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サッカー指導理論の正しい使い方【複雑系だからこそ文脈が重要】

こんにちは、講師のカズです。

ジュニア年代のサッカー指導では、様々な理論やメソッドが注目されることがあります。

しかし、「この理論さえ使えば子どもたちは必ず上達する」という万能な方法は存在しません。

僕自身、長年の指導経験を通じて、理論の限界と可能性の両方を実感してきました。

以下のような経験をされた指導者の方も多いのではないでしょうか。

・良いと言われた指導法を試したが、自分のチームではうまくいかなかった
・理論通りにやっているのに、期待した効果が得られない
・どの理論を信じて良いのか分からなくなってしまった

この記事では、なぜ指導理論が万能ではないのか、そして文脈に応じてどのように理論を活用すべきかについて詳しく解説します。

この視点を持つことで、理論に振り回されることなく、目の前の子どもたちに最適な指導ができるようになると思いますので、最後までご覧ください。

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1. 指導理論の限界を理解する

①「唯一無二の正解」は存在しない

僕ら指導者がよくやってしまう間違いとして、「唯一無二の正しい理論があるのではないか」と思ってしまうことがあります。

新しい理論が出てくると、「これまでの方法は古いのかもしれない」「この理論こそが正しいのだ」と考えがちです。しかし、そんなことは絶対にありません。

時代とともに理論は変化し、昔あった理論が否定されたり、また復活したりすることもあります。

これは理論そのものに問題があるのではなく、対象となる現象の性質によるものです。

②科学的理論とサッカー理論の違い

物理学や化学のような自然科学では、かなりの再現性を持って理論が構築されます。

水は100度で沸騰し、重力は常に下向きに働く。

これらは単純系に近く、線形でつながっているため、理論が作りやすいのです。

しかし、サッカーや経済学のような分野は、より複雑系に近いものです。

人間が関わり、状況が常に変化し、多くの要因が複雑に絡み合っています。

③複雑系としてのサッカー指導

子どもがサッカーで上手くなるプロセスや、サッカーそのものは複雑系であると僕は考えています。

複雑系では、1つの理論だけで全てを語ることはできません。

同じアプローチでも、子どもによって、チームによって、状況によって結果が変わってきます。

だからこそ、「この理論が絶対正しい」ではなく、「おおよそ正しいであろう」「この文脈では有効であろう」という捉え方が重要になります。

2. 文脈に応じた理論の使い分け

①子どもの成長段階を見極める

別の記事で解説した「サッカーが上手くなる3つの段階」。

・できなかったことができるようになる段階
・できることの質が上がる段階
・プレーの捉え方そのものが変わる段階

例えば、「質問して促す指導法」が有効なのは、主に3つ目の段階です。

基本技術を覚えている最中の子に「どうしたらうまくいくと思う?」と質問しても、あまり意味がありません。

僕の現場での経験

以前、コーチング理論を学んだ後、全ての場面で質問形式の指導を試したことがありました。

しかし、インサイドキックを覚えている最中の子に「どうやったら上手く蹴れると思う?」と聞いても、子どもは困惑するだけでした。

その時気づいたのは、九九を覚える時に「なぜ9×9は81なの?」と聞かないのと同じだということです。

まずは反復して体で覚える段階があるのです。

②個々の子どもの特性を理解する

同じ年代でも、子どもたちの特性は様々です。

・論理的に理解したいタイプ
・感覚的に覚えたいタイプ
・競争を通じて伸びるタイプ
・協力を通じて伸びるタイプ

理論を一律に適用するのではなく、その子の特性に合わせてアレンジすることが大切です。

③チーム全体の文脈を読む

チームの雰囲気、レベル、目標によっても適切なアプローチは変わります。

基本技術がまだ身についていないチームに、いきなり高度な戦術理論を持ち込んでも混乱するだけです。逆に、ある程度のレベルに達したチームには、より深い理解を促すアプローチが必要になります。

ここからは、理論を実際の指導現場で活用するための具体的な方法と、よくある落とし穴について詳しく解説していきます。

また、複雑系としてのサッカーを理解した上での、より柔軟で効果的な指導アプローチについてもお話しします。

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