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ビルドアップ vs ダイレクト【サッカーにおける2つの攻撃タイプ】使い分け

こんにちは、講師のカズです。

ジュニア年代のサッカー指導では、攻撃の組み立て方について多くの指導者の方が悩むと思います。

「パスサッカー」した方がいいのか、それとも「リスク回避のサッカー」か、はたまた「ドリブル主体のサッカー」。

しかし、基本的に攻撃の種類には大きく2つのタイプがある、ということはあまり知られていないかもしれません。

僕自身、過去にはこの基本的な分類を理解せずに、何となく「ビルドアップが良い」「パスサッカーをしよう」と指導していた時期がありました。

また、以下のような疑問を持つ指導者の方も多いのではないでしょうか。

・いつビルドアップを使って、いつロングボールを使えばいいの?
・なぜうちのチームはビルドアップがうまくいかないの?
・攻撃の種類ってどのくらいあるの?

この記事では、サッカーの攻撃における2つの基本タイプと、それぞれの使い分けについて詳しく解説します。

この記事を読めば、状況に応じた攻撃の選択ができるようになり、子どもたちにもわかりやすく攻撃を教えられるようになると思いますので、最後までご覧ください。

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1. サッカーの攻撃の種類:基本は2つだけ

①攻撃の基本分類

サッカーの攻撃は、複雑に見えますが実は以下の2つのタイプに分類されます。

1.ビルドアップ型の攻撃(Juego combinativo)
2.ダイレクト型の攻撃(Juego directo)

この分類はスペインサッカーの理論から来ており、どんなに複雑な攻撃の戦術も、この2つのどちらかに当てはまります。

②なぜ2つだけなのか

攻撃の本質は「相手ゴールにボールを運ぶ方法」です。

その方法は結局のところ、段階的に運ぶか(ビルドアップしながら)、一気に運ぶか(ダイレクト)しかありません。

僕が現場で感じるのは、この基本を理解していないと、結果として選手たちも混乱してしまうということです。

③日本での誤解

日本では「ビルドアップ=良いサッカー」「ロングボール=悪いサッカー」という固定観念がありますが、これは大きな誤解です。

どちらも状況に応じて使い分けるべき、価値のある攻撃方法です。

2. ビルドアップ攻撃の特徴と使いどころ

①ビルドアップ攻撃とは

ビルドアップ攻撃は、自陣の後方から短いパスを中心として段階的にボールを前進させる攻撃方法です。

スペインサッカーでは「Juego combinativo(フエゴ・コンビナティーボ)」と呼ばれ、パスワークとポゼッションを重視します。

ボールポゼッションを優先し、パスによるコンビネーション、スペースを作り出したり、相手をズラしたり。

いわゆる日本で言うところの「パスサッカー」とイメージしてもらっても大丈夫かと思います。

②ビルドアップ攻撃のメリット

・相手を動かしてスペースを作ることができる
・ボールをキープしながら前進できる
・相手のプレスが弱い時に有効
・チーム全体でボールに関わることができる

代表的なのはバルサやそれに類似するプレーモデルのサッカーですね。

③ビルドアップ攻撃が有効な場面

僕の現場での経験では、以下のような場面でビルドアップ攻撃が特に有効です。

・相手が引いて守っている時
・相手のプレスが組織化されていない時
・味方の個人技術が高い時

④ビルドアップ攻撃の注意点

一方で、ビルドアップ攻撃にはリスクもあります。

自陣での失敗は失点に直結しやすく、相手の激しいプレスには弱い面があります。

また、パス回しが目的になってしまい、前進への意識が薄れることもあるので注意が必要です。

3. ダイレクト攻撃の特徴と使いどころ

①ダイレクト攻撃とは

ダイレクト攻撃は、ロングボールや縦パスを使って相手ゴールに素早く迫る攻撃方法です。

スペインサッカーでは「Juego directo(フエゴ・ディレクト)」と呼ばれ、効率性とスピードを重視します。

※他にも、Juego Directは『前進の方法』と考えることもできます。

②ダイレクト攻撃のメリット

・自陣でリスクをかけずに攻撃できる
・相手のプレスを回避できる
・シンプルで選手に理解しやすい

ただし、自陣でのボールを失うリスク回避に重点を置いて、闇雲に前線にボールを掘り込んでも効果的な攻撃はできません。

③ダイレクト攻撃が有効な場面

現場での経験から、以下の場面でダイレクト攻撃が特に有効だと感じています:

・相手が高い位置でプレスをかけてくる時
・速攻のチャンスがある時
・味方に足の速い選手がいる時
・ビルドアップが詰まった時の切り替えとして

僕の場合は、基本的にビルドアップ攻撃が主体ですが、相手のプレスによって両方できるように指導しています。

④ダイレクト攻撃の注意点

ダイレクト攻撃は50:50のボールが多くなりがちで、セカンドボールの回収が重要になります。

また、技術的な精度が求められるため、ロングキックが苦手な選手には難しい場合があります。

ただし、これは一般的な評価であって、ジュニア年代では大きなメリットを得ることもできます。

なぜなら、年齢が下がれば下がるほど、また選手のレベルが低いうちは、ロングボールの処理をミスする可能性が高いからです。

4. 使い分けの判断基準と指導方法

①状況による使い分け

基本的には以下のように使い分けるのをお勧めします。

ビルドアップ攻撃を選ぶべき場面
 ・相手のプレスが弱い
 ・時間に余裕がある
 ・パスコースが豊富にある

ダイレクト攻撃を選ぶべき場面
 ・相手のプレスが激しい
 ・速攻のチャンスがある
 ・ビルドアップが詰まった

ただし、相手のプレスがきついからといってすぐにロングボールに切り替えるのではなく、しっかりと個人のスキルでプレスを剥がせるようにしておくのも育成年代では大切です。

②子どもたちへの落とし込み方

これは、あくまでも僕の戦術指導における段階です。

①最初にショートパスでのビルドアップ
②プレスがきつい中でも剥がせるスキル
③相手の出方を見てからの使い分け

基本的に、低・中学年生ではロングボールが蹴れない選手が多いため、高学年になってロングキックの精度が上がってきたらショートパスを入れるふりをしてロングボールで一気に裏を取ることなども指導します。

③練習での取り入れ方

僕がよくやる高学年生にお勧めの練習メニューを紹介しておきます。

まとめ

最後に、この記事のポイントをまとめておきます。

・サッカーの攻撃はビルドアップ攻撃とダイレクト攻撃の2種類がある
・どちらも価値のある攻撃方法で、状況に応じて使い分けが重要
・ビルドアップ攻撃は相手が引いている時、ダイレクト攻撃は相手がプレスしてくる時に有効

この記事では、サッカーの2つの攻撃タイプとその使い分けについて解説しました。

固定観念にとらわれず、状況に応じた柔軟な攻撃選択ができるよう、皆さんの指導現場でも試してみてください!

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