こんにちは、講師のカズです。
ジュニア年代における8人制サッカー。
様々なフォーメーションがありますが、どれを採用したらいいのか悩む方も多いと思います。
この記事では、僕が過去に実際に採用した2-3-2のフォーメーションについて特徴やメリット・デメリット、そしてフェーズごとの細かな考え方などを徹底解説します。
この記事を読めば2-3-2の考え方だけでなく、子どもたちにどのように指導したら良いかわかるので最後までご覧ください。
動画で解説【前編】
動画で解説【後編】
1.フォーメーション 2-3-2の概要
基本的な配置は上図の通りです。
各ポジションの名称は、何らかの意図がない限りはなんでも構いません。
フォーメーションにはそれぞれ「メリットとデメリット」があります。
当然この2-3-2でも同じです。
僕の表現としては、そのフォーメーションが構造上持っている利点と意図的に改善しないといけない部分。
その辺は別記事で書いているので参考にしてください。
① 2-3-2の主な特徴
主な特徴としては守備ラインを2枚で守らなければいけない反面、攻撃では2トップを使った厚みのある攻撃が行えることです。
中盤は3枚ということで斜めのパスコースの関係が作りやすく、基本的にはボールが循環しやすいと言えます。
ただ相手の守備対応によっては、流動的に動かないと全く機能しなくなります。
他のフォーメーションでも言えますがビルドアップには工夫が必要。
ポジションごとの動き方やタスクを整理しないと流動性を発揮することができません。
②構造上持っている利点と改善が必要な部分
主な特徴を構造上持っている利点と改善しないと機能に分けると以下のようになります。
●構造上持っている利点
・最初の配置から斜めのパスコースが確保されやすい
・攻撃の流動性(2トップの)を出しやすい
●改善しないと機能しない部分
・守備時のCB横のスペースへの対応
・プレッシングのコーディネート
これらはあくまでも一例ですが少し解説します。
斜めのパスコースが確保されている
図のように2-3-2は最初から斜めのパスコースが確保されているので、最初からトライアングル(三角形)が形成されています。
トライアングルはボールを循環させるための大切な概念です。
斜めにパスコースができることにより、パスの受け手が身体の向きを作りやすくなります。
攻撃の流動性(2トップ)を出しやすい
2トップなので二人組の関係性の中で流動的な動きを発生させやすいです。
初期配置からスペースを作る動きと使う動きが意識しやすく、一枚は手前を狙い、もう一枚はDFラインの背後を狙うなど2トップのモビリティを伴う攻撃が可能になります。
守備時のCB横のスペースへの対応
2バックということで、センターバック横のスペースを使われるのが嫌だという方も多いと思います。
基本的に2バックと3バックでは同じセンターバックでも概念が変わるので選手への落とし込み方が違います。
サイドハーフが簡単に裏を取られる可能性もあるので、中盤の守備のタスクやポジショニング、サイドへパスを出された場合のセンターバックとその他のポジションの選手のタスクを明確にする必要があります。
プレッシングのコーディネート
2トップだからといって前線からのプレスでハメやすいとは限りません。
他のフォーメーションでも言えますが、プレッシングを行う時の各ポジションのタスクを整理する必要があります。
他にも要素はありますが、代表的な例をいくつか挙げてみました。
ここからは僕が実際に指導した例をもとに、それぞれのサブフェーズにおける考え方や問題点、解決方法など詳しく解説します。
長くなるので興味がある部分だけを読んでいただいても大丈夫です。
またサブフェーズがわからないという方は、サッカーの全体像から細かな部分までを構造的に捉える必要があるので下記の記事を参考にしてください。
2.ビルドアップ:2-3-2の基本的考え
まずは攻撃のフェーズにおけるビルドアップの始まりから前進のサブフェーズです。
余談ですが11人制サッカーの場合とは違い8人制の場合、僕はコートを3ゾーンに分けるのではなく2ゾーンに分けて考えています。
そのためサブフェーズもビルドアップの始まり〜前進、前進〜フィニッシュと2つの区分で考えています。
ここからは僕が実際に取り組んだ内容や、2-3-2のフォーメーションで注意すべき点、プレーの可能性について解説していきます。
最初は味方のGKがボールをキャッチした、もしくはゴールキックの状態からどのようにビルドアップを始めるのかについていくつかのパターンを解説します。
①サイドでの数的・位置優位を狙う
3バックのSBに対して2対1を作る-1
最初の簡単なパターンは相手のサイドバックに対して2対1を作りジレンマを与える方法です。
