8人制サッカー・フォーメーション【3-1-2-1】徹底解説

こんにちは、講師のカズです。

この記事では8人制サッカーにおけるフォーメーション3-1-2-1について解説します。

8人制サッカーにおけるフォーメーションにはいろんなものがありますが、基本的にそれぞれのフォーメーションにはメリットデメリットがあります。

今回紹介する3-1-2-1は、守備時には3-3-1と安定したブロックを作れるため比較的導入がしやすいフォーメーションです。
3-3-1のままでは攻撃が難しいな、バリエーションが欲しいという方はぜひ試してみてください!

この記事では、僕が実際に3-1-2-1を採用した際に感じたメリットデメリット、考え方などについて解説します。

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1.フォーメーション3-1-2-1の概要

基本的には図のような配置になります。
ポジション名は特に何でも良いですが、ポイントは両サイドハーフが中に絞ったポジションを取り、4つのラインを形成する部分になります。

①3-1-2-1の主な特徴

攻撃におけるポジショニングが4つのラインを形成することになります。
ディフェンス3枚に対してボランチ1枚そしてトップ下が2枚、その前にフォワードがいると言う形で4つのラインを形成することで、相手の守備のライン間にうまく入れる可能性があります。

また、守備ブロックが安定する。3-3-1のフォーメーションで攻撃がうまく機能しない場合は、可変式のフォーメーションである、3-3-1から3-1-2-1へ移行することで攻撃のバリエーションが改善されます。

②構造上持っている利点と改善が必要な部分

3-1-2-1の主な特徴を、そのフォーメーションが構造上持っている利点と改善しないといけない部分に分けると以下のようになります。

●構造上持っている利点
・初期設定のポジショニングにより、小さな三角形が多くできることによりパスコースが確保されやすい
・中央に厚みを持たせているため、相手守備ブロックの中央を崩しながら、サイドバックがオーバーラップすることによって、サイドをワイドに使うことができる

●改善しないと機能しない部分
可変式フォーメーションの特徴でもありますが、攻撃と守備時の切り替え時に素早くポジションを取る必要があります。

2.ビルドアップの考え方

①基本的な配置

基本的にセンターバックがゴールキーパーに対して正面に入るのではなく、斜めもしくはゴールキーパーと2枚でビルドアップの始まりである、サリーダデバロンを行うとより有効になります。

②ビルドアップの方法

ラインの間に配置されたサイドハーフを使って守備にジレンマを与える。

サイドハーフが中央付近にポジションを取ることによって、相手のセンターハーフやサイドバックにジレンマを与えることができます。

ファーストディフェンスを剥がせたら数的優位が

センターバックが運ぶドリブルで、相手のフォワードのプレッシングを回避できた場合、サイドバックとサイドハーフとの関係において数的結合が作れます。

相手のセンター、ハーフの守備の仕方によっては、こちらのボランチを経由させる

対戦相手の守備の仕方によりますが、サイドハーフかボランチの選手どちらがフリーになりやすいかを見ておく必要があります。

ロングボールも出せるようにしておく

この曲面では、サイドバックがロングボールで背後を取れる状態を作っておくと、より、中盤でフリーな選手が生まれやすくなります。

3.前進からフィニッシュ

①中央を崩す

サイドハーフを内側に配置することにより、中央での選手の数に厚みが出ます。ここをコンビネーションや動き出しを使って崩すことが最初の重要なポイントです。

②逆サイドを上手く使う

図のようにボールが右か左どちらかのサイドにボールが入って、ビルドアップや前進を行う際、ボールサイドに人数が増えます。

そのため、逆サイドが大きなスペースとともにフリーになる可能性が広がります。

ここで同サイドでの崩しを行わず、サイドチェンジを行う際には、一気に逆サイドでチャンスが生まれることになります。

③モビリティーを伴った崩しを狙う

フォーメーションの初期設定である選手のポジション配置はそれだけでは機能しません。
そこでこのスタートポジションからいかに動き出して行くかによって、モビリティーを伴った崩しが可能になります。

特にボールサイドのサイドハーフが常に中央で受けるのではなく、DFラインの背後を積極的に狙っていくことによって、そのスペースにフォワードや逆サイドのサイドハーフが入ってくることによって守備ブロックが混乱しやすくなります

