別対応が必要な選手
・保護者への連絡事項

このようなテンプレートに沿って作成することで、抜け漏れのない練習メニューができます。

ちなみに僕がスペイン留学中に使用していたテンプレもあるので参考にしてください。

②段階的な練習設計の方法

効果的な練習は、段階的に難易度を上げていく流れも重要です。

※ただし、この段階はあくまでも初心者コーチの方が知っておきたいものとして書いてます。
クローズドスキル〜オープンスキルの流れ、ドリルからグローバルTRへ、みたいな一般的な考えとして認識してください。

段階1:基礎技術の習得
・正確性を重視
・ゆっくりとしたテンポ
・反復による定着
・個人技術にフォーカス

段階2:状況への適応
・相手や味方の要素を追加
・判断を伴う練習
・スピードアップ
・複数の選択肢

段階3:実戦への応用
・試合に近い状況設定
・プレッシャーの中での実行
・創造性の発揮
・チーム戦術の実践

初心者コーチの方は、こんな感じで段階を踏ませることができるか、から始めましょう。

③年代別メニュー作成のポイント

同じテーマでも、年代によってメニューの作り方を変える必要があります。

低学年向けメニュー作成
・短時間で内容を変える(10〜15分ごと)
・ゲーム性の高い練習を多用
・説明は簡潔に
・成功体験を多く作る

高学年向けメニュー作成
・集中時間を長めに設定(15〜20分)
・技術的な精度を求める
・戦術的な要素を入れる

中学生向けメニュー作成
・より専門的な内容
・長時間の集中力を前提
・複雑な戦術練習も可能

年代に応じた適切なメニュー作成で、効果を最大化できます。

2. 効果的なウォーミングアップを計画する

①目的別ウォーミングアップの計画(例)

ウォーミングアップは、その日の練習目的に応じて計画しても良いです。

以下に例を挙げておきます。

技術練習がメインの日
・ボールタッチを中心とした準備
・基本的な動きの確認
・集中力を高める内容
・個人技術の復習

戦術練習がメインの日
・パスやコミュニケーションを含む準備
・ポジション確認の要素
・チーム連携の基礎
・判断を伴う動き

ゲーム形式がメインの日
・実戦的な動きの準備
・強度を段階的に上げる
・競争心を刺激する内容
・試合への意識付け

正直、ウォーミングアップの内容は指導者の狙いによるところが大きいですが、その日の目的に応じたウォーミングアップで、メイン練習への準備を行う方法もある、ということを知っておきましょう。

②年代別ウォーミングアップの実践(例)

