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保護者対応に悩むジュニアサッカー指導者へ【関係構築の秘訣】解説

こんにちは、講師のカズです。

ジュニア年代のサッカー指導では、子どもたちだけでなく保護者の方々との関係構築も重要な要素です。

しかし、保護者との関係で悩む指導者の方は多く、時にはトラブルに発展してしまうケースもあります。

僕自身も指導を始めた頃は、保護者の方々とのコミュニケーションに悩み、誤解を招いてしまった経験があります。

・保護者からのクレームや要望にどう対応すればいいかわからない
・ジュニアサッカーでの試合起用方法について理解してもらえない
・保護者との距離感が掴めない

この記事では、僕が長年の現場経験で学んだ保護者との良好な関係構築方法と、トラブルを未然に防ぐコミュニケーションのポイントについて詳しく解説します。

この記事を読めば、ジュニアサッカーの指導者として、保護者との信頼関係を築き、子どもたちにとって最適な環境を作ることができるようになると思いますので、最後までご覧ください。

Content

1. 保護者との関係構築の基本原則

①子どもが主役であることを忘れない

保護者との関係で最も重要なのは、「子どもが主役」であることを常に意識することです。

どんな判断も、どんなコミュニケーションも、子どもたちの成長を最優先に考える。

この基本姿勢が明確であれば、保護者の方々にも理解してもらいやすくなります。

重要なのは、子どもたちを公平に扱うこと、一人一人の成長のためにと言う目的に沿った行動をとること。

ここが全ての根幹です。

②透明性のあるコミュニケーション

指導方針や判断基準を明確にし、保護者の方々に分かりやすく伝えることも重要です。

曖昧な説明や隠し事は、疑心暗鬼を生み、トラブルの原因となります。

僕は常に「なぜそうするのか」の理由を説明するようにしています。

僕がいつも言っているのは「指導者は理にかなったことしかやってはいけない」という言葉。

指導者の発言、行動は全て「意味のあるもの」でなければなりません。

③一貫した価値観の共有

叱り方と褒め方の記事でも書いているように、指導者として一貫した価値観を持つことが重要です。

この価値観を保護者の方々にも理解してもらうことで、チーム全体の方向性が統一されます。

基準がブレたり、そもそもの根底にある考え方が整理されていなければ、現場で誤解を招くことにも繋がります。

2. 事前のトラブル防止策

①指導方針の明確化と共有

シーズン開始時や新規入会時に、指導方針を明確に伝えることも大切です。

以下は指導方針の例です。

僕が保護者に伝える主な内容(例)
・プロセス重視の評価基準
・人間性・規律を重視する姿勢
・試合での起用は練習態度を最重視すること
・結果よりも成長を大切にすること
・チームワークの重要性

これらは、あくまでも例として挙げていますが、クラブの考え方を明確にしておくは大切です。

これらを最初に共有することで、後々の誤解を防ぐことができます。

②定期的な情報発信

普段から定期的に情報を発信することで、指導陣が考えていることや思いを理解してもらうことができます。

効果的な情報発信の例:
・練習後の簡単な報告
・子どもたちの成長ポイントの共有
・今後の練習予定や重点項目の説明
・チーム全体の雰囲気や様子の報告

ただし、注意点があります。

ブログ上での発言と現場での立ち振る舞いが異なると、逆に不信感に繋がります。

あくまでも、普段の指導の中で伝えきれていないことを補う感じが良いかと思います。

③個別面談の機会設定

年に数回、希望する保護者の方との個別面談を行うのも良いかもしれません。

普段なかなか話せない内容や、お子さんの成長について詳しく話し合う機会を作ることで、相互理解が深まります。

ただ、指導者の方はなかなか忙しく時間が取れないケースも多いので、この辺はクラブとしてどうするかが重要ですね。

3. よくあるトラブルパターンと対処法

次に、よくあるトラブルパターンと対処法について。

ただし、現在僕は、ほとんどクレームを受けることがない(言いにくいだけかもしれない…)ので、こんな感じのクレームや意見があるかもという想像で解説します。

①試合での起用に関するクレーム

よくある保護者の声:
「うちの子がなぜ試合に出られないのか」
「レギュラーの基準が分からない」

そもそも、試合に出られないというのは僕のクラブではないのですが、以下に僕ならどう対処するかを書いておきます。

僕の対処法(例):
 まず、起用の基準を明確に説明します。
技術だけでなく、練習態度、チームワーク、成長意欲なども含めた総合的な判断であることを伝えます。
そして、その子の良い点と改善点を具体的に説明し、今後どうすれば起用の機会が増えるかをアドバイスします。

