少年サッカー【自主性が育たない?】まずは場の空気感を作る

こんにちは、講師のカズです。

ジュニア年代のサッカー指導では、「自主性が大事」「選手に考えさせよう」といった言葉をよく耳にします。

でも、現場では「自由にさせてるのに集中しない」「なんとなくダラけた空気になってしまう」といった課題も多くあります。

僕自身も、かつて「自主性を尊重したい」と思うあまり、コーチとしての介入を控えて失敗したことが何度もあります。

選手のやる気はあるのに集中していない、雰囲気が緩い。

その原因は、実は「空気感を整える」ことを飛ばして、いきなり自主性に頼ってしまっているからかもしれません。

この記事では、選手の自主性を引き出すためにまず必要な「空気の設計」と「リーダーシップ」について、僕の経験をもとに掘り下げていきます。

この記事を読めば、選手たちの主体性が自然と引き出される“場の作り方”が見えてくると思いますので、ぜひ最後までご覧ください。

Content

1. 自主性が育たないのはなぜか?

① 現場では“集中してない”空気がある

選手はやる気がないわけではない。
しかし「集中しきってない」「ゾーンに入ってない」という空気を感じることがあります。

笑ってるし、声も出てる。でも本気で取り組む空気ではない。これは育成年代の現場で本当によくある現象です。

② 自主性=自由、という誤解がある

最近は「自主性が大事」という考えが広がっています。

もちろんそれは間違っていないと思いますし、僕自身もそのようなチームづくりを行います。

しかし『自由にさせれば自主性が育つ』というのは少し違います。

特に育成年代では、「わかっててもできない」子も多いですし、いきなり自由を与えてもうまく機能しないことの方が多いですね。

③ コーチが介入しない=いい指導?

指導者が勉強を重ねるほど、「なるべく介入しない方がいいのでは?」という迷いが生じがちです。

でも、現場で『空気が緩い』『トレーニングが締まらない』と感じているなら、そこはコーチのリーダーシップ不足が原因かもしれません。

2. 空気感は誰が作る?最初はコーチの仕事

① 「空気の設計」はリーダーシップの一部

選手の自主性を育てたいなら、まずコーチが『空気を作る』必要があります。

雰囲気、集中感、緊張感。それを言葉でなく、存在感やふるまいで示す

これはリーダーシップの根本だと思っています。

② 新チームスタートの時こそ空気づくりが大事

僕自身、いま新しいクラブチームを立ち上げているところですが、最初の段階では特に意識的に空気感を作るようにしています。

練習への姿勢や基準、コミュニケーションのテンポやリズム。

こういった要素を、まずはコーチが提示する必要があります。

新チームに限らず、新しいグループや学年を担当する時も同じです。

③ 基準が共有されないと、自主性は育たない

「このクラブ(グループ)では、こういうテンションで取り組む」という基準がなければ、子どもたちは「どのくらいの温度でやるか」がわかりません。

だからこそ、最初はトップダウン的に空気感と基準を提示する

それが文化になってから、自主性が機能してくるというプロセスだと思います。

3. 指導者が持つべき「影響力」と「観察力」

① コミュニケーションで空気を動かす

冗談を言う、笑わせる、厳しく言う、褒める。
これらは全部、空気を動かす「スパイスのようなもの」だと思っています。

指導者としての存在感が空気感を決め、それが選手たちに伝播し、トレーニングの集中力を左右します。

② 影響力があるかどうか、自覚する

「自分は本気になれば選手を笑わせられるか?」「引きつけられるか?」。

影響力を「出せるのに出していない」のか、「そもそも出せない」のか。

ここを見誤ると、指導の方向性を間違えてしまいます。

ただ、指導者には必ずキャラクターがあるので、自分の特徴に合った影響力の持ち方が必要です。

③ 介入を減らすのは、空気ができてから

選手に任せる=最初から任せる、ではなく、『最初はしっかり介入して、空気を作り』、その後に、少しずつ手を放していくのが現実的だと思います。

影響力を活かしながら、介入の機会を少しずつ減らし、それに合わせて自由度を上げていく感覚です。

4. 僕自身の経験から見えてきたこと

① 過去の失敗と違和感

僕も以前、あえて介入せずに「自由にやらせる」スタンスで進めたことがあります。

でも結果として、練習がダラけたり、集中力が上がらないまま終わってしまうことが多く、すごく消化不良でした。

② 今のやり方:最初はガッチリ、後で緩める

だから今は、新しいチームや新しい選手たちには、最初からしっかり介入するようにしています。

基準を明確に伝え、緊張感のある空気を作る。そのうえで、徐々に自由度を上げていくスタイルにしています。

③ 指導者もチャレンジして失敗していい

僕ら指導者も、「どう介入するか」「空気をどう作るか」でチャレンジして、失敗して、試行錯誤することが必要だと思います。

選手と同じで、僕らもコンフォートゾーンを出て失敗しながら成長していく。そのプロセスがないと成長できません。

5. まとめ

・自主性や主体性は「空気が整ってから」育つ
・最初は指導者が明確な基準と空気感を提示する必要がある
・指導者の影響力や存在感が、空気を作り出す要素になる
・空気が文化になってから、自由や自主性が機能し始める
・指導者自身も「影響力の出し方」を試行錯誤してOK

この記事では、選手の自主性を引き出すための「空気感の作り方」と、コーチのリーダーシップの在り方について、僕自身の経験をもとに解説しました。

ぜひ、皆さんの現場でも「空気を整える」という視点を取り入れてみてください!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
Content