FWの選手がライン間へ降りてきて、サイドハーフの選手が高い位置を取ることで相手SBに対してマークを絞れないようにします。
これで全て上手くいくならいいですが、当然相手も対応してきます。
そのため自チームのサイドバックの動きや、もう一人のフォワードの動きもポイントになります。
3バックのSBに対して2対1を作る-2
このパターンはボールサイドのFWが背後を狙うことで、相手のセンターバックにスペースを警戒させ、開いたライン間に逆のFWが降りてくるパターンです。
相手のSBが食いつけばサイドのスペースをこちらのサイドハーフに与えてしまうので、同じようにジレンマを与えます。
サイドハーフの重要な動き
FWの動きと連動して相手のSBにジレンマを与える方法です。
が、ここで重要なのはサイドハーフの選手が足元でボールを受けるかそれとも背後へ飛び出すかという判断を的確に行うことです。
相手のSBが下がったFWに食いついているのか、相手のSHのポジショニング、ボールホルダーへのプレスのかかり具合を見て判断しなければいけません。
味方のセンターバックが激しくプレスを受けている状態なら足元で受ける必要がありますし、ロングを蹴れる状態なら相手のSBの動きをしっかりと捉える必要がありますね。
当然CBがプレスを受けている状態でSHがポジションを上げて背後を狙うと、ボールを失う確率が上がるので判断ミスにつながります。
そのためSHに関しては『いつポジションを上げて、いつポジションを下げるか』といったサポートの原理原則を理解しておく必要があります。
ショートパスばかりにならないように
ビルドアップ型の攻撃を行いたい場合、ジュニア年代だと『ショートパスのみ』で対応しようとしてしまうケースがあります。
何が何でもショートパスで前進するのではなく、相手の状況に応じた効果的な前進方法、つまりショートとロングを織り混ぜることで相手ディフェンスが対応しにくくなります。
②ロングパスも用意しておく
ロングボールが蹴れる選手がいる場合、相手が前からプレスをかけてくる場合にはロングパスも有効です。
前からプレスに来た時に無理やりショートで剥がそうとすると引っ掛ける場面が増え、選手たちの心の中に「上手く行っていない感」が出ます。
僕の場合、実際に6年生時には逆サイドのSHへのロングパスも選択肢の中に入れました。
③1枚でプレスに来る場合
ファーストディフェンスを超える
相手の中盤が前からプレスに来ておらず、FWの1枚でプレスに来る場合は、センターバックとゴールキーパーを含めて、最初の『ファーストディフェンスを超える』という考え方が重要です。
こちらの中盤が下がってパスを受けようとするとマークもついてきて、結果としてCBたちのスペースを狭くしてしまいます。
そのためCBたちに十分なスペースを与えるためにも、中盤やFWがプレーに関わるタイミングを考えることがポイントになります。
また1枚でプレスに来る場合のラインの越え方はいくつかあります。
・CBが相手FWより高い位置、ポジショニングで超える
・パスを受けた際にコントロールオリエンタードと運ぶドリブルで超える
・パスを出すフリをして相手FWがパスコースを切ってきたら運ぶドリブルで超える
この辺はテクニックアクションである運ぶドリブルと突破のドリブルの違いを理解して実行できるようにしておく必要がありますね。
またサポートにおけるポジショニングの考え方も理解しておくことも大切です。
④2枚でプレスに来る場合
GKからロングパス
相手が2枚でプレスに来る場合、こちらも2枚で剥がすというのはリスクが高すぎます。
GKを含めた方法もありますが、僕が実際に行なっていたパターンを紹介します。
相手が3-2-2などの場合にはGKから直接サイドハーフへロングパスを送ります。
この時に重要なポイントは、相手に「CBやFWにパスを入れるかもしれない」と思わせることです。
SHへのフィードは何回か繰り返すうちに相手に対応されます。そのため同じロングフィードでもいくつか選択肢を用意しておく必要がありますね。
守備側からすればロングを蹴らせて、そこにサイドバックがプレスをかけるという方法をとることも十分に考えられます。
そこで僕が実際に行ったのは、センターハーフを下げて3枚でビルドアップを行う方法です。
そうするとショートパスでビルドアップが始まるのか、それともSHへロングがくるのか。
守備側にとては的が絞りにくくなりますね。
いくつか方法がありますが全て実例です。
3枚でビルドアップ-1(CHがSBとSHの間に入る)
センターハーフをCBとSHの間に下ろすことでサイドで数的優位を作るという考え方です。
