こんにちは、講師のカズです。
ジュニア年代、特に低学年の選手たちに「パスをつなぐ意識」や「味方と協力する意識」を育むことは、サッカーの第一歩として非常に重要です。
しかし、以下の様な悩みを持つ指導者の方も多いのではないでしょうか。
・低学年にロンドはまだ早い?
・パスやサポートの基本をどう教えたらいい?
・選手がただ立っているだけになってしまう…
この記事では、そうした初期段階の指導に適した「3vs1ロンド」について、その狙いから具体的な進め方、コーチングのポイントまでを解説します。
この練習を通じて、選手たちの「ボールを保持する意識」や「味方との関わり方」を引き出すヒントをお伝えできればと思いますので、最後までご覧ください。
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動画で解説
1. 練習のオーガナイズと進め方
実際に「3対1ロンド」を行う際の準備や基本的なルールです。少しの工夫で効果が変わります。
① 概要
【コートサイズ・人数・時間】
◾️対象:U7
(Min_Age: 7)(Max_Age: 12)
◾️人数: 1グループ4人(攻撃3人、守備1人)
◾️コート: 5m × 5m 程度(選手のレベルや狙いに応じて調整)
◾️時間: 7分~10分 × 1セット(選手の集中力を見て調整)
◾️難易度:★☆☆☆☆
【基本的なルールと進め方】
①攻撃側3人は三角形を作るように配置します。
②守備者にボールを奪われないようパス交換してボールを保持します。
③守備者がボールを奪ったら攻守交代。
(奪った選手が攻撃側へ、最後にボールを触った攻撃側選手が守備へ)

② メモ:角を意識させる→サポートの動きが発生
特に何も指定しない状態だと、おそらくサポートの動きが出なくなります。
そのため、攻撃側がコートの角を意識してパスを受ける様にすると、自然と良い距離感と角度が生まれ、サポートという動きが生まれやすくなります。
低学年など「角」の認識が難しい場合は、マーカーでポイントを示すと良いかもしれません。

③ 備考
選手のレベルや目的に応じてタッチ制限を加えるのも効果的です。
2タッチ制限なら判断スピード、ダイレクトパス制限ならより高度な連携と予測を促せます。
フリータッチから始め、徐々に制限を加えるとスムーズです。
2. 「3vs1ロンド」練習の狙いと目的
この練習は、特に低学年の選手たちがサッカーの基本を楽しく学ぶための導入として非常に有効です。
主な狙いは以下の3点です。
① 低学年への「ロンド」導入として
いきなり複雑なルールでは選手が混乱しがちですが、3vs1というシンプルな人数設定は、初めてロンド形式の練習メニューに触れる選手にとって理解しやすく、取り組みやすいのが特徴です。
② 「パスを出す・もらう」味方との関係性を意識する
ボールを持っている選手と他の2人がどう協力すればボールを失わないかを考えさせます。
これにより、パスの意図や受けるための動きといった、基本的な味方との関わりを意識づけられます。
③ ボール保持とテクニックの基礎向上
主な目的は「ボール保持」。
3人で協力して守備者からボールを奪われないためには、正確なコントロール、パス、そして適切なサポートが求められ、これらの基礎技術向上に繋がります。
3. 指導のポイントとキーファクター
この練習メニューの効果を最大限に引き出すための、具体的な声かけやキーファクターです。
① 攻撃側のキーファクター
① パスを受ける際のコントロール:「遠い方の足で」
ボールホルダーに対して「遠い方の足のインサイド」でのコントロールを促します。
これにより、身体の向きを整え、次のプレーへスムーズに移行でき、視野も確保しやすくなります。
② パスを出した後の動き直し:「すぐにサポートへ」
パスを出した後に止まらず、2~3歩動き直して再びパスコース(パスライン)を作ることが重要です。
この練習は最初からパスコースがあるため、選手が動きを止めがちなので、常にサポートを意識させましょう。
③ パスラインがない時のドリブル:「運んでからパス」
無理にパスを通そうとせず、ドリブルでボールを運び、守備者を動かして新たなパスコースや時間を作り出す判断も大切です。
② 守備側のキーファクター
①パスカットよりもボールホルダーにプレスをかけてボールを奪う
最初はパスカットを狙うよりも、積極的にボールホルダーにプレスをかけてボールを奪い切る意識を。
②徐々に、パスカットとプレスの判断を行う
ある程度、ボールホルダーにアプローチできる様になったら、パスカットを狙いつつ間合いを詰める。
次の展開を予測してパスカットを狙う、などの判断を意識させる。
③ 指導のポイント
①守備のインテンシティ調整:「コーチが雰囲気を作る」
攻撃側のパスが簡単に回るなら、守備のプレッシャーが低い可能性があります。
コーチが声かけで守備強度を上げ、攻撃側により質の高いプレーを要求しましょう。
②「ただ立っているだけ」の状態を防ぐ
ボールに関わらない選手が出ないよう、「どうすればパスを受けられるか?」「味方がパスを出しやすい位置はどこか?」を常に考えさせ、積極的に関わる姿勢を引き出します。
まとめ
今回は、低学年から取り組める「3対1ロンド」について解説しました。
・シンプルな人数設定でロンドの導入に最適。
・味方との基本的な関係性(パスを出す・もらう)を学べる。
・敵がいる中での正確なパス、コントロールの向上に。
・遠い方の足でのコントロール、パス後の動き直しを意識させる。
・パスコースがなければドリブルで状況を変える判断も促す。
この練習を通じて、選手たちが「どうすればボールを奪われないか」「どうすれば味方と協力できるか」を考え始める良いきっかけになるはずです。
皆さんの指導現場でもぜひ試してみてください!
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