この記事は、レベル別コーチング指導ガイドの【超初級者向け】です。
コーチングの基本概念から指導者としての基本的なマインドセットまで、コーチングに必要な土台となる知識を体系的に解説しています。
こんにちは、講師のカズです。
ジュニア年代のサッカー指導では、コーチングの理解がとても重要です。
しかし、「コーチングって何から始めればいいのか分からない」「選手との関わり方が分からない」と悩む指導者の方も多いのではないでしょうか。
僕自身、指導を始めた頃はコーチングという言葉に漠然としたイメージしか持っておらず、感情的になってしまうことも多くありました。
選手に上手く伝えられず、もどかしい思いをすることがありました。
・コーチングとは何か、基本的な定義が分からない
・感情的に怒ってしまい、後で後悔することが多い
・選手にどう接すればいいか分からない
この記事では、コーチングの基本概念から、感情コントロールの方法、指導者としての基本的なマインドセットまで詳しく解説します。
この記事を読めば、コーチングの土台が固まり、自信を持って選手に向き合えるようになると思いますので、最後までご覧ください。
また『内容が簡単すぎる！』という方は、本文最後に次のステップ記事へのリンクも掲載しているので、そちらにお進みください。
1. コーチングの本質を理解する
①コーチングとは「選手の成長を促すこと」
コーチングという言葉を聞くと、技術指導や戦術指導をイメージする方も多いかもしれません。
しかし、コーチングの本質はもっとシンプルです。
僕はコーチングを「選手の成長を促すための関わり方」と考えています。
つまり、選手が持っている可能性を最大限に引き出すために、指導者がどう関わるかがコーチングというもの。
例えば、うまくできない選手に対して「なぜできないんだ！」と叱るのではなく、「どうすればできるようになるかな？」と一緒に考える。
これがコーチングの基本的な考え方です。
②指導者が知るべき唯一の判断基準
コーチングで最も大切なのは、「その関わり方が選手にとってプラスになっているか」という判断基準です。
いくら正しいことを言っていても、選手が萎縮してしまったり、やる気をなくしてしまったりしては意味がありません。
僕の現場では、選手の反応を常に見ながら関わり方を調整するようにしています。
選手の表情が明るくなったり、積極的にプレーするようになったりすれば、その関わり方は正解だと判断しています。
参考記事：ジュニアサッカー【コーチングの本質】指導者が知るべき唯一の判断基準
③選手の心にポジティブな影響を与える
コーチングの効果は、選手の行動や感情の変化に現れます。
効果的なコーチングができていれば、選手は以下のような反応を示すはずです。
・積極的にプレーするようになる
・失敗を恐れずにチャレンジする
・仲間と協力するようになる
・練習に前向きに取り組む
逆に、選手が萎縮したり、やる気をなくしたりしている場合は、関わり方を見直す必要があります。
参考記事：ジュニアサッカー【コーチングの基礎】指導者が知るべき7つの本質
2. 感情コントロールの基本を身につける
①「怒る」と「叱る」の違いを理解する
指導者にとって最も重要なスキルの一つが、感情コントロールです。
多くの指導者が混同しがちなのが、「怒る」と「叱る」の違いです。
・怒る：感情的になって自分の気持ちをぶつける
・叱る：選手の成長を願って建設的に指摘する
「怒る」は自分のためですが、「叱る」は選手のためです。
僕も以前は感情的になってしまうことがありましたが、この違いを意識するようになってから、選手との関係が大きく改善されました。
②感情的にならないための事前準備
感情的にならないためには、事前の準備が大切です。
僕が現場で実践している方法をいくつか紹介します。
・指導前に自分の感情状態をチェックする
・選手に伝えたいことを整理しておく
・深呼吸をして心を落ち着ける
・選手の立場に立って考える時間を作る
特に疲れている時や、他のことでイライラしている時は、より注意深く自分の感情を観察するようにしています。
③建設的な指摘の仕方
選手に何かを指摘する時は、以下のポイントを意識しています。
・具体的な行動について指摘する
・選手の人格を否定しない
・改善方法も一緒に伝える
・指摘した後は必ずフォローする
例えば、「君はダメだ」ではなく、「さっきのパスはもう少し強く出した方が良かったね。次はこうしてみよう」という具合です。
参考記事：ジュニアサッカー【怒ると叱るの違い】感情的にならない指導方法
3. 指導者としての基本マインドセットを確立する
①選手の可能性を信じる
指導者として最も大切なマインドセットは、「選手の可能性を信じる」ことです。
どんなに今うまくいかなくても、必ず成長できると信じることが重要です。
僕の経験上、指導者が選手の可能性を信じていると、選手もそれを感じ取って、より積極的に取り組むようになります。
