ボールがない時何をする?ジュニアサッカー【オフザボールの動き】

こんにちは、講師のカズです。

小学生年代では、選手のポジション取りや動きに関して指導が難しく感じることがよくあります。
その中でもオフザボールの動き。

サッカーというスポーツにおけるボールを持っていない時の動き、すなわちオフザボールの動きはとても大事なポイントです。

この部分を観察すると子どもたちがサッカーをよりよく理解しているか、適切なプレーを意識的に行なっているかが分かります。

今回はジュニア年代から身につけておきたい「オフザボールの動き」について解説しています。

動画で解説

Content

オフザボールとは?

水色と黄色の選手のボールの奪い合い

オフザボールとはボールを持っていない状態


選手がボールを持っている状態をオンザボール、そしてその反対にあたるボールを持っていない状態がオフザボールです。

つまりボールを持っている選手以外は全てオフザボールの状態になります。


ジュニア年代の低学年・中学年くらいだと、どうしてもボールを持っている時にどのようなプレーができるかという部分のみにフォーカスしてしまいます。

しかし、年齢が上がるにつれオフザボールの動きの質の重要度は高まりますね。

サッカーというスポーツが11対11(ジュニア年代は8対8)といった人数に対してボールが1つ。

つまり試合中はほとんどの選手がボールを持っていない状態。

11人制で90分の試合でも一人当たりの選手がボールに触れている時間は2,3分ということも考えると、いかにオフザボールでの動きの質が重要かが分かります。

ボールから遠い選手は展開を予測し準備する

青い選手がクロス 赤がDF

ジュニア年代では特に、ボールから遠いサイドにいる時に選手が考えきれていない現象がよくあります。

例えば右のセンターバックが持っている時の左のフォワードや左サイドのボールがある時の右サイドの選手。

ボールから遠いポジションにいる時は直接的にパスを受けれる可能性が低いので、選手からすると何をしていいのか分からないといったことも多々あります。

このようなケースの場合にやらなければならないポイントは以下の2つです。

1.次の展開を予測すること
2.展開を予測しながら準備すること

自分にボールが渡る時にはどのような状態になりどのようなプレーが可能になるか?

事前に予測し、敵の状態を見てポジションを修正しながら準備し、いざパスが来るタイミングでアクションを起こします。

ボールに近い選手と遠い選手

ボールに近い選手はアクションを起こしやすい

赤い選手 シュート①

ボールから遠いサイドにいる選手とは反対に、ボールに近い選手はわりとアクションが起こしやすいです。

というか、アクションを反射で起こせるようにトレーニングしておく必要があります。

もちろんサポートやマークを外す動き、スペースへ抜ける動き、コンビネーションなど起こすアクションによってオフザボールの動きの質が関係します。

ボールに近い選手は一瞬のうちに判断を下すというか、反射で動けるようにしておく必要があります。

ボールから遠い選手は予測や準備の時間を確保できる


ボールに近い選手は反射的に動く必要があるのに対して、ボールから遠い選手は時間的に予測や準備といった考える時間を確保できます。

ジュニア年代のゲームを見ていると分かりますが、ボールに近い選手は何らかのアクションを自然と起こすのですが、遠い選手は「何も考えていない」状態が見られます。

この辺りの指導を行なっていくのも我々ジュニア年代の指導者の役割になります。

守備の局面におけるオフザボール

基本的に守備のフェーズを迎えているチームは全員がオフザボールの状態です。

ただし、ボールホルダーにアプローチしている選手は抜かれないようにすることやボールを奪うといった1対1の対応を行なっているのでそこまで考える要素は多くありません。

反対に遠いサイドの選手は攻撃のケースと同様に「直接的にプレーに関われない」ので、カバーリングや警戒、スペースを埋めるなど次の展開を予測しながらポジションを調整する必要があります。

そして展開を観察・予測しながら、いざ自分のいるエリアにボールが来た時にアクションを起こします。

指導現場でのコーチングの方法

オフザボールのコーチング

ジュニ年代における指導方法のポイントは以下の通りです。

1.コーチはボールサイドではないところに十分に目を向ける
2.ボールから遠いサイドにいる選手に何を考えておくかを提示する
3.選手に事前に声をかけ促しておく

例えば、ボールから遠いサイドの選手が準備できておらずパスを受けた時に良い状態を作れなかった場合、「事前に準備しなさい!」と結果論的に指摘をしても選手はなかなか上達しません。

そうではなく、「逆サイドにある時は〇〇を意識して準備しよう」「「〇〇にパスが入る時にはサイドに開いておくんだよ」といった、事前に考えることややるべきことを促しておくコーチングが効果的です。

このような声かけを最初は頻繁に行い、習慣化してくればあとはコーチが何も言わなくても事前に予測・準備するようになります。

オフザボールの細かな指導方法については下記を参考にどうぞ。
>>サッカー【オフザボールの教え方】2つの要素と3ステップ:基本解説

まとめ

最後に要点をまとめておきます。

・オフザボールとはボールを持っていない状態
・ボールを持っていない選手は全てオフザボールの状態
・ボールに近い選手はアクションを起こしやすい(要反射)
・ボールから遠い選手は予測や準備する時間を確保できる
・コーチングのポイント
 1.コーチはボールサイドではないところに十分に目を向ける
 2.ボールから遠いサイドにいる選手に何を考えておくかを提示する
 3.選手に事前に声をかけ促しておく

今回はジュニア年代から身につけておきたいオフザボールの動きの重要性とコーチング方法について解説しました。

オフザボールの動きは選手の経験値だけでなく戦術的な知識が必要です。
また、コーチの声かけの方法によって選手の成長が大きく変わりますので、ぜひ実際の指導現場で試してみて下さい!

よかったらシェアしてね!
Content
閉じる