実際には、僕のクラブでは同じ学年で2チーム編成(AとBとか1stと2ndみたいな感じ)することはあります。

その時に、その選考の内容はまず選手に伝え、保護者の方から質問があれば対応、という形にしています。

ただし、その時に論理的で明白な答えを持って対応します。

②指導方法に対する疑問

よくある保護者の声:
「もっと厳しく指導してほしい」
「うちの子にはもっと優しく接してほしい」

こういった意見もあるかもしれません。

僕の場合は、保護者の方からこのように言われたからといって何かを変える、ということはありません。

基本的に自分自身の中でしっかりと理屈を整理しておくこと、これが重要です。

ただ、こう言う意見が来たらどう対応するかなと想像すると以下のようになります。

僕の対処法(例): 
指導方針の背景にある考え方を丁寧に説明します。
なぜその方法を採用しているのか、どんな効果を期待しているのかを具体例を交えて伝えます。

保護者の方に何かを言われて後手を踏むことが無いように、常に想定される質問や意見については常日頃から準備しておかなくてはいけませんね。

③他の子どもとの比較

よくある保護者の声:
「○○君の方が下手なのに、なぜうちの子より優遇されるのか」

これも僕は今まで言われたことがありませんが、あくまでも「こういうケースもあるかも」という想像で解説します。

僕の対処法(例):
他の子どもとの比較は一切行いません。
あくまでもその子自身の成長に焦点を当てて話します。

こんな感じでしょうか。

ただ、このような質問を口にする時点で、その保護者の方の人間性を疑ってしまいますね。

保護者の方に真摯に説明することは大切ですが、理不尽なこと、人としてどうなの?と思うような意見については、僕はバッサリ切り捨てます。

4. 効果的なコミュニケーション方法

①聞く姿勢を大切にする

保護者の方々が何を心配し、何を期待しているのかを理解するために、まずはしっかりと話を聞くことも重要です。

感情的になっている保護者の方に対しても、まずは気持ちを受け止めてから、冷静に対応します。

ただし、繰り返しますが、理不尽なこととか、常識の範囲を超えている、人間性を疑うような話に関しては、そもそも聞く必要はありません。

その段階で、クラブはそのような保護者の方を必要としていないし、クラブの価値観と大きくずれているからです。

その場合、どのように対応するかというと、言わずもがなです。

②論理的・具体的な事実を基に話す

常識的な範囲での相談や意見なら、しっかりと傾聴した後に論理的かつ具体的に話しましょう。

抽象的な説明ではなく、具体的な事実を基にして話すことで、理解してもらいやすくなります。

「練習態度が良くない」ではなく、「昨日の練習では、○○の場面でこういうことがありました」
といった具体的な例を示します。

ただし、保護者の方も「頭では分かっても感情的に」というケースもあるかもしれません。

ただ、そのような意見は公平性がなく、かつ自己中心的な側面もあるので、指導者として妥協してはいけません。

③子どもの良い点を積極的に伝える

問題点だけでなく、その子の良い点や成長している点を積極的に伝えることも大切です。

よくあるケースは「うちの子全然できなくて…」と本心か謙虚にかはわかりませんが、話されることもあります。

保護者の方々は、自分の子どもを認めてもらいたいという気持ちが強いので、良い点を伝えることで関係性が改善される可能性もあります。

ただし、本心で思っていないことを伝えてはいけません。

子どもへのコーチングと同じで、本心では思っていないことは見抜かれます。

④今後の方向性を示す

現状の説明だけでなく、「今後どうしていくか」の方向性を示すことも重要かなと思います。

保護者の方々が最も知りたいのは、子どもの将来についてです。

具体的な改善策や成長のためのアドバイスを提供すること、現在の不安を解消することも指導者の役目かもしれませんね。

5. 距離感の保ち方

①適切な距離感とは

ここが一番難しいかもしれませんが、僕の考えでは、保護者との距離感は、近すぎても遠すぎてもよくありません。

以下、その理由です。

近すぎる関係の問題:
・他の保護者から不公平に見える
・指導上の判断に影響する可能性
・プライベートな相談を受けることになる可能性

遠すぎる関係の問題:
・コミュニケーション不足でトラブルの原因となる
・子どもの状況を十分に把握できない
