こんにちは、講師のカズです。
ジュニア年代で指導を始めたばかりの頃は、以下のような悩みがあると思います。
・練習って、どんなふうに組み立てればいいんだろう?
・毎回、どういう順番でやるのが正解なんだろう?」
僕自身も、指導を始めたばかりの頃は、練習の構成に迷っていました。
「とりあえずウォーミングアップして、あとは試合?」
「この練習、どうつながってるんだろう?」
そんなふうに手探り状態で進めていた記憶があります。
この記事では、初心者コーチの方に向けて、 サッカーのトレーニングの基本的な組み立て方を紹介していきます。
基本の考え方から、時間配分、柔軟なアレンジの仕方まで、 現場で実際に使える形でまとめていきますので、ぜひ参考にしてみてください。
1. 練習構成の基本は「流れ」を作ることから

サッカーの練習には、毎回「テーマ」や「重点ポイント」が違っても、 基本の流れ(構成)を持っておくことが大切です。
僕が普段使っている練習の基本構成は、以下のような5ステップです。
① 練習の基本5ステップ
1.コミュニケーションタイム(あいさつ・空気づくり)
2.ウォーミングアップ(モチベーションやテーマに合わせて)
3.トレーニング1(技術中心・シンプルな練習)
4.トレーニング2(少し複雑な内容・認知や判断も含む)
5.ゲーム形式・まとめ(試合形式でその日を振り返る)
大きな流れはこれで大丈夫です。
この5つを軸にしながら、日によって調整したり、 時間の長さや子どもの様子に応じて柔軟に変更したりしています。
2. それぞれのパートと時間配分の目安

時間はあくまで目安ですが、以下のようなイメージです。
セクション | 内容の目的 | 時間目安 |
---|---|---|
1. コミュニケーション | あいさつ・雰囲気づくり | 1〜2分 |
2. ウォーミングアップ | 鬼ごっこ/ストレッチ/テーマ導入 | 約10分 |
3. トレーニング1 | 技術中心の基本練習 | 10〜15分 |
4. トレーニング2 | 少し発展・判断力も必要な内容 | 10〜15分 |
5. ゲーム形式・まとめ | 試合形式で締める、楽しんで終わる | 15〜20分 |
特に大事なのは、「練習が進むにつれて、少しずつ難易度が上がる」こと。
練習が複雑なものから簡単なものになってもダメです。
いきなり複雑な練習を入れると、子どもがついてこられなかったり、 頭も体も準備できていないまま混乱してしまうことがあります。
3. ゲームで終わるのが理想。でも柔軟でOK

多くの練習では、最後にミニゲームや試合形式を入れて終わるのが王道です。
ゲームで終わると、子どもたちにとって「楽しかった」「やりきった感」が残りやすいです。
でも、ゲームで終わるかどうかはその日の「子どものモチベーション」や「環境」にもよります。
時間が足りなければ、ゲームを短縮したり、 最後の練習メニューを少しゲーム性のあるものにするだけでもOKです。
大切なのは、練習の“終わり方”に満足感や意味があることです。
4. よくある初心者コーチの疑問に答えます

Q1. 毎回、同じ流れでいいんですか?
→ 基本の流れは変えなくてOKです。
でも変えたほうがいいと思えば変えてもいいです。
『基本的な流れがあって、変化は自由』という感覚で大丈夫です。
Q2. テーマって毎回必要ですか?
→ 初心者のうちはテーマは難しく考えなくて大丈夫です。
それよりも「満足できたか」が大事。
ある程度、満足できる指導ができたきたら、テーマ性を持たせる、というイメージで問題ないかと思います。
最悪、テーマが薄まったり、キーファクターを伝えられなくても「最低限の運動量や満足感」があれば、ギリギリセーフです。
逆に「テーマを意識しすぎて」そもそもトレーニング自体が満足できる内容になっていないケースもよくあります。こっちの方がむしろ問題です。
Q3. どれくらい詰め込めばいい?
→ 1メニュー10〜15分が目安。練習時間(60分 or 90分)で数は変わります。
テーマも1日統一型でも、全部バラバラでもOKです。
Q4. このメニュー、意味あるのかな?
→ 最初は分からなくて当然ですし、意味あるのかなと思うことはしょっちゅうです。
ネットや書籍にある練習真似して試していく中で、少しずつ見えてきます。
Q5. 子どもが途中で飽きたら?
→ 簡単すぎ or 難しすぎだと、そもそも最初から楽しそうに・意欲的に取り組めません。
また、途中で飽きてきたなと感じたら以下の通りです。
1. メニューを発展させる
2.別バージョンを用意しておく
3.潔く切り上げる
どれでもOKです。
僕の場合、「これ、なんか違うな」と感じたらすぐに変更します。
重要なのは、焦らず対応できる準備が大事です。
5. まとめ
・練習の基本構成は「コミュニケーション → アップ → 練習 → ゲーム」
・難易度は少しずつ上げていくのがポイント
・時間がないときはパートを調整すればOK
・初心者の方は“テーマ”より“満足感”を大事に
・うまくいかないときも、焦らず観察と調整
最初は迷って当たり前です。
でも、基本の流れと子どもの反応を見る目を持っていれば、 練習は少しずつ、自信を持って組めるようになると思います!