【少年サッカー指導】自分のスタイルと周囲の違い:どう向き合う?

こんにちは、講師のカズです。

読者の方から、こんなご質問をいただきました。

『少年団でコーチを始めました。周囲のベテランコーチたちは、相手のいないキックやトラップの反復練習ばかりで、戦術的な意図がありません。うまくいかないと選手のせいにすることもあります。カズさんはこういうコーチとどう付き合われましたか?自分でチームを作られたんですか?』

この質問、とても大事な視点だなと感じました。

要約すると、「自分が目指すサッカーと、現場の指導が違いすぎる。その中でどう動けばいいか?」という質問だと思います。

僕も若い頃、まさに同じようなことで悩みました。

自分なりに戦術的なトレーニングを学んで実践しようとしても、周りは「昔ながらの反復練習ばかり」。

「このままでいいのかな?」「自分の方が間違ってるのかな?」と、不安になったことを今でもよく覚えています。

でも、その“違和感”こそが、指導者として自分のスタイルを築く第一歩なかと思います。

この記事では、

・周囲の指導スタイルと自分の理想が違うときの向き合い方
・他人を変えようとせずに、自分の信念を実践する方法
・僕自身が、どうやってスタイルを確立してきたか

について、実体験を交えてお話しします。

この記事を読めば、「今感じている違和感は、前に進むヒントなんだ」と思えるようになると思います。

同じように悩む方にとって、少しでも参考になれば嬉しいです。ぜひ最後まで読んでみてください。

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1. 指導スタイルの違いと「文脈」

① 反復練習にも意図が必要

相手なしのキックやトラップの練習、いわゆるドリルトレーニング自体がダメではありません。

ただ、それが『何のためにやっているのか』が大事です。

僕もドリルトレーニングを全くやらない時期もあれば、逆に多めにやる時期もあります。すべては“文脈”次第です。

② 文脈とは「子どもの状況」

文脈とはつまり、子どもたちがどんな状況にあるか、チームがどんな状態で、どんな課題があるのか。

それを見て、必要なトレーニングを選ぶという考え方です。それがなければ、どんな練習も“意味のない作業”になってしまいます。

ちなみに『サッカー指導におけるコーチング』においても『文脈を読む』ことはメチャクチャ重要です。

深掘りしたい方は、下記の記事にて詳しく解説しています。

2. 僕が大切にしてきたスタンス

① 他人は変えられないから『自分を変える』

若い頃、スペインにサッカーコーチ留学した前後に、日本の育成現場に強い違和感を覚えた時期がありました。「このままでいいのか?」と。

だけど、他人を変えようとしてもうまくいかなかったです。そこで僕が選んだのは、“自分が変わること”でした。

② 自分の信念を貫く

「他のチームを変えることはできないけど、君のチームだけは変えられるよ」と言われたことがあります。それからは、それが僕の指針になりました。

たとえ周りが変わらなくても、自分の担当グループ、自分の指導は、自分で変えることができる。

それを積み重ねてきた結果、今があります。

③ 自由だったけど遠回りをした

僕は18歳から少年団でコーチを始めました。
若いスタッフしかいないチームだったので、自然と自分で考えてトライ&エラーを重ねる環境になったんです。

だから「最初から自由にできた」というのは運が良かったですね。

ただ、反対に言うと「何の指針もない状態」だったので、それはそれで大変ですね。

当時に良いお手本に触れることができれば、今の僕のように遠回りせずに済んだかもしれません。

3. 今、悩んでいるコーチの方へ

① 文脈のない練習に違和感を持つのは良いこと

それだけで、あなたは“次の世代”の指導者です。

今、違和感を持って悩んでいるその感覚は、未来の日本サッカーにとってとても価値があると思います。

② まずは自分のグループで信念を貫く

もしチーム全体の方針に従わなければならない場合でも、自分が担当するグループの中で「考えながらプレーする練習」「判断を伴う練習」を少しずつ取り入れても良いかもしれません。

それで成果が出れば、周りも変わる可能性があります。

③ ディスカッションとアウトプットの場を持とう

僕は常に仲間とサッカーの話をする機会に恵まれました。

今でも議論をするのが日常的な環境です。
議論を通して、自分の考えが整理され言語化される。

できるだけ、そのような場に身を置くことをお勧めします。 僕の経験では、真剣な議論が多いほど加速度的に成長できます。

まとめ

・相手なしの練習が悪いとは限らないが、文脈が必要
・他人は変えられない、自分の指導から変える
・違和感は重要。信念を持って続ける
・少しずつ自分の考えを試す
・議論・対話の場を大切にする

この記事では、「昔ながらの反復練習に違和感を持つ若手コーチが、現場でどう動くべきか」について僕の経験を交えて話しました。

今の感覚は、間違っていないと思います。

その信念を持って、自分を変化させ続けることが重要かと思います。

質問者さんのようなコーチの方が増えれば、きっとサッカーの指導現場は良くなっていくと思います!

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