こんにちは、講師のカズです。
ジュニア年代のサッカー指導では、ボール保持時のサポートの質を高めることがとても重要です。
しかし、ただ「サポートしろ!」と言うだけでは、子どもたちは具体的にどう動けば良いのか理解しにくいことがあります。
しかし、以下のような悩みを持つ指導者の方も多いのではないでしょうか。
・選手がボールホルダーに対して、どこにサポートに入れば良いか分からない。
・数的優位の状況でも、うまくパスコースを作り出せない。
・常に外に開くだけで、ギャップを有効に使ったサポートができない。
僕自身、過去には選手たちが意図のあるサポートをなかなかできず、ボールを失ってしまう場面を何度も見てきました。
この記事では、3vs2のロンド形式の練習を通じて、選手たちが守備の状況を見ながら内外を使い分け、効果的なサポートができるようになるための具体的な練習方法と指導ポイントを詳しく解説します。
この記事を読めば、選手たちのサポートの質が向上し、チームとしてのボール保持能力も格段にアップすると思いますので、最後までご覧ください。
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動画で解説
1. 練習の進め方とオーガナイズ
①概要
【コートサイズ・人数・時間】
◾️対象:U8
(Min_Age: 8)(Max_Age: 12)
◾️人数: 5人 (攻撃3人、守備2人)
◾️コート: 5m × 5m 程度(選手のレベルや狙いに応じて調整)
◾️時間: 10分 (選手の集中力を見て調整)
◾️難易度:★★☆☆☆
【基本的なルールと進め方】
①攻撃側(3人)はグリッド内でボールを保持します。 ②守備側(2人)はボールを奪ったら攻守交代となります。
アレンジ:
守備側がボールを奪ったら、グリッドの外側にドリブルで持ち出すか、グリッドの外で待つ味方にパスを出したら攻守交代とすることで、プレーの連続性を高めることができます。

②メモ:守備選手への配慮
もし、一人の守備者が長く守備を続けるような状況になった場合は、ボールを奪った選手と交代するのではなく、長く守備をしていた選手が攻撃側に回るように配慮しましょう。
これにより、特定の選手に負荷が偏るのを防ぎ、全員がトレーニングに参加しやすくなります。
③備考:あまり推奨しませんが…
選手のレベルや練習の目的に応じて、タッチ数制限(例:ツータッチ以内など)を設けることも可能です。
これにより、判断のスピードアップや、より早いテンポでのパス交換を促すことができます。
しかし、僕はあまり推奨しません。多分、サポートを待つタメの時間が作れません。(パスが雑になる)
2. 練習の狙いと目的
この練習の主な狙いは以下の通りです。
①守備の選手のポジショニングやプレスの状況を観察し、ボールホルダーに対して外側や内側(ギャップ)を効果的に使い分けながらサポートする意識を高めること。
②常に開いた状態でパスを受けるだけでなく、状況に応じて中央のギャップに顔を出し、より有利な状況を作り出す動きを身につけること。
③例えば、3-3-1のフォーメーションのように、サイドの選手が縦関係になる場合、味方との距離感や角度を意識し、状況に応じたサポートができるようになるためのイメージを養うこと。
トレーニングの目的
ボール保持能力の向上
トレーニングで養われる主な要素
テクニック: パス、コントロール、運ぶドリブル
戦術: サポートの質、状況に応じたポジショニング(オーバーラップの意識も含む)
3. 指導のポイントとキーファクター
この練習を効果的に行うための指導ポイントと、選手に意識させたいキーファクターは以下の通りです。
① 攻撃側(ボール保持者)のキーファクター
①攻撃側のサポートする選手は、DFの状態を見て、外側・内側(ギャップ) でサポートする:
守備の選手がどこにいるのか、どちらからプレッシャーをかけてきているのかをよく見て、安全なパスコース、あるいは相手にとって嫌なパスコースを常に作り出すことを意識させます。
②サポートがポジションに入る前にパスを入れると身体の向きが作れないので、時間 (タメ)を作ってからパスを出す:
ボールホルダーは、味方が良いサポートポジションに入るための「時間」を作ることも重要です。
焦ってパスを出すのではなく、ドリブルで少しキープしたり、相手を引きつけたりすることで、サポートの選手が良い準備をする時間を与えましょう。
③ボールホルダーが自分のいるスペースにドリブルしてきた場合は、離れるかオーバーラップでスペースを空ける
サポートの選手は、ボールホルダーの動きに合わせて自分のポジションを調整する意識が必要です。
ドリブルで近づいてきたら、スペースを譲るために離れたり、あるいは追い越す動き(オーバーラップ)で新たなパスコースや選択肢を作り出すことが求められます。
② 守備側(ボール奪取者)のキーファクター
①守備側は、アプローチの選手はパスカットではなく、奪いに行く:
守備の選手は、ただパスコースを切るだけでなく、積極的にボールを奪いに行く意識を持つことが大切です。
②後方のDFはギャップを閉じながらサイドヘパスを出させてから狙う:
もう一人の守備者は、中央の危険なスペース(ギャップ)をケアしつつ、攻撃側をサイドに追い込み、限定されたエリアでボールを奪うことを狙いましょう。
③ 指導のポイント
このトレーニングの初期段階では、攻撃側の選手が外に開いたまま動かず、結果としてパスコースが限定されてしまうことがあります。
そのような場合は、「外だけでなく、中のスペース(ギャップ)も意識しよう」「DFの間に入っていく動きも有効だよ」といった声かけで、「外・中」を使い分ける意識を促しましょう。
プレッシャーを感じると、選手は焦って早くパスを出そうとしがちです。
しかし、それではサポートの選手が準備する時間がなく、質の高いサポートは生まれません。
「慌てずにボールを持とう」「相手の動きをしっかり見てから判断しよう」といった声かけで、「ボールを持つ意識」を高めることが大切です。
まとめ
この練習メニューを通じて、選手たちは以下のようなことを学ぶことができると思います。
・守備の状況に応じたサポートの使い分け
・ギャップを意識した動き出し
・ボールホルダーとサポート選手の連携
・数的優位を活かしたボール保持
この記事では、3vs2のロンド形式でのサポートの質を高める練習について解説しました。
数的優位の状況を意図的に作り出し、その中で選手たちに判断と実行を繰り返させることで、実戦に生きるサポート能力が養われます。
皆さんの指導現場でも試してみてください!
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