サッカー練習メニュー【攻守の切替を鍛える】2+2vs2（3色ビブス）ロンド

2025年6月8日

こんにちは、講師のカズです。

ジュニア年代のサッカー指導でも、「攻守の切り替え」の速さはとても重要です。

試合の流れを一瞬で変えるこの切替の能力は、高いレベルを目指す上で欠かせません。

しかし、以下のような悩みを持つ指導者の方も多いのではないでしょうか。

・子どもたちの攻守の切り替えが遅く、ピンチやチャンスを逃してしまう。
・頭では分かっていても、試合になると判断が伴わない。
・切り替えの意識をどうやってトレーニングで植え付ければいいか分からない。

僕自身、過去の指導で「どうすればもっと早く頭と体を切り替えられるようになるんだろう」と試行錯誤を繰り返した経験があります。

この記事では、僕が実践している「攻守の切り替え」を効果的に鍛えるための具体的な練習メニュー【2+2vs2（3色ビブス）ロンド】について、そのオーガナイズから指導のポイントまで詳しく解説します。

この記事を読めば、スピーディーな切り替えを選手たちに促すことができるようになり、チームのプレー強度も一段階上がると思いますので、最後までご覧ください。

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動画で解説

Content

1. 練習の進め方とオーガナイズ

まずは、このトレーニングの基本的なオーガナイズと進め方について解説します。

非常にシンプルですが、だからこそプレー強度と集中力を高く保つことが重要になります。

① 概要

【コートサイズ・人数・時間】
◾️対象：U10
（Min_Age: 10）（Max_Age: 12）
◾️人数: 6人（2人組×3チーム）
◾️コート: 10m × 10m 程度
（選手のレベルや狙いに応じて調整）
◾️時間: 15分
◾️難易度：★★★☆☆

【基本的なルールと進め方】
①選手を2人1組の3チームに分け、それぞれ異なる色のビブスを着用。
②4人（2チーム）の攻撃側と、2人（1チーム）の守備側でロンド（ボール回し）を開始。
③守備側の選手がボールを奪ったら、ボールを奪われたチームが次の守備役になる。
④プレーが途切れることなく、連続して行う。

② メモ

このトレーニングは、3人1グループ（合計9人）で行うことも可能です。

その場合は「6vs3」のロンドになり、より攻撃側がボールを保持しやすくなります。選手の技術レベルに応じて調整してみてください。

③備考

基本的に、この練習ではタッチ数制限は行いません。

タッチ数を制限しないことで、選手はボールを保持しながらも次のプレーを考える必要があり、より実践的なトレーニングになるからです。

無理にパスを選択するのではなく、運ぶドリブルで時間を作る間にパスコースを作るといった判断も促したいところです。

2. 練習の狙いと目的

このトレーニングの最大の目的は**「攻守の切り替え」の質とスピードを高める**ことです。

試合中、ボールを奪った瞬間、奪われた瞬間に、いかに早く次のプレーへ思考と体を移行できるかが、勝敗を分ける重要な要素となります。

① 攻守の切り替えの意識づけ

試合中に切り替えが遅れがちな選手に対して、ボールを失った直後、奪った直後のプレーを繰り返し体験させることで、切り替えの重要性を体に染み込ませます。

② 状況判断のスピードアップ

3チームが常に目まぐるしく攻守を入れ替えるため、選手は「今、自分たちのチームは攻撃なのか、守備なのか」を瞬時に判断しなくてはなりません。

3色のビブスを使うことで、この認知的な負荷を高めることができます。

③ 無意識レベルでのプレーを目指す

最初は頭で考えてしまい動きが遅れることもありますが、繰り返し行うことで、認知から判断、実行までの一連の流れを無意識レベルで、より速く行えるようにすることを目指します。

参考

【サッカー・オフザボールの状態は２種類】違いと指導方法を解説サッカーにおけるオフザボールの動きには直接的にボールに関与できる状態と間接的に関わる状態があります。それらの違いと指導方法について解説します。

3. 指導のポイントとキーファクター

このトレーニングの効果を最大化するために、指導者が意識すべきキーファクターとコーチングのポイントを解説します。

① ボール保持における基本的なキーファクター

まず、攻撃側はボールを失わないための基本的なサポートやパス、コントロールの質が求められます。

特に、パスコースを複数作る動きや、味方がプレーしやすいパスを出す意識は常に持たせたいポイントです。

② 攻撃側の「予測」

攻撃側の選手は、ただボールを回すだけでなく、「もしボールを失ったら…」という守備への予測をしながらプレーすることが大切です。

「そろそろ危ないな」と感じたら、すぐに守備に切り替えられるような体の向きやポジションを取るよう促してみてください。この予測があるかないかで、切り替えのスピードは大きく変わります。

参考