ジュニアサッカー【数的同数でもパスが回る】6対6のポゼッション

こんにちは、講師のカズです。

・ビルドアップ攻撃や、ポゼッションスタイルのサッカーをしたいけど上手くパスが回らない
・相手が前からプレスに来るとすぐにボールを失う
・そもそもどう指導して良いか分からない

ビルドアップ攻撃やポゼッションスタイルのサッカーを目指しているんだけど、うまくいかずに悩む指導者の方は多いかと思います。

実際に過去の僕も同じような悩みを抱えていました。

数的優位なトレーニングではパスが回るのだけど、いざ試合になったらパスがつながらない。
このような現象はよく起きます。

そこでオススメなのが数的同数のポゼッショントレーニングです。

この記事では、6対6のポゼッショントレーニングをベースに、 戦術と指導のポイントを解説していきます。

動画で解説

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1.練習メニューの概要

●改善できること
 ・チーム全体でのバランスの取り方
 ・モビリティを伴うボール保持
 ・パスコースがない時のテクニックスキル
●対象年齢:小学5年生くらいから
●人数:12人
●難易度:高

※ 人数によっては、5対5〜8対8でも大丈夫です。

2.オーガナイズ

【タイトル】6対6のポゼッション
【コートサイズ】30×30m程度
  ※現象が発生する割合で調整してください

【進め方】
・攻撃チームはボールを失わないように保持する
・守備チームがボールを奪ったら攻守交代
・ボールが外に出た場合は、コーチから再び配球してスタート

【ノルマ】
・ 特になし
【時間】
・15〜25分程度

3.トレーニングのポイント

①攻撃に移ったらスタートポジションを必ずとる

守備から攻撃へ移行したら、必ずスタートポジションを取るようにします。

僕の場合は選手に分かりやすく図のように、ボールホルダーに対して両サイド、中央、遠く、にポジションを取るよう促します。
これによってバランスが取れた配置になります。

この際、プレーの流れによっては中央が1枚でも構いません。

②フリーなら動く必要はない

先の図のように、攻撃側が常にフリーの状態でバスが回るのであれば、特に動く必要はありません。
しかし、重要なのはこの先です。

当然、守備側は同数であることから、マンツーマンもしくは遠いサイドを捨てて、2枚でプレスに来る可能性もあります。
そのため、ここからモビリティー(流動性)を伴うボール 保持を行う必要があります。

③ モビリティー発生のきっかけ

基本的にボールに近い選手(中央の選手が望ましい)が、パスコースを切られたり、マークをされたりした際に優先的に動き出します。

それに連動して、周囲の選手がポジションを動かします。

つまり、ボールホルダーに近い選手やチーム全体のモビリティーを発生させるきっかけになります。

僕の場合は、どこに動けと言う規定的な指導ではなく、まずは『マークされたらどこでもいいから、別の場所に移動 してパスをもらうようにしよう』 という感じで促します。

そうすると、動き出した選手とポジショニングが被る選手が出てくるので、その選手に別の場所へ移動するように促します。

④ サイドから中へ入る動き

状況によっては、中央の選手ではなく、サイドの選手が先に動き出すこともあります。
その際は図のようにサイド のパスコードを切られたら、中央へ移動して、そこでフリーならパスを受けることができます。

しかしマークがついてくる場合は、サイドに他の選手がパスコースを作らなければなりません。

また再度の選手が中央に入ってきた場合、最初に中央にポジションとっていた選手は、ポジションを動かして、次の展開を予測した準備を行わなければなりません。

⑤ 動きながら全体のバランスをとる

このように、数的同数のポゼッショントレーニングの場合は、必ずマンツーマンであったりパスコースがない状態が生まれます。

そこでポジションを動かすことによって、それに連動するモビリティーを伴うポゼッションを行うことができるようになります。

4.【重要】時間が作れるか?

