こんにちは、講師のカズです。
最近、僕がサッカーの指導と同じくらい、いや、もしかしたらそれ以上に時間を費やしていることがあります。
それが「AI」です。
特にChatGPTのような生成AIに触れる機会が、ここ数ヶ月で爆発的に増えました。
「サッカーコーチがなぜAIの話を?」と思われるかもしれません。
しかしこれからの時代、AIをどう活用するかは、僕たち指導者の成長や学びのあり方を根底から変える可能性を秘めていると、僕は強く感じています。
しかし、以下のような悩みを持つ指導者の方も多いのではないでしょうか。
・AIって何だか難しそうで、どこから手をつけていいか分からない。
・自分の指導現場で、具体的にどう活かせるのかイメージが湧かない。
・情報が多すぎて、結局何が重要なのか判断できない。
僕自身も最初は手探りでした。ですが、AIとの対話を繰り返す中で、単なる便利ツールとしてではない、その本質的な価値に気づかされる場面が何度もありました。
この記事では、僕がなぜ今AIに注目し、ジュニアサッカー大学で「AIクローン開発」まで進めているのか、その背景にある思想と、AIがもたらすであろう「新しい学びの形」についてお話しします。
この記事を読めば、AIに対する漠然としたイメージがクリアになり、指導者として成長するための新しいヒントが見つかると思いますので、ぜひ最後までご覧ください。
1. 僕がAI、特にChatGPTにハマっている理由

① 単なる「便利ツール」ではない
ChatGPTが登場して以来、多くの方がその便利さに驚いたと思います。
文章を作成したり、アイデアを出してもらったり。
もちろん僕もそういった使い方をしますが、僕が感じているAIの可能性は、その先にあります。
僕にとってAIは、答えをくれる機械ではなく、**「問いを一緒に育ててくれる相棒」**のような存在です。
例えば、僕がまだ言語化できていない漠然としたアイデアや感覚をAIに投げかけると、AIはそれを整理し、構造化するための「補助線」を引いてくれます。
この対話のプロセス自体が、僕の思考を深めてくれます。
② 思考を拡張してくれる「壁打ち相手」
指導者として活動していると、自分の考えを整理したり、新しい視点を得るために誰かと議論したくなる時があります。
でも、いつでも都合よく壁打ち相手が見つかるとは限りません。
AIは、まさに24時間365日付き合ってくれる最高の壁打ち相手です。
「この考え方、どう思う?」
「ここがイマイチ理解できないんだけど?」
こんな風に問いかけると、AIは様々な角度からフィードバックをくれます。
そのやり取りの中で、自分一人ではたどり着けなかった思考の領域に到達できることがあります。
これはまさに、自分の思考能力がAIによって拡張されていく感覚です。
これまで1年かかっていた思考の整理が3ヶ月で終わる、1週間悩んでいたアイデアが5分で形になる。それくらいのインパクトを、僕は日々感じています。
③ ジュニアサッカー大学「AIクローン」開発の裏側
そして今、僕はこの「思考の相棒」を、ジュニアサッカー大学の読者の皆さんにも届けたいと考え、「ジュニアサッカー大学AIクローン」の開発を進めています。
構想を始めたのが、2025年2〜3月頃。
かなり苦労しながら進めています。
これは、僕がこれまで発信してきたブログ記事やポッドキャスト、教材の内容をすべて学習させた、僕の分身のようなAIです。
この開発で一番苦労しているのが、単に情報をインプットするのではなく、僕の思考のクセや言葉の選び方、物事の捉え方まで含めて、AIが理解しやすいようにデータを整理し、構造化する作業です。
このフォーマット作りに数ヶ月を要しましたが、ようやく「これなら僕らしい対話ができる」という形が見えてきました。
なぜ、僕がここまでAIクローン開発にこだわるのか。
それは、次の章で話す「学びのあり方」を根本から変えたいという想いがあるからです。
2. AIが変える「学びのパラダイムシフト」

