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サッカーにおける戦術の定義「戦術とは勝利のための知的アクション」

サッカーにおける戦術の定義「戦術とは勝利のための知的アクション」

ここ数年日本でも話題に上がる「サッカーの言語化」というキーワード。

これは「サッカーを言葉によって整理すること」であり、指導者にとってはスタッフ間、選手とのコミュニケーションの中で重要なツールになります。

今回は「サッカーにおける戦術」という言葉を定義し、それに関係する戦術というニュアンスを含んだ、様々な戦術をイメージさせる用語との関係を解説します。

論理的な思考や物事を言葉で理解するタイプの指導者の方にとっては、まずは「戦術とは何か?」といったテーマの理解を深めることで、その後の様々な問題が整理されてきます。

✔︎目次

①サッカーにおける戦術の定義

②戦術という言葉は日本サッカー界では大きな枠で捉えた方が良い

③戦術用語を整理することでサッカーが言語化される

④まとめ

⑤動画で解説

①サッカーにおける戦術の定義

サッカー戦術の定義


「戦術とは何か?」といったテーマを考える時にどのような言葉のイメージが浮かぶでしょうか?

チーム戦術やシステム、ビルドアップやラインコントロール、マークを外す動きやプレーモデル。

サッカーにおける戦術的な用語は多々ありますが、それらは全て正しく、そして全て不正確なものです。

厳密にいうとチーム戦術は「戦術」という言葉の中の一つの用語であって、プレーモデルもその中の一つの用語として位置付けられます。

もちろんサッカーには正解がないので自分なりに整理・定義する必要がありますが、一つずつを厳密に定義することで「サッカーが言語化」されてきます。

私の場合、戦術という言葉は次のように定義しています。

サッカーにおける戦術とは「試合に勝利するための個人・組織における知的活動」


ポイントは「知的活動」ということでインテリジェンスを含んだ全てのものを戦術であると包括しているのと、個人でも組織でも知性をともなったアクションは全て戦術であるとしているところです。

またサッカーというスポーツは大前提として「勝敗があり勝利を目指す」ことなので、点を取りゴールを守るという攻守において、全ての知的なアクションを包括しています。

つまり「戦術」という言葉の次にくる階層の中にシステムやプレーモデルなどをの言葉を位置付けることや関連する言葉をグルーピングすることで全体を整理しています。

ちなみにこの「戦術の定義」ですが、これは私の考えが正解ではなく、個人で自由に設定できるものです。

自分の中で他の用語との辻褄を合わせることができれば、矛盾が起きずにサッカーを言葉で整理することができます。

②戦術という言葉は日本サッカー界では大きな枠で捉えた方が良い

tactics①


これは私の持論ですが、日本のサッカー界において「戦術」という言葉は先の定義のように全体を包括する方が良いと考えています。

なぜなら戦術という言葉はかなり漠然と使われていて、もはや何か一つのものを指し示すことができない状態であるのと、そもそもこの言葉自体が大きな概念だからです。

また、その下の階層にくる言葉も整理していく必要があります。

言葉とはコミュニケーションのためのツールですから概念がぼやけると曖昧なままに伝わってしまい混乱してしまいます。

このようなケースが起きないためにも次の項で整理のポイントを解説します。

③戦術用語を整理することでサッカーが言語化される

サッカー戦術の定義

次にサッカーにおいての戦術という言葉のニュアンスを含んだ用語を私がどのように位置付けているか、いくつかの例をピックアップしてみます。

注記1.戦術用語とその他の用語
今回はサッカーにおける1つの側面である「戦術」に関する用語について解説しています。戦術以外にもテクニックアクションに関連するものやコーチングに関するものなどサッカー用語は多岐にわたります。

・攻撃 → 4つのフェーズの中の1つ

・守備 → 4つのフェーズの中の1つ

・トランジション → 4つのフェーズの中の1つ

・カウンター → 11のサブフェーズの1つ

・フィニッシュ → 11のサブフェーズの1つ

・サイド攻撃 → 11のサブフェーズの中の「前進 or フィニッシュ」における方法

・マークを外す動き → 攻撃の戦術アクション

・マーク → 守備の戦術アクション

・シュート → 攻撃のテクニックアクション(戦術用語ではない)

・身体の向き → キーファクター

・ルックアップ → キーファクター

・プレー原則 → プレーモデル

・システム → プレーモデル

・縦に速いサッカー → 攻撃のタイプ

・ポジショニング → スタートポジション or キーファクター

・基本戦術 → 存在しない

ざっと思いつくままにピックアップしましたが、左に位置する用語は右に含まれるものという位置付けで整理しています。

「存在しない」としているのは私のサッカー言語の中では使用しない言葉なのですが、これらは各監督・コーチの言葉の定義によって変わるものでもあります。

このように整理するとそれぞれの言葉が何を意味しており、他の言葉とどのような関わりがあるかが見えてきます。

そしてそれらをさらに細かく定義、グルーピングしていくことでサッカーを言葉でイメージできるようになります。

✔︎サッカーの全体像を理解する場合は『戦術を理解するサッカーの基本構造・4つの局面と11のサブフェーズ』の記事を参考にしてください。

④まとめ

今回はサッカーにおける戦術の定義について解説しました。

✔︎ポイント

・戦術の定義「サッカーにおける戦術とは試合に勝利するための個人・組織における知的活動」

・戦術という言葉は、戦術に関連する用語の包括的な位置付けにする方が良い

・戦術用語を整理することでサッカーを言葉でイメージできるようになる

戦術のみならずサッカーにおける用語のイメージは人それぞれ異なります。

自分の中でそれぞれの要素を位置づけることで、サッカーというスポーツが言葉の体型によって、よりクリアに見えてきますので、自分なりの考えを整理してみてください。

⑤動画で解説

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