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サッカー【エコロジカル・アプローチ】システム思考とセットで学ぶべき理由

こんにちは、講師のカズです。

エコロジカル・アプローチという言葉を聞いたことがある指導者の方は、最近増えてきていると思います。

学習効果が高く、選手の創造性を引き出せる指導法として注目されていますが、実は「エコロジカル・アプローチだけ」では本質的な部分が見えてこないという課題があります。

僕自身、この半年間エコロジカル・アプローチを実践してきて、自己組織化や創発といった驚くべき現象を何度も経験してきました。

しかし同時に、システム思考を理解していないと、なぜそれが起こるのか、どうすればもっと引き出せるのかが見えてこないということも痛感しています。

しかし、以下のような悩みを持つ指導者の方も多いのではないでしょうか。

・エコロジカル・アプローチに興味はあるが、何から学べばいいかわからない
・エコロジカル・アプローチを実践しているが、なぜうまくいくのか理屈が理解できていない
・システム思考という言葉は聞いたことがあるが、サッカー指導とどう関係するのかわからない

この記事では、エコロジカル・アプローチの実践的なメリットと、なぜシステム思考とセットで学ぶべきなのかについて詳しく解説します。

この記事を読めば、エコロジカル・アプローチをより深く理解でき、指導の質が格段に向上すると思いますので、最後までご覧ください。

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1. エコロジカル・アプローチの実践で得られる3つのメリット

①選手のプレーに創造性と独創性が生まれる

エコロジカル・アプローチを実践する最大のメリットは、選手のプレーに創造性と独創性が生まれることです。

僕が運営しているジュニアサッカー大学ラボでは、実際にエコロジカルアプローチを試した指導者の方から「今まで見たことがないようなプレーが出てきた」「驚きの発見があった」という声を多数いただいています。