年代によって、適切なウォーミングアップの内容と時間が異なります。

低学年のウォーミングアップ(5〜10分)
・楽しい雰囲気作りを重視
・鬼ごっこなどのゲーム要素
・基本的な体の動かし方
・短時間で飽きない工夫

高学年のウォーミングアップ(10〜15分)
・技術要素を含んだ準備運動
・ペアやグループでの活動
・メイン練習への橋渡し

中学生のウォーミングアップ(10〜15分)
・より専門的な準備運動
・フィジカル要素の重視
・戦術的な要素の導入
・自主的な取り組み

これらはあくまでも例ですが、基本的な考えを押さえておきましょう。

③ウォーミングアップの効果的なまとめ

様々な観点からウォーミングアップを整理すると、以下のようになります。

身体的効果
・体温の上昇
・心拍数の段階的増加
・ケガの予防

精神的効果
・集中力の向上
・チームの結束
・練習への意識付け

技術的効果
・ボール感覚
・基本技術の確認
・動きの質の向上
・メイン練習への準備

これらの効果を意識してウォーミングアップを計画することが大切です。

3. 練習環境の整備と技術を身につける

①練習のテンポを保つ工夫

効果的な練習には、良いテンポが不可欠です。

道具の配置と準備
・事前の完璧な準備
・使いやすい場所への配置
・予備の道具の準備
・効率的な設営と撤収

導線作りの基本
・選手の動きを想定した配置
・無駄な移動時間の削減
・安全性を考慮した導線
・スムーズな練習転換

これらの工夫により、集中力を切らさない練習ができます。

②集中力を高めるNG行動の回避

練習中の指導者の行動が、選手の集中力に大きく影響します。

避けるべきNG行動

①長すぎる説明
・選手の集中力を超えた説明時間
・一度に多くの情報を伝える
・実演なしの理論的説明

②準備不足による中断
・道具の不備による停止
・ルール説明の不備
・コート設定のミス

③感情的な対応
・イライラした態度
・否定的な言葉遣い
・一貫性のない指導

④待ち時間の放置
・順番待ちの時間の無視
・やることがない状況の放置
・個別指導中の他選手への無配慮

⑤メリハリのない進行
・ダラダラとした時間進行
・区切りの不明確さ
・テンポの悪いメニュー変更

これらのNG行動を避けることで、選手の集中力を維持できます。

③選手の特性に応じた対応方法

練習中には、様々な特性を持つ選手への個別対応が必要です。

難しい練習を嫌がる選手への対応

対応方法1:練習設計の工夫
・段階的な難易度設定
・成功体験の積み重ね
・選手のペースに合わせた調整

対応方法2:内発的動機づけ
・なぜその練習をするのかの説明
・選手自身の目標との関連付け
・自己決定の機会の提供

対応方法3:信頼関係の構築
・個別の声かけ
・小さな成長の認識
・安心できる環境作り

低学年の問題行動への対応

練習中にふざけたり遊んでしまう低学年選手への対応も重要です。

原因の分析
・練習内容が難しすぎる
・待ち時間が長すぎる
・説明が長すぎる
・面白くない内容

具体的な改善方法
・練習内容の調整
・待ち時間の短縮
・ゲーム要素の導入
・個別対応の充実

詳しくは、下記の記事を参考にどうぞ。

4. 実践的な指導技術を習得する

①効果的な説明とデモンストレーション

練習メニューを効果的に伝えるためには、説明とデモンストレーションの技術が重要です。

説明の基本原則
・簡潔で分かりやすい言葉
・年代に応じた表現
・具体的な例の使用
・視覚的な補助の活用

デモンストレーションのポイント
・実際にやって見せる
・選手に見えやすい位置
・ゆっくりと分かりやすく
・ポイントを強調しながら

質問と確認の技術
・理解度の確認
・選手からの質問の促進
・実際にやらせて確認
・必要に応じた再説明

これらの技術により、選手の理解を深めることができます。

②練習中の効果的な声かけ(例)

練習中の声かけは、選手のモチベーションと学習効果に大きく影響します。

技術的な要素への声かけ
・「ナイスタッチ!」
・「もう少し強いパスで」
・「顔を上げて周りを見よう」

戦術的な要素への声かけ
・「スペースを使おう」
・「サポートの動きが良かった」
・「声を出して伝えよう」

メンタル的な声かけ
・「チャレンジしてるのが素晴らしい」
・「失敗を恐れずに」
・「その調子で続けよう」

適切な声かけで、選手の成長を促進できます。

どんな言葉を使い、どのようなトーンで伝えるかはコーチのキャラクターにもよりますね。

③個別指導とグループ指導のバランス(例)

効果的な練習を行うには、個別指導とグループ指導の適切なバランスが必要です。

個別指導が効果的な場面
・技術的な細かい修正
・個人的な課題への対応
・自信を失っている選手
・特別な配慮が必要な選手

グループ指導が効果的な場面
・チーム戦術の習得
・コミュニケーションの促進
・競争心の刺激
・集団での規律

バランスの取り方
・練習全体の流れを考慮
・選手のニーズに応じた配分
・時間の効率的な使用
・全員への配慮

適切なバランスで、全体と個人の両方の成長を促せます。

5. まとめ

この記事では、初心者コーチ向けに、基本的なトレーニングのについて解説しました。

・実践的な練習メニュー作成のテンプレートと段階的設計を身につける
・効果的なウォーミングアップを目的別・年代別に設計する
・練習環境の整備と運営技術でスムーズな進行を実現する
・実践的な指導技術で選手の理解と成長を促進する

学習のポイント

このレベルで重要なのは、以下の4つのポイントです。

基本的なトレーニング技術

・メニュー作成:テンプレートを使った体系的な計画
・ウォーミングアップ:目的別・年代別の効果的な準備
・環境整備:テンポを保つ工夫と集中力の維持
・指導技術:説明・声かけ・個別対応の実践

6. 理解度チェック

以下の質問に答えられるか確認してみましょう。

・練習メニュー作成の基本テンプレートを使えますか?
・年代別のウォーミングアップを設計できますか?
・練習のテンポを保つ工夫を実践できますか?
・選手の特性に応じた個別対応ができますか?
・効果的な説明とデモンストレーションができますか?
・適切な声かけで選手を励ませますか?

すべて答えられたら、次のレベルに進む準備ができています。(たぶん…)

7. 学習ステップ

推奨学習順序

・超初級者レベル:基本概念の理解
・初級者レベル:基本的なトレーニング技術の習得(←今ここ)
・中級レベル:トレーニング理論の実践
・上級レベル:計画的で体系的なトレーニング

基本的なトレーニング技術を身につけたら、次はトレーニング理論の実践についてより深く学習することをおすすめします。

教授法の理解や認知・判断力向上の指導について理解を深めていきましょう。

次のステップ

✅ [ジュニアサッカー【中級者】指導者向け:トレーニングの実践ガイド]

トレーニング理論の実践について学習しましょう。

さらに上を目指すなら

📕 [ジュニアサッカー【上級者】指導者向け:トレーニングの応用ガイド]

計画的で体系的なトレーニングについて学習しましょう。

前のステップに戻る

📗 [ジュニアサッカー【超初級者】指導者向け:トレーニングの基礎理解ガイド]

トレーニングの基本概念をもう一度確認したい方はこちら。

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