ジュニア年代【守備戦術】取り入れるべき理由とその効果

こんにちは、講師カズです。

この記事では「ジュニア年代から守備戦術を取り入れることの重要性」について解説します。

多くの指導者が攻撃スキルやボールテクニックに注力する一方、守備戦術に関しては後回しにされることが多いかなと思います。

しかし守備戦術を早期に教えることで、選手の成長やチーム全体のパフォーマンスが大きく変わります。

守備戦術は攻撃の起点にもなる重要なスキル。
この記事では、ジュニア年代で守備戦術を教えるメリットや、指導のポイントについて詳しく解説していきます。

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1. 守備戦術をジュニア年代で教える意義

守備戦術は、「約束事やルール」によって成り立つ要素が多いため、ジュニア年代の選手にとってもわかりやすく、習慣化しやすい特徴があります。

反対に攻撃面ではどうしてもクリエイティブさや即興性が求められるし、特にジュニア年代ではボールをテクニックに時間を割かなければなりません。
そのためトレーニングのウェイトは大きくなります。

しかし守備戦術はシンプルな約束事やルールをベースに指導できるため、早い段階で導入するのが理想的です。

守備戦術を教えることで、ジュニアユース年代へのスムーズな移行にもつながります。

2. 守備戦術を取り入れる3つのメリット

①攻撃への好影響
②不必要な失点を防ぐ
③能力差を縮める

①攻撃への好影響

「攻撃の問題は守備にあり、守備の問題は攻撃にある」

守備戦術を理解していると、攻撃面でもメリットがあります。

組織的な守備とは、できるだけ守備ブロックを崩さないようにプレイするため、選手のポジショニングや配置が大きく崩れる事はありません。

そのためボールを奪った後のポジショニングが整っており、切り替え後の攻撃の起点が作りやすくスムーズになります。

②不必要な失点を防ぐ

チーム全体の整理守備の組織を整えることで、不必要な失点を防ぎ、試合運びが安定します。

ジュニア年代の試合を分析していると攻撃側の崩しが上手かったり能力が高いので失点したように見えるケースでも、実は基本的な守備戦術を理解していれば、失点を防げる場面は多くあります。

③レベルの差を縮める

対戦相手が明らかに格上の場合は、個人の能力だけで守備を行うと即失点につながります。

しかし守備戦術がしっかりしていると、変な崩され方や失点を免れることができるため、不必要な失点を回避できます。

また、前述したように一方的に守備をさせられる状態にならず、暴露奪った後に保持する時間もできるので、ある程度能力差を埋めることができます。

3. 守備戦術を教えるステップ

僕の場合、守備戦術を教える際は、次のステップで行なっています。

①全体のデザインから始る
②小さなユニットで細部を教える
③ゲームで調整

①全体のデザインからはじめる

ざっくりとチーム全体のポジショニングや動きの連携を教え、選手に全体像を理解させます。
特段トレーニングで行うわけではなく、練習試合などでざっくりと伝えて、まずは全体のポジションバランスのイメージを掴んでもらいます。

②小さなユニットで細部を教える

2人組や3〜4人のユニットでのカバーリングやスライドをトレーニングします。

オブザボールにおけるボールに近いエリアの選手を対象としたトレーニングをメインに行います。

基本は3人組の関係性がトレーニングの中で理解できればで良いのではないでしょうか。
例えば3-3-1の場合、中盤とDFラインでも基本的な考えは同じです。

③ゲームで調整

ゲーム形式のトレーニングか練習試合などで調整します。

縦へのスライド、 ライン間での連携など、特段普段の練習でフォーカスできない部分を試合の中で調整します。
また、オブザボールにおけるボールから遠いエリアの選手の動き方などは、ゲームの中で指導する方が効率が良いです。

4. 日々のトレーニングで少しずつ取り組む

ジュニア年代では守備戦術が後回しにされがちですが、日常のトレーニングに少しずつ組み込むだけでも効果は大きいです。

例えば4対2のロンドでも攻撃メインのトレーニングに、守備の基礎を加えることで、自然と守備意識が高まります。

攻撃メインのトレーニングの場合、攻撃の要素を70〜80%守備の要素を20〜30%程度フォーカスしても良いでしょう。

僕の場合は、これくらいの割合で攻撃と守備のトレーニングを行っています。

ある程度年齢が高くなったり、理解できるレベルになったときに、守備メインのトレーニングを行い基礎を徹底します。

5. 気をつけるポイント

トレーニングや試合でのテーマで守備の要素が大きくなりすぎると、チーム全体が守備的になる傾向があります。

特に守備の戦術では、決まり事やチーム内のルール、個人のタスク設定に依存するため、指導者にとって細かなミスが気になってきます。

そこをあまりに細かく指導しすぎると、選手たちが「ミスしてはいけない」と言う意識が強くなりすぎて、プレイが守備的になりすぎたり、思い切ったプレイができなくなる可能性もあります。

要するに、プレイの躍動感がなくなり、インテンシティが下がります。

そうなると攻撃面でも悪影響が出ます。
とにかくミスをしてはいけないといったメンタルではなく、少々のミスを気にせずに、思い切ってプレイできる環境を作ることも指導者の役割ですね。

まとめ

・守備戦術はシンプルな約束事やルールをベースに指導できる
・守備戦術を教えることで、ジュニアユース年代へのスムーズな移行にもつながる
・3つのメリット
  1.攻撃への好影響
  2.不必要な失点を防ぐ
  3.能力差を縮める
・守備戦術を教えるステップ
  1.全体のデザインから始る
  2.小さなユニットで細部を教える
  3.試合で調整
・細かすぎると選手がミスを恐れるようになるので注意

守備戦術をジュニア年代で取り入れることで選手の技術・戦術理解を高め、チーム全体の力を底上げすることに繋がります。

全体像を把握し、細部を調整しながら、日常の練習で習慣化させましょう。

みんさんの現場でも、ぜひ試してみてください!

守備について基本的なことを学びたい方は読んでみてください。
ジュニア年代から守備戦術を教えることの重要性、基礎的な守備戦術の概念がわかります。

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