このケースはセンターバックがパスを受けた時にボールを持てる時間がある場合に限られます。
なぜなら、CHがポジションを取るまでに時間がかかるからです。
ボールがCBに入る瞬間にCHが動き出すと、ポジションにつく前にCBがプレスを受けてボールを逃す場所がなくなります。
反対に最初からCHがそのポジションを取ると、マンツーマンを取られてしまいます。
そのため、ゴールキックなどボールがセットされた状態では現実的ではありませんでした。
実際、何回か試しましたが失敗が多かったです。
ただ、3枚で剥がすという考え方は理にかなっているので実際の試合では次の方法を多く起用しました。
3枚でビルドアップ-2(CHがCB間に入る)
センターハーフがGKとCBの間に落ちてからスタートします。
この時に同サイドのCBは最初から高い位置をとりません。あくまでもCHにボールが入ったらポジションを上げます。
そうすると最初からマンツーマンマークを取られずCBがフリーな状態になります。
つまり相手の片方のFWに対してCHとCBで数的優位を作るという考え方です。
一時的に変則型のフォーメーションになります。
FWがパスコースを切ったら運ぶドリブルで外す
これに対して相手のFWがパスコースを切ってきたら運ぶドリブルで剥がします。
逆のFWがプレスに来ても、もう一方のセンターバックとで2対1の状況が作れますね。
中央のCHを経由するのは難しい
相手が1トップでも2トップでも、基本的な配置を変えずに中央にいるセンターハーフを経由しながらビルドアップを行うのは難しかったですね。
ここにどのようなタイプの選手を配置するかで変わりますが、かなりのプレスを受けても個人技で剥がせるなら重要な起点になりますが、基本的にはかなりプレスを受けやすいです。
2-4-1などの中盤が4枚の場合と同じような考えでやると上手くいきません。
⑤マンツーマンの対策
相手のフォーメーションも同じ2-3-2の場合、基本的にマンツーマンで対策される可能性が高いです。
これが『フォーメーションが構造上持っている利点』も必ずしもそうならない理由です。
2-3-2は本来、斜めにパスコースが最初から確保されていることがメリットですが、このようなケースの場合にはそのメリットを活かせません。
斜めのサポートもすでに守備側から狙われているからです。
では実際に解決策としてどのような方法があるのかを解説します。
FWヘロングボール
単純に2トップへロングを入れるのではなく、オーソドックスですが降りてくる選手と背後を狙う選手をコーディネートする方法があります。
この時に大切なポイントは降りてくる選手へのパスと、背後へのパスの両方を用意することです。
そうすることで相手DFに対してジレンマを与えることができます。
僕が実際に行った例だと、図のようにロングを入れながらもCHを落としたりしてショートで始めたりと、できるだけ相手に的を絞らせないようにしました。
ロングが決まれば相手はマンツーマンをやめて下がるしかなくなるので次はショート。
相手がショートを警戒して前がかりになればロング。
駆け引きが重要ですね。
コンビネーションやモビリティでプレスを回避
ロングボールを使わないとしたらコンビネーションやモビリティを使ってビルドアップを行うことも可能です。
この場合はパスを受ける選手の動き出すタイミングやデスマルケ(マークを外す動き)などが重要になります。
このような方法は可能性は十分にありますが、僕の場合はやらなかったです。
理由はプレスに引っかかった時の失点のリスクが高いのと、上手く行かない状況が続くと選手のメンタルの中に『押し込まれている感』が出てしまうからです。
パターンではなく選手が判断できるようにすることが重要
ここまで読んで頂いた方の中には『こんなにたくさんのパターンを練習する必要があるのか!?』と感じる方もいるかもしれませんが、基本的にパターンでプレーしては上手くいきません。
ただ、ビルドアップの始まり(サリーダデバロン)においては、初期配置や狙い目に置いていくつかのパターンを用意する必要があります。
重要なのは決められたパターンではなく、それに対応された場合に適切な判断ができるようにサッカーの原理原則を指導しておくことです。
あくまでも最初の形やパスの優先順位はパターンもしくは狙い目として持っておくのですが、必ずその通りにするのではなく状況に応じて柔軟に変化させることが重要です。
3.前進からフィニッシュ
次に前進からフィニッシュというフェーズについて解説します。
攻撃の形はチームによってそれぞれ特色が違うので、ここでは考えられる大まかなパターンを紹介します。
繰り返しますが『パターンをトレーニングするのではなく、選手が判断しながらプレーすること』が大切です。