従来のトップダウン型の指導では、指導者が想定した範囲内のプレーしか出てきません。

しかしエコロジカル・アプローチでは、選手自身が環境や制約の中で答えを見つけ出すため、指導者の想像を超えたプレーが生まれます。

これは自己組織化や創発と呼ばれる現象で、僕自身この半年間で何度もこうした瞬間に立ち会ってきました。

その感動は、指導者として本当に特別なものがあります。

②学習効果が高く、選手の成長が加速する

エコロジカル・アプローチについては、学習効果が高いという研究成果が出ています。

これは単なる理論ではなく、実際に立証されている事実です。

学習効果が高いということを考えれば、これは今までよりも優れた方法論であると言えます。

実際にやってみた指導者の方からも、「選手の成長スピードが明らかに違う」という報告をいただいています。

やってみないとわからない部分も多いですが、実践すればその効果を実感できるはずです。

③プレー以外の成長も同時に促進される

エコロジカル・アプローチの素晴らしいところは、選手のプレーが良くなるだけではないという点です。

マネジメント能力、動機付け、自主性、主体性といった部分もすごく良くなっていきます。

なぜこうしたことが起こるのか。

それは、エコロジカル・アプローチが運動学習理論でありながら、基本的には人の成長における基本的な構造を扱っているからです。

制約を設けたり、ルール設定をすることによって選手がステップアップしていく。

この基本的なからくりや仕組みは、サッカーだけでなく、チームマネジメント、組織マネジメント、学校のクラスマネジメントにも応用できます。

人間が成長するということ全般の基礎理論だと僕は思います。

2. エコロジカル・アプローチだけでは不十分な理由

①表面的な理解では真髄が見えてこない

ここで重要な話をします。エコロジカル・アプローチだけでは語れない部分があるということです。

それが何かというと、システム思考です。

エコロジカル・アプローチの実践方法を学んで、制約主導型の練習を取り入れることはできます。

しかし、なぜそれが効果的なのか、どういう時にどういう制約を設定すればいいのか、選手がうまくいかない時にどこに問題があるのか。

こうした本質的な部分は、システム思考を理解していないと見えてこないのです。

僕自身、システム思考を学んでから、エコロジカル・アプローチの理解が格段に深まりました。

それまで「なんとなくうまくいく」と感じていたことの理屈がわかり、指導のあり方が180度変わったと言っても過言ではありません。

②なぜうまくいくのかが説明できない

エコロジカル・アプローチを実践していて、選手に良い変化が起きた。

でも、なぜうまくいったのかを説明できない。
こうした経験はありませんか。

これは、システム思考的な視点が欠けているからです。

自己組織化がなぜ起こるのか、創発とはどういう仕組みなのか、レバレッジポイントはどこにあるのか。

こうした概念を理解していないと、再現性のある指導ができません。

うまくいった時は良いですが、うまくいかない時にどう修正すればいいのかがわからない。

これでは指導者として成長していくことが難しくなります。

③日本にサッカー指導者向けの教材がない

システム思考については、ドネラ・H・メドウズの『世界はシステムで動く』やピーター・M・ゼンゲの『学習する組織』など、優れた書籍が存在します。

しかし、これらは会社の組織やビジネスの文脈で書かれていて、理論が難しく、サッカーの育成やスポーツの指導においては、ちょっと難しすぎるというのが正直なところです。

システム思考はあらゆる組織作り、人間の成長に応用可能な考え方です。

しかし、サッカーにおけるシステム思考を解説した教材や書籍が日本にはありません。

だから僕は今、その教材を作っています。
※2025年10月リリース予定です。

3. システム思考を理解すると指導が変わる

①選手のミスの本質が見えてくる

システム思考を理解すると、選手のミスの見方が変わります。

例えば、選手がパスミスをしたとき、それは単なる技術の問題ではなく、「限定合理性」の問題であると捉えられるようになります。

限定合理性とは、すごく面白い概念です。

選手がミスをしたとき、それは選手が見えている範囲、理解している範囲の中では合理的な判断をしているということです。

つまり、問題は判断そのものではなく、選手の視野や理解の範囲が限定されていることにあります。

では、その限定合理性の問題をどうやって解決していくのか。

限定合理性の拡張が必要です。

その時にどういうコーチングをしないといけないのか。

こうした具体的な指導の方法まで、システム思考を理解していると見えてくるのです。

②レバレッジポイントが見つけられる

試合でうまくいかない、練習でうまくいかない、プレーがうまくいかない。

こうした時、システム思考を理解していると、「レバレッジポイント」を探すことができます。

レバレッジポイントとは、小さな変化で大きな効果を生み出すポイントのことです。

選手やチームの問題を解決しようとして、あれもこれも直そうとしても、なかなか改善しません。

しかし、レバレッジポイントを見つけて、そこにアプローチすることで、システム全体が良い方向に変化していきます。

このレバレッジポイントをどうやって探すのか、その時にどういうアプローチやコーチングをするべきか。

こうした実践的な話も、システム思考を理解していると明確になります。

③自己組織化と創発を意図的に引き出せる

エコロジカル・アプローチを実践していると、時々自己組織化や創発が起こります。

しかし、それが偶然なのか、必然なのかがわからない。

システム思考を理解すると、自己組織化と創発がどういう仕組みで起こるのかがわかります。

そして、それをどうやってサッカーに、育成に、マネジメントに落とし込むのか。

中央制御と自己組織化的なマネジメントのバランスはどうあるべきか。

ヒエラルキーがなぜ機能するのか。

こうした深い理解ができるようになります。

僕自身、今教材を作りながら、自分の指導を振り返って、「ああ、ここはこういう理屈だったんだ」「ここはこう変えなくちゃいけないな」と気づくことが多々あります。

④メンタルモデルを変えることができる

システム思考の中で、特に重要な概念が「メンタルモデル」です。

メンタルモデルとは、僕らが持っている思い込みや前提のことです。

選手にも、指導者にも、メンタルモデルがあります。

「サッカーはこうあるべきだ」「指導はこうするものだ」といった思い込みです。

このメンタルモデルが理解できると、僕らの指導の何が変わるのか。

選手のメンタルモデルをどう拡張していくのか。こうした深い指導ができるようになります。

僕が執筆している教材では、メンタルモデル、自己組織化と創発、レバレッジポイント、限定合理性など、システム思考の重要な概念を、サッカー指導に落とし込んで解説しています。

※全10巻で、1巻あたり1万5000字程度、書籍1冊分くらいのボリュームです。
それにスライドと動画解説をつけて提供する予定です。

⑤これからの時代のスタンダードになる

システム思考は、これからの時代のスタンダードになっていく、基礎知識になっていくと僕は確信しています。

もしかしたらエコロジカルアプローチと違う指導法が出てくるかもしれません。

しかし、そのベースに、根底にあるのは、やはりシステム思考だと思います。

ヨーロッパを見ても、個人にフォーカスした育成が増えてきています。

選手の創造性や独創性を引き出す。

そのためには、システム思考的な発想が不可欠です。

日本の街クラブやジュニアクラブ単位でも、そういった取り組みを行っていく必要がある時代のフェーズに入ってきました。

まとめ

この記事のポイントをまとめます。

・エコロジカル・アプローチには、創造性を引き出す、学習効果が高い、人間的な成長も促進するという3つの大きなメリットがある
・しかし、エコロジカルアプローチだけでは本質的な理解ができず、再現性のある指導が難しい
・システム思考を理解することで、なぜうまくいくのか、どこに問題があるのかが見えてくる
・限定合理性、レバレッジポイント、自己組織化、メンタルモデルなど、システム思考の概念を理解すると指導が変わる
・システム思考は、これからの時代のサッカー指導における基礎知識になっていく

この記事では、エコロジカル・アプローチとシステム思考をセットで学ぶべき理由について解説しました。

エコロジカルアプローチは本当に素晴らしい指導法です。

しかし、その真髄を理解し、自分のものにするためには、システム思考という土台が必要です。

両方を理解することで、指導のあり方は180度変わります。

今まで自分が何かうまくいかないなと思ったことの理屈がわかり、こういう問題が起きたときにどう考えたらうまくいくのかが見えてきます。

ぜひ皆さんの指導現場でも、エコロジカルアプローチとシステム思考を学び、実践してみてください!

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