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少年サッカー【効果的な声かけ集】場面別コーチング事例

こんにちは、講師のカズです。

ジュニア年代のサッカー指導では、「どんな声かけをすればいいかわからない」という悩みを持つ指導者の方も多いのでないでしょうか。

特に試合中や練習中に、とっさに出る言葉が子どもたちのプレーや成長に大きく影響することがあります。

僕自身も過去には、感情的になって適切でない声かけをしてしまい、子どもたちのやる気を削いでしまった経験があります。

・場面に応じた具体的な声かけの例を知りたい
・子どもの心に響く声かけのバリエーションが少ない
・年代別の効果的な声かけ方法がわからない

この記事では、現場で実際に使える効果的な声かけを場面別・年代別に具体的に紹介します。

この記事を読めば、明日からの指導で即座に活用できる声かけのレパートリーが増えると思いますので、最後までご覧ください。

※ただし、注意点です。
声かけやコーチングは、指導者のキャラクター、選手の文脈、その場の空気感、信頼関係やマネジメントが大きく影響します。
そのため、この記事で書いている内容はそのまま使えるわけではありません。

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1. 練習開始時の声かけ

練習開始時にどんな声かけを行うか。

そのためには、まずは選手達をじっくりと観察しなければいけません。

細かな表情や仕草から、どんな状態かをイメージして言葉を選ぶことが大切です。

以下は、僕が実際に行なっている例です。

①やる気を引き出す声かけ(例)

僕の場合は、基本的に最初はユーモアから入ります。
重要なのは「一度、自分に惹きつけてから話す」ことです。

低学年向け: 
「練習してきた? 最近上手くなってるよね。」
「新しい〇〇ができるようになったね。素晴らしい。」

基本的に、低学年生であっても僕の場合はほとんど『極端な子ども扱い』をしません。

高学年向け: 
「先週の練習、めちゃくちゃ良かったから今日もできるでしょ。」
「先日の試合、〇〇な部分が良かったね。」
「〇〇(名前)ならできるでしょ?」

こんな感じで、高学年生には「期待している」感じで話すことが多いですね。

②集中させる声かけ

「一回しか言わないからね、よく聞いててよ。」
「これからメチャクチャ大事なことを言うから…」

これも文字だけだとイメージしにくいですが、わざと声を小さくて興味を惹かせたり、一度ユーモアを挟んでからのギャップなどで、注目させてから話すと効果的です。

③チームの雰囲気を作る声かけ

チームの雰囲気を作るには、それまでの信頼関係やマネジメントの土台がないとできませんが、それができている前提として。

「誰が一番大きい声で盛り上げてくれるの?」
「さすが〇〇は、いつもチーム内で一番声出してる」

など、他の選手と比較するというより、子ども達の「自分も!」という感情を高める感じでコーチングします。

繰り返しますが、ユーモアがあると無いとでは全然響き方も変わってきます。

2. プレー成功時の声かけ

①技術面を褒める声かけ

「めちゃくちゃドリブル上手くなったよねー。もう一回やってみて」
「前より、かなり上手くなってるね。練習したの?」

この辺はよくある声かけですが、大事なのは感情を込めることです。

また、技術的にミスした際に
「いつも上手くできるのに、どうした?」
みたいな感じで、「君はできるんだよ」と感じさせることも効果があるかなと思います。

②判断面を褒める声かけ

僕の場合は、基本的に選手が「何を考えているか」を日頃から観察します。

「考えていることは合ってるよ!」
「予測して動いたのは良かったね。」
「イメージは面白い、あとはタイミングだね」

大事なのは、選手が「自分の考えていることをちゃんと見てくれている」と感じられるかどうかです。

③努力面を認める声かけ

「最後まで諦めずに走ったのは良かった。」
「普段、ちゃんと練習しているのを見ているからね。」
「最近自主練してるでしょ?素晴らしい。」

結果だけではなく、そのプロセスを褒める・認めるのは、僕のコーチング・マネジメント、指導哲学の中でも最も重要な要素の一つです。

3. プレー失敗時の声かけ

①励ます声かけ

「ドンマイ、気にしなくていいよ。」
「次は絶対上手く行くから、もう一回やってみて。」

これらも普段僕がよく使うフレーズですね。

いい加減だったり、手を抜いている時にはピシッと叱りますが、一生懸命やっているなら、問題ありません。

常にポジティブなフィードバックを心がけましょう。

②前向きにする声かけ

「失敗するからチャレンジなんだよ。」
「失敗しないと上手くならないよ。」
「最初からできる人はいないよ。」
「人にできて、自分にできないことはないよ。」

ポイントは、一生懸命にプレーしていない選手にこれらの言葉を投げかけても、嘘臭くなります。

声掛け・コーチングが選手に響くかどうかは、それまでの文脈によりますね。

③具体的な改善点を示す声かけ

「次は○○を意識してやってみて。」
「他のことは考えなくて良いから、これだけ考えて。」
「失敗しても良いから、〇〇にチャレンジしてみて。」

プレーの改善点を示すには、選択肢を与えすぎないのがポイントかなと思います。

4. 試合中の声かけ

①攻撃時の声かけ

「慌てなくて良いから、落ち着いて、周りをよく見て。」
「練習でやったこと、思い出せる? その通りにやってみて。」
「失敗しても良いから、思い切ってやってみて。」

練習時もそうですが、プレーしている最中の声掛けは、『感情や抑揚、声の大きさやトーン』で全然変わりますね。

②守備時の声かけ

「逆サイドの選手、マークしなくて良いから意識だけしておいて。」
「1対1の守備は、どうするんだった?」
「抜かれても良いから、しっかりボールを奪い切るつもりで。」