①サイドを起点とした崩し
・突破のドリブルで仕掛ける
・コンビネーション(ワンツー)
・2トップのスペースを狙う動き
・カットインからの展開
一つずつ簡単に解説します。
突破のドリブルで仕掛ける
オーソドックスですがサイドハーフとトップが斜めの関係にあるので狙いやすい崩し方です。
サイドチェンジした後は特に有効ですね。
2トップのスペースを狙う動き
2トップがディフェンスラインの背後を狙う動きやスペースを使う動きで流動的な崩しができます。
ここでは選手の動きがパターンにならないようにスペースの活用という戦術アクションを理解しておく必要があります。
カットインからの展開
2トップの動きと絡めて中央へカットインすることで逆サイドへの展開も可能です。
FWが背後を狙うことでディフェンスラインがスライドするのでしっかりと狙っていきたい崩し方ですね。
※注意:逆サイドのハーフのタスクによって異なります。
②中央を起点とした崩し
・2トップの関係性
・センターハーフを絡めた展開
崩し方に関しては本当に無数の可能性がありますが、細かな部分はさておき大まかなイメージです。
2トップの関係性
よくある『トップに当てて落として裏』みたいなイメージです。
数的不利な状態でもダイレクトパスで中央を崩します。
センターハーフを絡めた崩し
センターハーフのタスクを攻撃的にすることでディフェンスラインの背後を狙うことも可能です。
③逆のサイドハーフのタスク設定
攻撃時、ボールとは逆サイドにいるサイドハーフのタスクをどのように設定するかで攻撃のバリエーションが変わります。
サイドに幅をとってボールを落ち着かせるのかそれとも中央よりでプレーするのか。
積極的に中を狙わせるならサイドへボールを逃したい時にはセンターバックが上がる必要があります。
この辺はタスクによって動きが変わってきます。
④センターハーフのタスク設定
センターハーフもタスク設定によって大きく動きが変わります。
ボランチ的にプレーするのかそれともトップ下のようなプレーを求めるのか。
トップ下のような動きを行う場合、ボールを奪われた後中央にスペースを与えてしまう可能性があるため、チームとして「攻撃の警戒(Vigilancia ofensiva:ヴィヒランシア・オフェンシーヴァ)」を設定しておく必要があります。
⑤攻撃時のスローインの考え方
スローインもチームによって設定が違うと思いますが、僕が実際に行った例を紹介します。
基本的な考えとしては自陣か相手陣地かでスローインを行う選手を変えていました。
サイドハーフが投げるケース
自陣でのスローインではサイドハーフが投げます。
これはボールを失った後のリスクを回避するためです。
2トップが動くことで相手ディフェンスラインの中央が手薄になりますがリスク回避を優先します。
センターバックが投げるケース
相手陣地ではセンターバックがスローイン行います。
FWを一枚中央に残してクロスなどの攻撃に備えます。
奪われた後のリスクはどうするかというとセンターバックとセンターハーフが中間ポジションをとり警戒。
最悪奪われたとしても自陣のゴールまでの距離があるのでリスクをとって攻撃に重点を置きます。
逆サイドのハーフも中間のポジションをとり、攻撃と守備の準備を行うことも重要ですね。
4.プレッシングにおける2-3-2の基本
相手のビルドアップに対する守備、すなわちプレッシングですがこれもチームによって方法は異なります。
ここでは僕が行ったオーソドックスな例を参考に解説します。
①3バックに対するプレッシング
基本的な動き
基本的な動きは上図の通りです。
相手のCBが持っている時には守備ブロックを作り、サイドバックへ出た後からプレッシングを行います。
ポイントはサイドハーフがギャップをしめながらパスを誘導してパスカットを狙う部分です。
サイドチェンジされた場合
サイドチェンジされた場合はサイドハーフが前へ出てCBも含めて縦へスライドします。
その際に逆サイドの選手はマークを捨てて中央の相手選手を捕まえに行きます。
大事なポイントはサイドハーフが捨てたスペースをFWが使おうとしている場合、センターバック思い切り飛び出すことです。
センターハーフを最初に出す
少し変則的ですがこのようなプレッシングも実際に行いました。
基本的に相手チームにロングボールが少なく、サイドから展開したい意図がある場合にはボールを奪いやすくなります。
②2バックに対するプレッシング
次に相手が2バックの際のプレッシング方法です。
相手が2-3-2の場合
相手が2-3-2の場合は噛み合わせが同じになるのでミラー。
そうするとほぼマンツーマンでの対応になるのでプレッシング自体は難しくないのですが、警戒しないといけないのはロングボールです。
