こんにちは、講師のカズです。
ジュニア年代のサッカー指導では、「前進するためのボール保持」というテーマがとても重要になってきます。
特にU-9〜10くらいの年代になると、少しずつグループでの関わりを意識させたい時期ですよね。
しかし、以下のような悩みを持つ指導者の方も多いのではないでしょうか。
・ボールは持てるけど、なかなか前に進めない…
・サポートの質やタイミングが悪く、効果的なパスコースが作れない…
・テクニックはあるはずなのに、試合になると判断が伴わない…
僕自身、過去の指導で「どうすれば選手たちが意図を持ってボールを動かし、ゴールに向かえるようになるのか」と試行錯誤を繰り返してきました。
この記事では、U-9年代向けの具体的な練習メニュー「2vs1+2vs1ロンド(方向あり)」を通じて、前進するためのボール保持に必要なテクニックと戦術、そしてそれを養うための指導ポイントを詳しく解説します。
この記事を読めば、選手たちのコントロールオリエンタードや運ぶドリブルの質が向上し、より効果的なサポートができるようになると思いますので、最後までご覧ください。
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動画で解説
1. 練習の進め方とオーガナイズ
まずは、この「2vs1+2vs1ロンド(方向あり)」の練習の進め方とオーガナイズについて説明します。
① 概要
【コートサイズ・人数・時間】
◾️対象:U9
(Min_Age: 9)(Max_Age: 12)
◾️人数: 1グループ5人(攻撃2人+フリーマン1人 vs 守備2人)
◾️コート: 10m × 12m 程度
(選手のレベルや狙いに応じて調整)
◾️時間: 15分
◾️難易度:★★★☆☆
【基本的なルールと進め方】
①コートを2つに分け、攻撃側の選手は、各コートに2人ずつ、守備側の選手は、1つのコートに1人のみ。
②両者とも中央のラインを超えて隣のコーチには入れない。
③攻撃側は、2つのコートを使いながらボールを保持し、相手のプレッシャーを回避しながら前進(もう一方のコートへのパス)を目指します。

② メモ
コートサイズの設定は非常に重要です。狭すぎると攻撃側が窮屈になり、広すぎると守備側のプレッシャーがかかりにくく、狙いたい現象(コントロールオリエンタードや運ぶドリブルでの前進、サポートの質)が発生しにくくなります。 選手のレベルや状況を見ながら、意図したプレーが出るように調整してください。
③備考
この練習では、守備側には特に制限を設けません。
自由にプレッシャーをかけさせてください。
もし守備側がなかなかボールを奪えない状況が続くようであれば、コートのサイズを少し狭くしたりしても良いです。
ただし、まずは攻撃側のプレーにフォーカスし、キーファクターを意識させることが大切です。
2. 練習の狙いと目的
この練習メニューを通じて、選手たちにどのようなスキルを身につけてほしいのか、その狙いと目的を明確にしておきましょう。
①例えばDFがCB(センターバック)、FW(フォワード)のプレスに対して全体でフェイントをかけるイメージ
②フェイントで相手を動かし、運ぶドリブルで相手のラインを超える
③また味方の「運ぶドリブル」のタイミングに合わせて中盤の選手がサポートするイメージ
トレーニングの目的
前進とボール保持
トレーニングで養われる主な要素
テクニック: パス、コントロールオリエンタード、運ぶドリブル
戦術: サポート
この練習は、単にボールを回すだけでなく、相手を見て、状況を判断し、テクニックを効果的に使いながら「前進する」ことを強く意識させることが重要です。
3. 指導のポイントとキーファクター
選手たちがこの練習の意図を理解し、効果的にプレーできるようになるためには、指導者からの的確な声かけやキーファクターの提示が不可欠です。
① ボールホルダー(DFラインの選手をイメージ)
①常に斜めの体の向きを作り(味方へのパス方向)、フェイント(パスを出すフリなど)を使って相手DFを動かしてから、運ぶドリブルでスペースへ侵入しましょう。
②相手DFが両方のパスコースを切ってきた場合は、無理にパスを選択せず、コントロールオリエンタードで相手DFの逆を取り、ラインを突破することを意識させます。 DFラインを超えるパスを出すフリをしてDFを動かすことも有効です。
②もう一方のコートにいる選手(MFの選手をイメージ)
①ボールホルダーと同じコート内にいる相手DFの動きを常に観察し、ボールホルダーを助けるためのサポートの準備をします。
②具体的には、ボールホルダーと同サイドにいる場合は少し距離を取ってパスコースを作り(離れる動き)、逆サイドにいる場合はボールホルダーに近づいてサポートする意識を持ちましょう。
③ボールホルダーがドリブルで運んでいる状況では、そのドリブルのコースやスピードに合わせて、自分がいつ、どこでパスを受けるべきかを判断し、動き出すタイミングを計ります。
③指導のポイント
①「DFラインを超える(相手選手を置き去りにする)」という現象が起きたら、そこを褒め、意図的にコート全体の状況を認知(ルックアップ)することを促します。
②なぜ「DFラインを超える」プレーが重要なのか、それがどう次の展開に繋がるのかを丁寧に説明し、選手たちの理解を深めます。
③ボールを持っていない選手(オフザボールの選手)が、常に次のプレーを予測し、適切なタイミングで動き出す準備ができているかにも注目しましょう。 ボールホルダーだけでなく、周りの選手が連動することで、より質の高い前進が可能になります。
まとめ
今回は、U-9〜10年代向けの「2vs1+2vs1ロンド(方向あり)」という練習メニューについて、具体的な進め方や指導のポイントを解説しました。
・ボールを保持しながら「前進する」意識を高める。
・ントロールオリエンタードや運ぶドリブルといったテクニックを、判断を伴って発揮する。
・ボールホルダーだけでなく、周囲の選手も連動してサポートする。
・「DFラインを超える」プレーの重要性を理解し、次の展開を予測する。
この練習を通じて、選手たちが個々のテクニックとグループでの戦術理解を結びつけ、よりゴールを意識したプレーができるようになることを期待しています。
皆さんの指導現場でも、ぜひ試してみてください!
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