① 今までの学びの形:「講師→受講者」の一方通行
これまでの僕たちの学びは、どういう形だったでしょうか。
セミナーに参加する、本を読む、ライセンス講習会に行く。
これらは基本的に、講師や著者が用意した情報を、僕たちが一方的に受け取るという構造でした。
もちろん、その中には素晴らしい学びや発見があります。しかし、参加者全員が同じように満足できるわけではありません。
「この話は知っていたな」「自分の聞きたいこととは少し違ったな」と感じることも少なくなかったはずです。
僕たちは、膨大な情報の中から、自分に必要な知識を「探しに行く」必要がありました。
② これからの学びの形:「疑問→対話」のインタラクティブな学び
AI、特に自分専用にカスタマイズされたAIクローンが登場すると、この学びの構造が逆転すると僕は考えています。
つまり、漠然としたセミナーに参加するのではなく、まず自分の「悩み」や「疑問」からスタートする。
「うちのチーム、最近声が出ないんだけど、どうしたらいい?」
「ポゼッションはできるけど、フィニッシュの質が上がらない。何かヒントはない?」
こんな風にAIクローンに問いかけると、僕の過去の知見や思考パターンに基づいて、あなただけの解決策やアイデアを一緒に考えてくれます。
これは、学び手一人ひとりに最適化された、インタラクティブ(双方向)な学びの形です。
③ “わからないことが、わからない”がなくなる世界
指導者として成長しようとするとき、「何がわからないのかさえ、わからない」という壁にぶつかることがあります。
AIとの対話は、この壁を壊してくれます。
曖昧な問いを投げかけることで、自分の思考が整理され、「ああ、自分はここが分かっていなかったんだ」と自己認識を深めることができます。
情報や知識を探し回る時間がなくなり、自分の課題と向き合う時間に集中できる。
これは、学びのスピードと質を劇的に向上させる、まさに「パラダイムシフト」だと僕は確信しています。
3. サッカーコーチが今からできること

① まずはChatGPTに触れてみよう
もし、まだAIにあまり触れたことがないという方は、ぜひChatGPT(無料版はダメ)を使ってみてください。
※AIの精度は無料版と有料版では雲泥の差です。ほとんどの人が無料版で試してみてハルシネーションばっかり!と言って使わなくなります。これは本当にもったいないです。
難しく考える必要はありません。
普段、指導現場で感じている悩みや、考えていることを、そのまま話しかけてみるのがおすすめです。
「小学生にオフザボールの動きを教えるには、どう伝えたら分かりやすい?」
「練習の雰囲気がダラけてしまうんだけど、何か良い方法ある?」
こんな感じでいいかと思います。
完璧なプロンプト(指示文)なんて、最初は必要ありません。
まずはAIとの対話を楽しんでみることが第一歩です。
② 考えるのではなく「壁打ち相手」として使う
AIを「正解を教えてくれる先生」だと思うと、ハルシネーション(AIが嘘をつくこと)などが気になってしまうかもしれません。
そうではなく、**「自分の考えを整理してくれる壁打ち相手」**として使ってみてください。
AIの答えが100%正しくなくてもいいです。
その返答をきっかけに、「いや、そうじゃなくて…」「じゃあ、こういうことかな?」と自分の思考が深まっていくこと自体に価値があります。
③ 目的を持つとAIの活用は加速する
慣れてきたら、具体的な目的を持ってAIに指示を出してみましょう。
自分の仕事のことでもいいし、サッカーのことでも。
自分が何をしたいかが明確であればあるほど、AIは強力なアシスタントになってくれます。
僕自身、CanvaやGoogleのAIツールなど、複数の有料ツールも活用しながら、日々AIとの共創を楽しんでいます。
ちなみに、多分サッカーコーチとして初のAI関連の電子書籍も書いていますので、興味がある方はどうぞ。

まとめ
最後に、この記事の要点をまとめます。
・AIは単なる便利ツールではなく、思考を拡張してくれる「相棒」になる。
・これからの学びは、講師からの一方的な情報受信ではなく、個々の疑問から始まる「対話型」へとシフトしていく可能性がある。
・AIとの対話は、「わからないことが、わからない」という状態を解消し、学びのスピードと質を向上させる。
・まずはChatGPTに触れ、指導現場のリアルな悩みをぶつけてみることから始めよう。
AIの進化は、僕たち指導者のあり方、そしてサッカー界全体に大きな変化をもたらすはずです。
それは、仕事を奪われるといったネガティブなものではなく、むしろ一人ひとりの指導者が、より深く、より自分らしく成長できるチャンスだと僕は捉えています。
ジュニアサッカー大学のAIクローン開発も、その未来に向けた僕なりの挑戦です。
完成したら、ぜひ皆さんと一緒に、新しい学びの形を体験していけたら嬉しいです。