前線からプレスをかけに行くようなスタートポジションだとロングボール一発でピンチになることがあります。
そのため最初にポジションを下げロングを警戒。
相手がショートで始めたらすぐに押し上げて、後は通常通りのプレッシングを行うという考え方です。
相手が2-4-1の場合
相手が2-4-1の場合のよくある例として中央で2対1を作られるという現象です。
当然相手もここに狙い目を持っているので普通にプレスをかけると剥がされる可能性が高くなります。
こちらのFWがしっかりとギャップを絞って初めに中央へのパスを通させないという考え方もできますが、積極的なボール奪取を目指すならリスクを取ることも大切です。
僕の場合、3バックのところでも書きましたが、センターハーフとセンターバックを縦へスライドさせて積極的に狙うという方法を採用していました。
ここで注意が必要なのは『いつこのプレッシングを行うかという発動条件』です。
最初からこれを狙うとロングボールを蹴られる可能性があるため、相手のMFにパスを誘導させる必要があります。
そのためには相手GK・CBへのプレスの駆け引きが重要になります。
相手GKがボールを持った時には最初はプレスに行かず、CBから下げた時のみコースを切りながらプレスをかける。
そのような場合、GKからMFを経由してサイドへボールを逃そうとするのでそこを狙います。
つまりGKへのバックパスが行われた際にFWがGKへプレスをかけた時というのを発動条件にしていました。
プレッシングは基本的な戦術理解が重要
ここまで2-3-2におけるプレッシングを解説しましたが、どのような方法をとるかはコーチやチームのレベルによって変わります。
大事なことはパターンで覚えるのではなく、ゾーンマークやスライド、カバーリングなどの基本的な戦術アクションを理解して実行できるようにすることです。
5.前進〜フィニッシュに対する守備
次に前線からのプレッシングを回避された後、すなわち相手の前進〜フィニッシュに対する守備ついて解説します。
①センターバック横のスペースを使われた場合の対応
基本的に2バックという構造上センターバック横のスペースがネックになります。
ただしここで重要なことはCB横のスペースを使わせないことでなく、使われるケースを前提にしておくことです。
逆のSHを下げて守備ブロックを形成
CBがサイドへ出ずに、攻撃を遅らせながら同じサイドのSHを下げるのではなく、逆サイドのSHをディフェンスラインへ下げることで対応します。
CHを下げて守備ブロックを形成
もう一つの方法はセンターハーフをディフェンスラインへ下げる方法です。
この辺の考え方はそれまでの展開により各選手がどこにいるかが変わります。
そのため状況に応じてSHが下がったりSHが下がるというように設定を柔軟にしておくことが大切です。
②ハーフ3枚のタスクは3バックと異なる
3バックと2バックでは中盤の考え方が異なります。
3バックであればサイドに展開されたとしてもサイドバックが対応できます。
反対に2バックの場合は中盤が出来るだけギャップを広げないようにして対応することが求められます。
つまり同じ3ハーフでもディフェンスの枚数に応じてタスク設定が異なってくるということです。
③守備時のスローインの考え方
相手チームのスローインの場合、SHとFWを下げて3-3-1を形成。
2-3-2のままで守る方法もありますが、ジュニア年代だと変な事故も起きやすいのでここでは手堅く。
またスローイン時はマンツーマンではなくゾーンを採用。
相手の動きに対してリアクションでスペースを与えるのが嫌だったのでの、あくまでもボールが入ってから奪いに行くという発想です。
前進に対する守備でも基本的な戦術理解が重要
プレッシングと同様にジュニア年代から基礎的な守備戦術は理解しておきたいですね。
攻撃よりも守備戦術の方が早く構築できるのでぜひ試してみてください。
6.まとめ
最後にまとめです。
1.フォーメーションにはメリット・デメリットがある
2.2-3-2の主な特徴
・2トップでの厚みのある攻撃
・最初から斜めのパスコースが設定されている
・CB横のスペースがネック
3.ビルドアップ
・SHとFWの動きが重要
・ロングパスも用意しておく
・相手が2枚の場合はロングかCHを動かす
4.サイドを基点とした攻撃が可能
・突破のドリブルで仕掛ける
・コンビネーション(ワンツー)
・2トップのスペースを狙う動き
・カットインからの展開
5.守備では基本的な戦術を理解しておくこと
以上この記事では8人制サッカーにおけるフォーメーション2-3-2について解説しました。
皆さんの指導現場での参考になれば幸いです。