ジュニアサッカー【オフザボール】基本的な考え方と指導方法

こんにちは、講師のカズです。

ジュニア年代のサッカー指導では、ボールを持っていないときの動きがとても重要です。
しかし、「オフザボールの動きを〇〇!」と言っても、当然ながら子どもたちはなかなか理解してくれません。

僕自身、過去には 「うまく伝えられないな」と 感じることがありました。

・そもそもオフザボールとは何なのか
・オフザボールの重要性を伝えたいが、子どもたちがうまく理解できない
・具体的にどんな指導をすればいいかわからない

この記事では、オフザボールの基本的な考え方から、具体的な指導方法まで詳しく解説します。

この記事を読めば、オフザボールの指導の基本的な考え方がわかり、試合での子どもたちの動きが良くなると思うので、最後までご覧ください。

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1.オフザボールとは

①基本

まずは、指導者自身が「オフザボールとは何か?」をしっかりと理解することが重要です。

サッカーでは、「オン・ザ・ボール」と「オフ・ザ・ボール」という言葉が使われます。
それぞれの意味は以下の通りです。

オン・ザ・ボール = ボールを持っている状態
オフ・ザ・ボール = ボールを持っていない状態

つまり、オフザボールとは、攻撃でも守備でもボールを持っていない状況のことを指します。

②なぜオフザボールの動きが重要なのか

サッカーの試合では、選手が実際にボールを持っている時間はわずか2~3分と言われています。
つまり、ほとんどの時間はオフザボールの状態です。

そのため、ボールを持っているときのスキルだけでなく、ボールを持っていないときの動きの質が、試合の流れを決めることになります。

2.オフザボールの指導が難しく感じる理由

過去の自分もそうでしたが、オフザボールの動きを改善しよう、指導しようとして、うまくいかないことがあります。

例えば、「オフザボールの動きを良くしよう!」と言っても、子どもたちは具体的に何をすればいいのか分かりません。
当然、指導者の方も「何をどうしたら良いんだ???」と悩むと思います。

その理由は簡単で、オフザボールという言葉が広過ぎるかつ抽象的過ぎるからです。

一言にオフザボールの動きといっても様々な種類があります。
この様々な種類にどんなものがあるかを理解していないと、具体的に何をどう教えていいかが分からなくなります。

では、どうすればよいのか。

詳しく解説します。

3.オフザボールの動きを具体的にする方法

①ざっくりとしたポジショニング

子どもたちに指導するときに、まずはざっくりとしたポジショニングが取れているか?
ここで『ざっくりとした』と表現しているのは、これも広い意味でのオフザボールの動きに関係するからです。

◾️例
攻撃時 = ボールホルダーをサポートするための立ち位置を取る
守備時 = カバーリングやスライドのポジションを取る

このように、まずは大まかにポジショニングが取れなければ「より具体的なオフザボールの動きの改善」に繋がっていきません。オフザボールを云々、という以前の問題になってきます。

②もう少し具体的に考えてみる

ある程度ポジショニングが理解できたら、そこからさらに細かく考えてみましょう。

具体的なオフザボールの動きを指導するためには、「具体的な戦術コンセプト」に分解することが重要です。

◾️例
【攻撃】
・ボールホルダーに対するサポートの動き
・相手のマークを外してスルーパスをもらう動き

【守備】
・カバーリングやスライドの動き
・プレスの連動

このように「漠然としたオフザボールの動き」ではなく、具体的な動作(戦術コンセプト)に落とし込みます。

③各戦術コンセプトのキーファクターを明確にする

つまり、漠然とした「オフザボールの指導」ではなく、具体的にどの戦術コンセプトを改善しようとしているのかといった、具体的に考えることで選手に伝わりやすくなります。

ただし、ここで注意点です。

例えば「サポートを改善しよう」と考えたときに、「サポートの質」といった類の抽象的な言葉を使ってはいけません。

※ただし、「質」が何を意味しているかを選手が知っている時は別です。

重要なのは『キーファクター』の整理と伝え方です。
キーファクターが分からないという方は下記の記事を参考にしてください。

ここまでくると、かなり具体的になってきます。

4.指導のポイント

①具体的なキーファクターを伝える

ここまで読んで頂いた方は、もう分かると思いますが、要は抽象的な言葉ではなく、具体的な言葉(キーファクター)を伝えることで、選手たちには非常にわかりやすいものになります。

「サポートの動きを良くしよう!」 → 抽象的で分かりづらい
「パスを受ける前に1回フェイクを入れて動こう!」 → 具体的でわかりやすい

※ただし、いくら適切な言葉で伝えても、なかなかプレーが改善されないケースもあります。
その場合は学習段階が合っていないか、コーチングの本質的な部分に問題があるかもしれません。

意外とコーチングの本質的な部分でつまづく方も多いのは事実です。
電子書籍にて詳しく書いています。興味がある方はどうぞ。

②試合の映像を見せながら、成功例と失敗例を比較する

子どもたちにとって、言葉よりも「実際の動き」を見た方が理解しやすいケースもあります。

実際の試合の映像を使って、オフザボールの良い動きと悪い動きを比較して見せるというのも良いですね。

5.まとめ

①オフザボールとは、ボールを持っていないときの動き全般を指す
②試合中のほとんどの時間はオフザボールの状態である
③オフザボールの動きを指導する際は、具体的な戦術コンセプトに分解する
④各戦術コンセプトのキーファクターを整理する
⑤指導では具体的な言葉で伝える

以上、この記事では「オフザボールの動きを具体化し、指導する方法」について解説しました。

皆さんの指導現場でも、ぜひ活かしてみてください!

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