【サポートの高さを学ぶ】『U-9でもできる』〜2対1の前進〜

今回は練習メニューの紹介です。

動画で見たい方はどうぞ。



味方がボールを持っている時に近くの選手は「サポート」(パスを受けるためにポジションをとる)しますが、いったいどれくらいの幅をとって、どれくらいの高さにポジションをとるのが適切でしょうか?

今回は僕の経験上U-9(小学3年生)くらいからできる『前進のためのサポートの幅と高さを意識』させるための『2対1』の練習メニューを紹介します。

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概要

1.練習メニュー

■トレーニングの説明

図のように2対1の状況で、攻撃チームの2人は1人の守備の選手をかわして前方で待っている選手どちらかにパス。

パスを出したほうが守備役になり再び2対1を行いそれを繰り返す。

パスを出さなかった方はそのままプレーせず列の後ろに並ぶ。

守備役がボールを奪った場合は後方のグループにパス。

パスが出るまでは奪い返しても良い。

■ノルマ(ルール)
特になし

2.目的・ツール・キーファクター

■目的:前進(11のサブフェーズ)
サッカーの基本構造【4つの局面と11のサブフェーズ】戦術の基礎

■ツール(目的達成のためのツール)

 【戦術コンセプト】
  ・(前進のための)サポート
  ・フィハール(FIjar)(敵を引きつける)

 【テクニックアクション】
  ・ドリブル(コンドゥクシオン)
  ・コントロールオリエンタード(方向付けしたコントロール)

■キーファクター(ツールを上手く使うコツ)

①サポートする選手はボールホルダーがプレスを受けていない時は敵のラインを超えたポジションをとる。

②ボールホルダーがプレスを受けている時はポジションを下げパスコースを確保する。
その際にコントロールオリエンタードで敵を超える。

③ボールホルダーは敵がドリブルのコースを切って来たらパスを優先する。

④パスコースを切って来たらConducciónで敵を超える。(Regateで勝負にならないように)

⑤ボールホルダーはパスする際には相手を惹きつける。

⑥ボールホルダーはパスをするふりをしてドリブルかドリブルするふりをしてパスかでフェイントを入れる

(※キーファクターは年齢やレベルによってこの他にも様々なものがあります。各自で考えましょう。)

目的の部分は『サッカーにおける11のサブフェーズ(チームアクション)」にある『攻撃』のフェーズにある「4つの局面」の中の「組織化された攻撃」に含まれる『前進』になります。

サッカーの基本構造【4つの局面と11のサブフェーズ】戦術の基礎

その目的を達成するために『ツール』である「戦術コンセプト」「テクニックアクション」を使い、それを成功させるためのコツが「キーファクター」になります。

3.対象年齢

経験上、選手のレベルやグループにもよりますがU-9(小学3年生)でも滞りなくできました。

ポジションの高さを意識することや、何となくサポートするのを改善したいといった意図を持ったサポートを行う『導入』にすると良いです。

また、高学年でもスペースを狭くしたり、オフサイドラインを設定するなど工夫すれば効果的な練習になります。

守備側が待っている選手にパスを出したら素早くプレスをかけるなどすればインテンシティも上がり、ハイプレスの中での素早い判断力もトレーニングできます。

4.この練習の問題点

『意図を持ったサポートの導入』としては良いが、状況を切り取り過ぎている感があります。

実際の試合ではサポートする選手がパスを受けた後にも他のDFがプレスをかけにくることや、ドリブルで超えた後にシュートや次のDFが来るなど複雑な現象が起きるのを省略しています。

少し工夫を加えることで難易度を調整できますが、戦術よりもテクニックアクションの方が強くなる傾向があります。

また、単純な動きのため選手によっては割とすぐに習得し、他の選手と難しく感じるレベルが異なると退屈になってしまいます。

5.まとめ

今回のメニューは「実践的」というよりは「意識の導入」として位置づけられます。これをベースに3対2などに発展させないと、実際に試合で使える戦術・テクニックには身につきません。

もし人数が多くなった時に「サポートの高さを調整するのを忘れてしまう」なら、一度カンタンな練習に戻すと良いと思います。

負荷やトレーニングの位置付けなどを意識して、上手く使いましょう。

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