どちらかと言うと、守備に関する声かけの場合は「インテンシティ」を下げないように、気をつけなければいけませんね。

また、攻撃でも守備でも、練習でやったことを思い出させる声かけはよくやります。

③劣勢時の声かけ

「まだまだ時間はあるから、一つずつ丁寧に。」
「心配するな、きっとうまくできるから。」
「最悪、負けたとしても、1点取れるかどうかで今後が変わるよ。」

点差がギリギリの時には、自信を持たせ、点差が開いた時には「今、小さな何かを達成することの意味」を伝えるようにしています。

これも、選手達の状態によりますね。

敢えて、厳しいことを言うこともあります。

この辺は文脈です。

④優勢時の声かけ

「上手くいっている、けどもっと上手く行くにはどうしたらいいと思う?」
「〇〇のコーチングがあるから上手くいっている。そのまま続けて。」
「集中しなさい。」

劣勢時は、それまで上手く行っていないことがあるので、メンタルを落とさない、もしくは回復させるために切り替えさせる必要があります。

一方、優勢時は『継続』させなければなりません。

そのため『何かを変える』のではなく、途切れないような声かけが必要ですね。

5. 年代別声かけのコツ

①小学1〜3年生への声かけ

ポイント: 短い言葉で、分かりやすく、難しい言葉は使わないこと

僕の場合、「今のプレー、かっこよかった!」 みたいな感じの声かけは行いません。

どうしても、年齢が低くなると「子ども扱い」してしまうこともあるかもしれませんが、そうではなく、同じような内容を言っているけど、言葉を噛み砕くイメージ。

ただ、リアクションや感情表現の部分は高学年より大袈裟な方が良いと思います。

②小学4〜6年生への声かけ

ポイント 具体的で、理由も含めて、端的に

高学年になってくると、僕の場合は、主体性を持たせるような指導の割合が大きくなるので、選手自身に考えさせる余白を残します。

また、低学年生より複雑な思考もできるようになるので、少々難しいことも敢えて言うこともありますね。

ただ、思春期に入る選手もいるので、扱い方は低学年と同じようにはいきません。

僕の場合は、子どもとしてではなく、一人の人間同士として、といったスタンスをとる方が多い感じです。

6. NGな声かけパターン

では、ここからはNGパターンです。

当然、暴言や汚い言葉遣いは御法度ですが、ハッパをかけるつもりが…みたいなこともあるので、言葉のチョイスと言い方には気をつけましょう。

①感情的になった声かけ

指導者は、自分の感情任せの声掛けを行なってはいけません。

自分の感情ではなく、今はこういう言い方をした方が良い、と判断できたなら問題ありませんが、感情的な言葉は大体失敗します。

②比較する声かけ

選手個人もそうですし、チーム同士も同じです。

自分自身が他者と比較して何かを考えると違って、コーチや保護者から自分を他の選手と比較されるほど、いやなことはありません。

しかし、指導者としては手っ取り早く伝えられそうな感じで、つい言ってしまうかもしれませんが、絶対にNGです。

このようなアプローチを行なっていると、選手からの信頼はどんどん薄れていきます。

③否定的な声かけ

「また失敗か」 「君はいつもそうだ」…

基本的にネガティブな声かけは、誰も幸せになりません。

意外と気づいていないかもしれませんが、否定的な声かけは、選手だけでなく、言っている本人にもマイナスな作用を引き起こします。

ネガティブな発言が多い人には、誰も近づいて来ない&できれば関わりたくない、ですよね。

とにかく、良いことが何一つありません。

7. 声かけを効果的にするポイント

①タイミングを見計らう

・子どもが聞く準備ができている時を狙う
・プレー直後のタイミングを逃さない
・感情が高ぶりすぎている時は少し時間を置く

何か現象が起きた時に、間髪入れずに声かけを行うのか、それとも敢えて時間を置いてから行うのか。

難しいかもしれませんが、こればかりは経験も必要です。

②子どもの目を見て話す

・アイコンタクトを取りながら話す
・子どもとの距離感を適切に保つ
・表情も含めてメッセージを伝える

伝える内容にもよりますが、言葉だけでなく、それを補完する部分も大切です。

③具体的で分かりやすい表現

・抽象的な表現は避ける
・年代に応じた言葉選び
・身振り手振りも活用する

声かけやコーチングの目的は、相手にポジティブな反応を引き起こすためのものです。

そのため、話がわからない、わかりにくいのは致命傷です。

どんなに良いことを言っても、それが伝わらなければ意味がありません。

8. 練習・試合終了時の声かけ

最後に、練習や試合が終わった後の声かけについてです。

僕の場合、ネガティブなフィードバックは行いません。

また『練習・試合後の話し』は指導者の満足感は上がるかもしれませんが、選手達は疲れているので、大事な話をすることは避けます。

もし、上手く行かなかったことや改善ポイントがあれば、その日の締めくくりで伝えるのではなく、次の練習・試合時の冒頭にしましょう。

なぜなら、練習・試合終了時にはすでに過ぎてしまったことなので、その場ではどうしようもないからです。

指導者として言いたいことがあってもグッと堪えて、感情的にならないようにしましょう。

まとめ

最後にポイントをまとめておきます。

・場面に応じた具体的な声かけのバリエーションを持つ
・子どもの年代や個性に合わせた言葉選びが重要
・ポジティブで建設的な表現を心がける
・タイミングとアイコンタクトを重視する
・NGパターンを避け、改善例を参考にする
・ユーモアは必須

この記事では、現場で実際に使える声かけの具体例を場面別に紹介しました。

これらの声かけを参考に、子どもたち一人一人に響く言葉を見つけて、皆さんの指導現場でも活用してみてください!

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