こんにちは、講師のカズです。
ジュニア年代のプレーでは、攻撃時にポジションを崩し過ぎてバランスが崩れるということがよくあります。
攻撃ではスペースを狙って動いたり、ポジションチェンジをするなどして守備ブロックを撹乱することは大切ですが、同時にポジションを崩しながらもバランスを取ることが重要です。
この記事では、ポジションチェンジを繰り返しながらも選手どうしのバランスを保つ、5対2のロンド(ポジションチェンジ付き)を紹介します。
少し難易度が高いので、難しい場合のレベルを落とした練習メニューも追記しておきます。
ポジションチェンジしながらパスコースを作り続けることで、守備側はマークや狙い目が難しくなります。
また、空いたスペースを埋めて攻撃時のバランスを保つだけでなく、スペースを作る・使う動きなどの基礎的な戦術力も上がるメニューです。
動画で解説
1.練習メニューの概要
●改善できること
・ポジションチェンジしながらバランスを保つ
・DFを混乱させるスペースの活用
・パスコースがない時の時間の作り方
●対象年齢:小学5年生以上
●人数:7人
●難易度:高い
2.オーガナイズ
【タイトル】
・5vs2のロンド(ポジションチェンジ付き)
【コートサイズ】
・15m×15m程度
(※現象が発生する割合で調整してください)
【進め方】
- 外側に4人、中央に1人の攻撃選手を配置してからボール回しを行う
- ボールホルダーはパスを出したら必ず自分がいるスペース以外の場所へ移動
- 他の選手は状況に合わせて空いたスペースへ移動する
- 攻撃側はポジションが被らないように移動を繰り返す
- パスコースがない場合、ドリブルで他のスペースへ侵入できる
- 守備側はボールを奪ったらコートの外へ持ち出せば攻守交代
【ノルマ】
・パスを出した選手は必ず他のスペースへ必ず移動する
【時間】
・15〜25min
以上が練習メニューのオーガナイズです。
3.練習メニューのテーマ
以下の3つの項目が練習メニューのテーマです。
【目的】
前進とボール保持
【ツール】
・戦術コンセプト
サポート、スペースの活用、オーバーラップ
・テクニックアクション
パス、運ぶドリブル、フェイント
【プレー原則】
設定なし
※練習メニューのテーマ作成について詳しく知りたい方は【練習テーマの設定方法】少年サッカー・レベル別に解説をご覧ください。
4.よくあるミスとキーファクター
では具体的なキーファクターを1つずつ見ていきましょう。
①ボールばかりを見てしまいポジションがかぶる
パスを受けよる意識が強く、味方の動きや空いたスペースを見落としてしまう現象。
この練習をすると、まずこのような問題がかなり起きます。
以下、改善のためのキーファクターです。
・ボールは間接視野におきながら常に味方の動きを見る
・ボールを見る→味方を見るを繰り返す
②味方がドリブルしてきたのにスペースに留まってしまう
味方がドリブルでDFから逃れようとした時に、スペースに留まってしまいポジションが重なる現象。
ドリブルから離れようとすると他の選手(E)と重なってしまいます。
・味方がドリブルで近づいてきたらオーバーラップでスペースを出る
・必ずボールホルダーの後方を通ること(内側だとDFに近いためスイッチが狙われやすい)
③味方がポジションについていないのにパスしてしまう
味方がポジションに着く前にパスを出してしまうと、パスの受け手は身体の向きが作れず外側を向いてしまいます。
結果としてライン側に追い込まれてボールを失ってしまいます。
・味方がポジションに着くまでのタメを作る
・フェイントとドリブルで相手のプレスを回避しながら時間を作る
・中央の選手とパス交換している間に時間を作る
④スペースを空けることに意識が働く
他にも選手の意識が本来の目的とかけ離れる、スペースを空けことが目的化してしまうという現象が起きます。
・パスしたらもう一度別のスペースで受け直すという意識を持つ
・受け直しの移動をすることで結果としてスペースが空く
5.追記:難しい場合の練習メニュー
先の練習メニューが難しい場合、同じコンセプトでできる少し難易度を落としたメニューも追記しておきます。
パスを出した後に必ず移動するのを中央の選手のみにします。
こうすると練習の難易度は下がりますが、同じコンセプトでトレーニングできますね。
6.まとめ
以下に要点を整理しておきます。
・攻撃時は動いて守備を撹乱することは大事ですが同時にポジションのバランスを保つことも大切
・ポジションチェンジしながらパスコースを作ることでDFはマークや狙い目が難しくなる
・この練習メニューが難しい場合は難易度を下げる
以上、この記事ではポジションチェンジを繰り返しながらバランスを保つ5対2のロンドを紹介しました。
少し難しい練習メニューですが、ぜひ試してみて下さい!