4.各ポジションのタスク設定

①サイドバックとサイドハーフのタスク

サイドバックとサイドハーフの連携がポイントになります。

・サイドバックが幅を取れる場合
  サイドハーフは内側に絞り、中央の厚みを確保します。

・サイドバックが幅を取れない場合
  サイドハーフが外に開き、チーム全体の幅を保ちます。

ゲームの状況によってはサイドバックが幅を取れない状況が生まれます。

その際にスタートポジションばかりを意識して、サイドハーフが内側に絞ってしまうと全体として幅が取れない現象が起きます。

それを解決するにはタスク設定を明確にしておく必要があります。

例えばサイドバックが幅を取れているときには、本来のスタートポジションである内側にサイドハーフがポジションをとる。

ただし、ゲーム展開によってはサイドバックが幅を取れない状況が生まれます。その際はサイドハーフが外に開いてパスコースを確保するといったような工夫が必要になります

②ボランチのタスク

3-1-2-1のフォーメーションの場合、その初期設定の配置からセンターハーフはボランチ的な役割が求められます。

特にビルドアップの場面では中央でボールを展開することが求められますし、また再度にボールが入ったときにはそこから逆サイドにボールを展開するスキルが求められます。

ただし、センターハーフの役割をボランチ的な役割として設定するだけではなく、積極的に攻撃に参加することによって、攻撃の流動性が生まれやすくもなります

僕が実際にやったポイントとしては、ビルドアップからの前進のフェーズでは、ボランチ的な役割ボールが前進して、相手のフィニッシュゾーンに進んだ場合には、積極的に飛び出して良いと言うなタスクを設定することによって、攻撃に厚みを持たすことができました。

③ゴールキーパーのタスク

基本的に、ポゼッションサッカーを行いたい場合、ゴールキーパーがビルドアップに積極的に参加する必要があります。

それチームの事情やゴールキーパーのスキルにもよりますが、センターバックと2枚でビルドアップに参加することによってフィールドでは数的優位が生まれやすくなります。

反対にゴールキーパーがビルドアップに参加しない場合は、パスコースの確保が限定的になり、ビルドアップが上手く機能しない可能性が出てきます。

5.3-1-2-1の守備について

基本的には3-1-2-1のまま守備を行うと言うのは子供たちにとっては少し難しくなってきます。

そこで冒頭でも話している通り、守備の時には3-3-1にすることで守備ブロックが安定します。

子どもたちにとっても、ポジショニングや守備のタスクが明確になるのでわかりやすいですね。

プレッシングに関しては、3-3-1の記事で解説しているので、そちらを参考にしてください.

6.攻撃から守備へ時の注意点

①逆サイドのサイドバックの動き

攻撃時にボールサイドとは逆に位置するサイドバックのポジショニングがポイントになります。

ポジショニング高過ぎると、攻撃から守備への切り替えの時に問題が発生します。
特にカウンターを受けやすくなるので注意が必要です。

そのため、攻撃時には、サイドバックがボールを奪われるかもしれないと言う予測をしながら、ポジショニングを行う必要があります。

チームによっては、例えば『左サイドバックが攻めている時は、右サイドバックは上がらない』といったタスク設定をしておくことも有効です。

7.まとめ

①メリットとデメリット
●構造上持っている利点
・初期設定のポジショニングにより、小さな三角形が多くできることによりパスコースが確保されやすい
・中央に厚みを持たせているため、相手守備ブロックの中央を崩しながら、サイドバックがオーバーラップすることによって、サイドをワイドに使うことができる。
●改善しないと機能しない部分
可変式フォーメーションの特徴でもありますが、攻撃と守備時の切り替え時に素早くポジションを取る必要がありる。

②ビルドアップ
相手の守備の選手にジレンマを与えられるように工夫する。

③前進〜フィニッシュ
・中央のコンビネーションなどで崩す
・逆サイドのサイドバックをうまく活用する

④SHとSBの関係性(幅をとる)に注意
⑤MFをボランチ的なクスクにするかどうかで攻撃の厚みが変わる
⑥攻撃から守備への切り替えの時に、ボールサイドとは逆のサイドバックのポジショニングに注意する
⑦守備の時は331でブロックを作る

以上、今回は8人制サッカーにおけるフォーメーション3-1-2-1について解説しました。

特にジュニア年代で、2バックのフォーメーションだと、守備に不安が残るという方や、3-3-1のままでの攻撃がうまく機能しないなと感じている方は、ぜひ積極的に試してみてください!

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