自主練する子は伸びる?【少年サッカー・伸びる子の特徴・やらされ練習】

こんにちは、講師のカズです。

ジュニア年代のサッカー指導では、「練習量をどう考えるか」がとても大切かと思います。

ただ、「自主練をさせたほうがいいのか」「練習しすぎではないか」と、判断に迷うことがあるのではないでしょうか。

・練習日以外も自分でボールを蹴る子もいれば、まったく触らない子もいて、どう捉えればいいか分からない
・「日本は練習しすぎ」という話を聞くと、もっと練習を減らすべきか迷う
・いくつものスクールに通っている子が、本当に伸びているのか気になる

僕自身、スペインに留学していた頃に「日本は練習しすぎだ」と言われ、帰国後にトレーニング量を見直した経験があります。

その中で、自主練と練習量について自分なりに考えるようになりました。

この記事では、日本の子どもの「練習好き」をどう捉えるか、自主練とトレーニングの違い、そして自主練する子が伸びる理由について解説します。

この記事を読めば、練習量に対する迷いが整理され、子どもたちの自主練との向き合い方が見えてくると思いますので、最後までご覧ください。

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1. 日本の子どもが「練習好き」なのは弱みではない

① 練習日以外もボールを蹴る、日本特有の文化

皆さんのチームの子どもたちは、練習日以外にも自分でボールを蹴っていますか。

休みの日に友達同士で集まって練習したり、お父さんお母さんと公園でボールを蹴ったり。

日本の子どもには、こうした自主練の文化が根づいていると感じることがあります。

僕も30年ほど指導をしてきましたが、小学生に限らず、中学生や高校生でも、主体的に練習する選手は多かったように思います。

② スペインで言われた「週3回90分で充分」

一方で、僕がスペインに留学していた頃には、「日本は練習しすぎだ」とよく言われました。

スペインでは、小学生なら1回80〜90分の練習を週2〜3回ほど。

グラウンドの都合もあると思いますが、その中で質の高いトレーニングを提供できれば、それ以外は練習しなくても充分だ、という考え方です。

僕も現地で「なるほど」と感じましたし、帰国してからは「日本の子は練習しすぎではないか」と思い、自分のクラブも週3回90分で充分だと考えていた時期があります。

③ どちらが正しいかではなく、文脈が違う

ただ、「週3回で充分」というスペインの考え方が、そのまま日本に当てはまるかというと、そうとも限らないと感じることがあります。

例えば夏休みに「7月8月は一切サッカーをしない」と伝えたら、日本の子どもたちはどう反応するでしょうか。

多くの子は「サッカーをしたい」と感じるように思います。

ヨーロッパにはバカンスの文化があり、それも一つの正解です。

ただ、それは文化的・歴史的な背景という文脈の違いから生まれたもので、どちらが正しい・間違っているという話ではないかと思います。

2. 自主練とトレーニングは分けて考える

① 内発的動機づけが高まっているサイン

週3回のトレーニングがあって、その上で「もっと練習したい」と感じている。

これは、内発的動機づけが高まっているサインだと考えています。
自分の内側から「もっと上手くなりたい」という気持ちが出ている状態です。

そういう選手が自主練に取り組むことは、止める必要はないと思いますし、むしろポジティブに評価できるかと思います。

② 「やらされている」自主練は注意が必要

反対に、注意したいケースもあります。

週3回練習をして、残りの2日間はいくつかのスクールに通っている。
子ども自身が「もっとやりたい」と通っているならいいのですが、保護者の方が「スクールに行きなさい」とやらせている場合は、少し気をつけたいところです。

選手が受け身になり、「やらされている」という感覚が強くなると、練習量が多い割に伸びにくいと感じることがあります。

③ 練習量とオーバーワークの見分け方

練習量は、多いか少ないかだけで判断しないほうがよいかと思います。

週2〜3回しか練習がないのに、練習日以外もまったくボールを蹴らないのであれば、内発的動機づけが高まっていない可能性があります。

逆に週4〜5回練習があって、その上でさらに毎日ボールを蹴っているのであれば、オーバーワークになっている可能性も考えられます。

同じ「自主練」でも、その子の状態によって意味が変わってくるかと思います。

3. 自主練する子が伸びる理由

① 試行錯誤と創意工夫が生まれる

興味や関心がサッカーに向いている状態で自主練に取り組むと、自分で試行錯誤しながら工夫することができます。

誰かに言われてやるのではなく、自分でやりたくて取り組むからこそ、その時間が質の高いものになりやすいと考えています。

だからこそ、自主練を自分から行える選手は伸びていくと感じることがあります。

毎日ボールを蹴る、毎朝練習するといったことも、こうした動機づけにもとづくものであれば、決して悪いことではないと思います。

② 日本の「練習好き」をストロングポイントにする

僕は長い間、「日本のサッカーは遅れている」「ヨーロッパを真似しなければいけない」と思っていました。

ただ、スペインは機能しているものを日本にそのまま持ち込んでも、うまくいかないことが多くありました。

練習量の話もそうですし、プレーモデルやコーチングの仕方も同じです。

そこで考えるようになったのが、日本とヨーロッパの「違い」を、優劣ではなくストロングポイントとして捉える、という視点です。

日本の子どもの「練習好き」も、その一つだと感じています。

ヨーロッパに合わせて無理に練習を減らすのではなく、その意欲をどう活かすかを考えることが、育成では大切かと思います。

まとめ

この記事のポイントを整理します。

・日本の子どもの「練習好き」は文化の違いであり、弱みではないと考えています
・自主練とトレーニングは分けて考え、内発的動機づけが高まっているかを見ます
・「やらされている」自主練や、練習量過多によるオーバーワークには注意します
・自分から取り組む自主練は試行錯誤を生み、選手が伸びる土台になると感じています

なお、この「日本の練習好きを、ヨーロッパと比べて劣ったものではなく、ストロングポイントとして捉える」という考え方は、練習量だけの話ではありません。

指導での声かけ、日本人の労働観、自然の捉え方、そしてエコロジカル・アプローチまで——いろいろな角度から「日本らしさ」とサッカー育成を捉え直す連載「ジャパンズウェイ再考」を、ジュニアサッカー大学Labで公開しています。

今回の練習量の話を、より深く、ほかのテーマともつなげて掘り下げています。興味を持っていただけたら、ぜひのぞいてみてください。

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