・信頼関係が築けない

この辺をどうするかは、クラブの考え方や指導者のキャラクターによります。

また、年齢が若い指導者の方は、保護者の方の方が年上のケースがほとんどなので、十分な配慮が必要です。

僕くらいの年齢やベテランになると、保護者の方との距離感をコントロールできますが、指導経験が浅い方や若い指導者の方は試行錯誤と経験が必要ですね。

②プロフェッショナルな関係性

僕が心がけているのは、「親しみやすいが、プロフェッショナルな関係性」です。

普段の会話では親しみやすく接しながらも、指導に関わる部分では明確な基準を持って対応します。

サッカー指導の専門家として、保護者の方の質問には全て答えることができる、くらいじゃないとという感じです。

そのために日々勉強ですね。

③公平性の確保

すべての保護者、すべての子どもに対して公平に接することが重要です。

特定の保護者だけに特別な情報を提供したり、特別な配慮をしたりすることは避けています。

だいたいこの辺をおろそかにした場合は、ロクなことが起きません。

6. 年代別の保護者対応

ここでは年代別の対応について解説します。
が、厳密に年代で考えるのではなく、選手のレベルや経験年数、モチベーションなども考慮します。

①低学年の保護者

低学年の保護者は、子どもがサッカーを楽しんでいるかどうかを最も気にされると思います。

重点的に伝える内容:
・子どもが楽しそうにプレーしている様子
・技術的な成長よりも、サッカーへの興味の変化
・友達との関係性の良さ
・安全面への配慮

この辺についてコミュケーションをとる方が良いと思います。

時々、サッカーの技術的な部分で熱心な保護者の方もいますが、長い目で見ることの重要性などを話すのも必要かもしれません。

②高学年の保護者

高学年になると、技術的な成長や将来への期待が高まります。

重点的に伝える内容:
・具体的な技術の成長ポイント
・戦術理解の向上
・リーダーシップの発揮
・中学生への準備状況
・人間教育の側面

これも一概には言えませんが、こんな感じでクラブの理念やコンセプトと合わせてコミュニケーションを取りましょう。

7. トラブルが発生した時の対処法

①冷静な対応

感情的な保護者に対しても、常に冷静を保ちます。

相手の感情に巻き込まれず、事実に基づいて冷静に対応することで、建設的な話し合いができます。

②時間をかけた説明

急いで解決しようとせず、時間をかけて丁寧に説明します。

一度の話し合いで解決しない場合は、複数回に分けて対応することもあります。

③第三者の同席

必要に応じて、他のスタッフやクラブの責任者に同席してもらうことも必要です。

特に自分の力だけではどうしようもない、不安だ、という場合は、他のスタッフにも同席してもらいましょう。

客観的な視点を取り入れることで、より公正な解決を図ることができる可能性があります。

④解決後のフォロー

トラブルが解決した後も、関係性の修復に努めます。

一度のトラブルで関係が完全に断絶することがないよう、継続的なコミュニケーションを心がけています。

⑤決裂するケース

クラブや指導者側に責任がある場合は、誠意を尽くす必要がありますが、それでも納得してもらえるかどうかはわかりません。

その際は、選手がクラブを去ることになりますが、指導者として必要なのは「二度とそのような問題を起こさない」と誓うことです。

どれだけ細心の注意を払ってもトラブルが起きる可能性はあります。

また反対に、理不尽なことや、クラブ・指導者が言われる筋合いのないトラブルに巻き込まれる可能性もあります。

その時は、毅然とした態度で。

まとめ

この記事のポイントをまとめておきます。

・子どもが主役であることを常に意識する
・透明性のあるコミュニケーションでトラブルを予防
・指導方針を明確に共有し、一貫した対応を行う
・聞く姿勢を大切にし、具体的な事実を基に話す
・適切な距離感を保ち、プロフェッショナルな関係性を築く
・年代に応じた保護者対応を行う
・トラブル発生時は冷静に対処し、継続的なフォローを行う

この記事では、保護者との良好な関係構築方法について解説しました。

子どもたちの成長を第一に考え、透明性のあるコミュニケーションを心がけることで、保護者との信頼関係を築くことができますので、皆さんの指導現場でも参考にしてみてください!

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