少年サッカー【練習の目的が分からない】初心者コーチが最初に意識すること

こんにちは、講師のカズです。

サッカーコーチを始めたばかりだと、以下のように悩むことがあります。

・練習メニューの何を目的にしたらいいのか分からない
・練習の意味が曖昧で、このメニューでいいのか不安になる
・練習が将来の何につながっているか分からない

特に、ジュニア年代で指導を始めたばかりの初心者コーチにとっては、「練習の目的」や「ゴール設定」が難しく、 とりあえず本やネットで見つけたメニューをコピーしてやってみる…ということも多いと思います。

僕自身も、当然最初はそうでした。

でもやっているうちに、「この練習は何を良くするためのものなのか?」「子どもにどんな変化が起きたのか?」といった部分に自信が持てず、 目的が曖昧なまま練習を終えてしまう日々が続いていました。

この記事では、「練習の目的が分からない」「どうやって意味を持たせればいいの?」と悩む初心者コーチに向けて、 僕自身の経験をもとに、考え方のヒントをお伝えしていきます。

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1. 練習の目的がわからなかった頃の僕の話

① 最初は書籍から引っ張って練習をしていた

コーチ初心者の頃は、毎回の練習をどう構成すればいいのかも分からず、とにかく練習メニュー集や指導本を参考にしていました。

「これは1対1の練習らしい」「これが判断力に効くらしい」など、情報をそのまま使っていましたが、実際に子どもにやらせてみても、それがどんな効果を生むかが分かりませんでした。

② やってるうちに「意味あるのかな?」と感じ始めた

やっているうちに、「これは何の意味があるんだろう?」「どこにつながってるんだろう?」という疑問が出てきます。

でも当時は、それを検証する方法もなければ、練習後の振り返りの視点もありませんでした。

とにかく「やって終わり」になっていたと思います。

③ 子どもも楽しんでるのか分からず、手応えがなかった

やっている最中、なんとなく子どもたちのテンションが上がっていないな…という場面もありました。

でもその理由も分からず、ただ「この練習が合わなかったのかな」と思って別の練習に切り替える。

そんなサイクルを繰り返していたと思います。

2. 初心者コーチが「練習の目的が持てない」のは当たり前

① 成功体験がないから確信が持てない

そもそも、目的って「こういう練習をやれば、こういう変化が起きるはずだ」という『予測と確信』がベースになると思うんです。

でもコーチ初心者のうちは、その成功体験がありません。

「こうやったらこうなる」という道筋がないから、目的を立てようにも『自信』が持てない。

それは当然のことだと思います。

② 「こうすればこうなる」が分からない

練習と成長の因果関係が見えないと、何を狙えばいいのかも分からない。

「この練習をやったから上手くなった」と感じるまでには、ある程度の時間と回数が必要です。

特に、子どもが変化するのって1週間後じゃなくて1ヶ月後、1年後だったりします。

そのため、初心者コーチが「目的を持てない」のは、ごく自然なことです。

③ 少なくとも2〜3年経験して見えてくるものがある

僕自身、最初は全く考えずに指導していたので、今の指導者の方々より経験値を得るのが遅かったと思います。

3年目、4年くらいかかったような記憶が。

それでも、現在の初心者コーチの方でも2〜3年はどうしてもかかってしまうかもしれません。

僕は5年目くらいになってくると「あの時の練習が、今の成長につながってたんだな」と思える場面が増えました。

そうなると少しずつ、「今のこの子に必要なもの」「このメニューの目的ってこれだな」というのが見えるようになってきます。

コーチ1年目からできる人もいるかもしれませんが、ほとんど稀だと思います。

特に僕の場合、特にコーチとしてのセンスが良かったわけでは無いので、結構時間がかかりました。

3. では最初はどうすればいい?

① 「今日、こうなったらOK」くらいの目的でいい

たとえば「今日は1対1で“抜こうとする姿勢”が1回でも出たらOK」とか、「シュートを迷わず打てたらOK」みたいな感覚で十分です。

明確な成果じゃなくても、「良い変化があったかどうか」だけを見る。

最初はこのくらいの基準で良いと思います。

特に指導者1年目の場合は、半年後や一年後をイメージして、そこに繋げるのは不可能です。

② 子どもの様子をよく見る(表情・発言・手応え)

「できた!」「もう1回やりたい!」

そんな言葉が出たら、その練習は『目的を果たした』と捉えてもいいと思います。

練習の目的は、『何かを教える・伝えること』だけじゃなくて、「子どもが何かを感じ取ること」でもあります。

③ 練習後の空気感が『答え』になることもある

全員が汗だくで「もうちょっとやりたい!」という顔をしていたら、十分すぎる手応えです。

逆に「ふーん、終わった」みたいな雰囲気なら、練習の中の狙いが伝わっていなかったのかもしれません。

4. 僕が少しずつ意識するようになったこと

① 1回の練習で「1つだけ」意識するポイントを決める

あくまでも例ですが、『今日は「ボールを失わない」をテーマにしよう』。

そんなふうに、1つだけ狙いを決めて練習を進めると、自分の中でも「見るべきポイント」がはっきりしてきます。

最初はこの程度でOKです。

② 練習の最後に「今日はこれができたか?」と自分に問い直す

練習後に「伝えたかったことが、子どもたちに伝わったかな?」と振り返るだけでも、少しずつ目的意識が育ちます。

最初から答えは出なくても、自分で問いかけることが大切です。

③ 子どもに「どうだった?」と聞いてみるのもヒントになる

「今日の練習どうだった?」

「難しかった」「またやりたい」「シュートのとき迷わなかった」

そんな感想の中に、練習の意味がちゃんと届いていたかどうかのヒントがあることもあります。

5. まとめ

・コーチ初心者のうちは「目的を持てない」のは当たり前
・成功体験がないから、確信が持てないだけ
・最初は「今日これができたらOK」くらいの目的で大丈夫
・子どもの表情や発言、空気感を見ながら“手応え”を掴む
・少しずつ「見る目」と「振り返る目」が養われる

トレーニングの目的を持つことは、すごく難しそうに聞こえますが、最初は「問いかけること」ができるだけで十分だと思います。

「これって、何のためにやってるんだろう?」

その問いを持ち続けるだけで、コーチとしての感覚は確実に磨かれていきます。

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