このトレーニングを実際に行ってみると、次のような問題が生じます。

・ サポートする選手が動いている間に、ボールホルダーが奪われてしまう
・ サポートが間に合わない
・ ポジションを動かしたけど、パスコースが確保できない

このような現象に直面すると、どうしてもフリーマンやサーバーを入れた数的優位な練習メニューに変えたくなりますが、 ここで我慢が必要です。

なぜなら、 数的同数の練習でそのような問題が生じるということは、試合でも同じ問題が起きます。

そこで重要になるのは、個人のテクニックアクションである運ぶドリブルやコントロールでプレスを外すテクニックです。

基本的に個人で時間を作れる優位性があるからこそ、 周りの選手がサポートをやり直す時間やポジションを入れ替える時間ができます。 この一瞬時間を作れるテクニック、状況判断のスキルがないとボールは循環しません。

5. 指導のポイント

指導のポイントは、以下の通りです。

①ボールホルダーがパスコースの有無を判断できているかを観察する
②オフザボールの動きにフォーカスする
 1. ボールに近い選手が効果的なポジションへ移動できているか
 2. ボールから遠い選手が予測して準備ができているか?
③少々のミスは気にしない

①ボールホルダーがパスコースの有無を判断できているかを観察する

この練習を実際に行ってみると、ボールフォルダーが顔を上げずにイメージだけでパスを出していることがよくあります。

そうすると実際にはサポートの選手がマークをされている状態でパスカットをされるもしくはコントロール際を狙われ ボールを失います。

つまり、ボールホルダーがサポートしている選手の状況が見えていないと言う現象です。

そのため、顔を上げながら、周囲の状況を見てパスコースがあるのかないのかない場合は、どのように運ぶのかといった判断やテクニックスキルを発揮しているかを観察する必要があります。

②オフザボールの動きにフォーカスする

オブザボールには2種類の状態があるというのは、別記事で解説している通りです。


そこで、ボールホルダーに『近い選手』と『遠い選手』に分けて考えます。

1. ボールに近い選手が効果的なポジションへ移動できているか

最初は、ボールフォルダに近い選手が効果的なサポートのポジションへ動けないことがあります。

その際はいくつかのアイディアを提示しても良いかもしれません。
成功体験を通じて、いくつかの自分の中での得意なパターンが感覚的に掴めればOKです。

2. ボールから遠い選手が予測して準備ができているか?

ボールから遠い選手は当然ロングパスを受ける準備をしておかなければなりません。
と同時に再度や中央の選手が動いた後にその後の展開を予測し、自分が次どのポジションに入るべきかのイメージを持って準備をしておく必要があります。

この予測していないもしくは準備していない現象は、サポートが 遅れるという形で現れます。

指導のポイントとしては、次の展開を予測するために、何を考えておかなければならないか、どういった選択肢があるかといったことを事前に伝えておく必要があります。

この辺は、選手の頭の中を観察する必要があります。
興味がある方は、別記事も参考にしてみてください。

③少々のミスは気にしない

この練習を行うと、最初はどこに動いて良いかわからなかったり、動き出す選手の優先順位を間違ったりします。

また良いポジションに動いたのだけど、他の選手と被ってしまったり、もしくは味方が作ったスペースを埋めれないようなミスもよく起きます。

そのため、指導者はあまり細かいところに気を取られずに、全体を俯瞰して、少々のミスは気にしないといったスタンスが必要です。

その後改善の優先順位をつけ、1ずつ理解を促すと、チーム全体としてボールが循環するようになります。

6. まとめ

今回は6対6のポゼッションの練習メニューを紹介しました。 人数によっては、4対4から8対8など同数であればトレーニングできる内容です。

人数が増えると複雑性が増すので、指導者の方にとっては少し難しく感じるかもしれません。
重要なのは、全体のバランスのとれたポジショニングと、そこからの動き出し、 そして空いたスペースを埋めながら、バランスを取り続けることです。

皆さんの指導現場でもぜひ試してみてください!

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