逆に、「この子はダメだ」と思ってしまうと、それが態度に現れて、選手の成長を阻害してしまう可能性があります。
②長期的な視点を持つ
ジュニア年代の指導では、短期的な結果よりも長期的な成長を重視することが大切です。
今すぐに結果が出なくても、選手が将来成長するための土台を作ることを意識しています。
例えば、試合に勝つことよりも、選手がチャレンジする姿勢を身につけることの方が重要だと考えています。
③継続的な学習の姿勢
指導者として成長し続けるためには、常に学び続ける姿勢が必要です。
僕も今でも本を読んだり、他のコーチと情報交換をしたりして、新しい知識や技術を学ぶようにしています。
特に子どもの心理や発達について学ぶことで、より効果的な関わり方ができるようになったと感じています。
④自分自身を振り返る習慣
定期的に自分の指導を振り返ることも大切です。
僕は練習や試合の後に、以下のような質問を自分に問いかけています。
・今日の指導で良かった点は何か
・改善すべき点は何か
・選手はどんな反応を示していたか
・次回はどう改善するか
この振り返りによって、自分の指導がより良いものになっていくと感じています。
4. 基本的な関わり方の原則を学ぶ
①選手の話を聞く姿勢
効果的なコーチングの基本は、まず選手の話を聞くことです。
選手がどう感じているか、何を考えているかを理解することで、より適切な関わり方ができるようになります。
僕の場合、選手から相談される時でも、すぐにアドバイスするのではなく、まずはしっかりと話を聞くことを心がけています。
②一人ひとりを大切にする
チーム全体を指導する中でも、一人ひとりの選手を大切にする姿勢が重要です。
選手にはそれぞれ個性があり、同じ指導方法が全員に有効とは限りません。
できるだけ個別に話しかけたり、それぞれの良い点を見つけて伝えたりするようにしています。
③ポジティブな言葉を意識する
選手のやる気を引き出すためには、ポジティブな言葉かけが効果的です。
否定的な言葉よりも、前向きな言葉を使うことで、選手の心により良い影響を与えることができます。
例えば、「上手くできないな」ではなく、「もう少しで上手くなるよ」という具合です。
④一貫性のある関わり方
選手との信頼関係を築くためには、一貫性のある関わり方が重要です。
その時の気分によって接し方が変わってしまうと、選手は混乱してしまいます。
基本的な方針や価値観を明確にして、それに基づいて一貫して関わることを心がけています。
5. まとめ
この記事では、コーチングの基礎理解について解説しました。
・コーチングとは選手の成長を促すための関わり方
・「怒る」と「叱る」の違いを理解し、感情をコントロールする
・選手の可能性を信じる基本マインドセットを持つ
・選手一人ひとりを大切にする関わり方を実践する
学習のポイント
まず理解すべきこと
・コーチングの本質：選手の成長を促すこと
・判断基準：選手にとってプラスになっているか
・感情コントロール：「怒る」ではなく「叱る」
・基本マインドセット：選手の可能性を信じる
指導への活かし方
僕の現場では、これらのポイントを以下のように活かしています。
・選手の反応を常に観察する
・感情的にならないよう事前準備をする
・ポジティブな言葉かけを心がける
・一人ひとりの個性を尊重する
6. 理解度チェック
以下の質問に答えられるか確認してみましょう。
・コーチングとは何か説明できますか？
・「怒る」と「叱る」の違いを理解していますか？
・指導者として大切なマインドセットを挙げられますか？
・選手との基本的な関わり方を知っていますか？
・自分の感情をコントロールする方法を持っていますか？
・選手の可能性を信じることの重要性を理解していますか？
すべて答えられたら、次のレベルに進む準備ができています。（たぶん…）
コーチングの成功は、正しい基礎理解から始まります。
焦らず確実に理解を深めて、効果的なコーチングを目指してください！
7. 学習ステップ
推奨学習順序
・現在のレベル：基本概念の理解（←今ここ）
・次のレベル：基本的なコーチング技術の習得
・中級レベル：選手の心理と動機づけの理解
・上級レベル：チーム運営とシステム化
このガイドの内容を理解したら、次は具体的なコーチング技術について学習しましょう。
効果的な声かけや叱り方・褒め方など、実際の現場で使える技術を身につけることが次の目標です。
次のステップ
✅ [ジュニアサッカー【初級者】指導者向け：コーチングの基礎実践ガイド]
基本的なコーチング技術の具体的な方法について学習しましょう。
さらに上を目指すなら
📙 [ジュニアサッカー【中級者】指導者向け：コーチングの実践ガイド]
選手の心理と動機づけについて学習しましょう。
📕 [ジュニアサッカー【上級者】指導者向け：コーチングの応用ガイド]
チーム運営や高度なコーチング技術について学習しましょう。
