『言ってるのにできない』選手が上手くプレーできない理由と解決法

こんにちは、講師のカズです。

『試合で子どもたちが練習通りにプレーできない』
『ミーティングで伝えたのにできない』
『何回言ってもできない』

指導者なら一度は直面するこの課題。

なぜ、練習したのに試合ではできないのか?
なぜあれだけ伝えたのにできないのか?

この記事では、その原因を深掘りし、具体的な解決策を探ります。
子どもたちが持つ力を最大限に引き出すためのポイントを解説します!

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1. なぜ『言っていること』が試合で発揮されないのか

指導者がいくら伝えても、試合で子どもたちが練習やコーチング通りに動けない理由は多岐にわたりますが、主な原因は以下の3つです。

1. 要求が選手の現在のレベルを超えている
2. 練習と試合の内容がリンクしていない
3. 試合特有の緊張感やプレッシャー


特に重要なのは、指導者が子どもの「学習段階」を理解し、適切な要求を行うことです。

では、学習段階とは何でしょうか?

2. 学習段階の理解が指導の鍵

「学習段階」とは、選手が現在どのレベルにいるのかを見極める指標です。

これを理解せずに難しい要求をすると、選手は混乱し、自信を失います。

例1

レベル1の選手にレベル10のプレーを求めても、達成するのはほぼ不可能です。
選手の成長を促すには、現時点で「少し頑張れば、少し意識すればできる」範囲の指導がポイントとなります。

例2

中盤の選手に「サイドチェンジ」を促したとします。
しかし、その選手がフィールド全体を見渡すスキルを持っていなかったり、そもそもサポートのポジショニングでできていない段階であれば、この指示は的外れになります。

適切な指導は、その選手の現状を正しく理解し、次の一歩に繋がる指導を行うことです。

3. 練習とコーチングと試合をリンクさせる方法

練習の内容とコーチングの内容、そして試合とを結びつけることが重要になります。

そのためのポイントは以下の通りです。

① 試合を想定した練習を行う

試合を想定した練習と言うと、何か決まった形だったりとかパターンのプレイをイメージしてしまいますが、そうではありません。

例えば、4対2のロンド1つをとってみても、そこに指導者が明確にその練習と試合での間のイメージをリンクできている状態とそうでない状態では、試合でのプレイに差が出ます。

何らかの練習で、その練習でのポイントだったり、コーチングしている内容を試合で行う。
それらと一致しているかというところがとても重要になります。

② ミーティング内容を練習と一致させる

試合前のミーティングで練習と異なる内容を話すと、選手は混乱します。

どうしても僕ら指導者は、試合になると練習でやっていないことをやらせようとしたりとかしてしまいますよね。

なので、僕の場合は「コーチが行っている事は、練習でも試合でも同じだよ」と言う感じで、練習のイメージと試合のイメージを子供たちの頭の中でリンクさせやすいように言葉を選んでいます。

例を挙げると以下のようになります。

例えば、先程の4対2のロンドのトレーニングの中で、パスコースがないときは、ドリブルでプレスを外してからパスコースを探しなさいと伝えたとします。

では、いざ試合になったときに、同じようなシチュエーション、つまりパスコースがない状態で、選手が無理矢理パスを出してボールを失ったとします。

その際に『パスコースがない時は何をするの?』と問いかけます。
そうすると、パスコースがない時は、ドリブルでプレスを外してからパスコース探すといった、普段の練習でコーチングしている内容と一致します。

『つまり練習と試合は同じだよ。』

このような形で様々なシチュエーションに対して同じ言葉を使うようにしています。

③ 試合中のコーチングはシンプルに

そのため試合中のコーチングは、ほぼほぼ練習で言ってることと、同じ言葉を繰り返すことが多いです。

それでも普段の練習ではできない、試合の中でしか改善できないようなポイントもあります。

その場合は長々と話したりするのではなく、選手が簡単に理解できるようなシンプルな内容に留めています。

そのため僕の場合、試合前ハーフタイムのミーティングはとても短いです。

4. 実例:子どものレベルに合わせて指導をしました

先日、新中学1年生を対象とした体験練習会を行いました。

そこではいろんなチーム、レベルの選手がいましたし、特徴もよく分かりません。
この際、特に注意したのは次の点です。

– 子どものプレーを観察し、レベルを見極める
– その場でトレーニング内容を調整する
– 個人ごとに少し意識すれば改善できる指導を行う

たとえば、5対5のポゼッションや4対2のロンドを行った際、選手ごとの課題を見つけ、すぐに適切なコーチングポイントを設定しました。

こうすることで、子どもたちは小さな成功体験を積み、次第に個人、グループ全体のプレーが変化していきました。

5. 指導者として成長するために

指導者もまた成長し続ける必要があります。
そのためには以下を意識しましょう!

1. 選手の学習段階を正確に見極める
2. 練習と試合を結びつけた指導を行う
3. 計画を立て、定期的に振り返る

たとえば、1年後に達成したいレベルを設定し、それを逆算して3ヶ月、6ヶ月ごとに目標を立てます。

そして、実際の進捗に合わせて調整していく。

このプロセスを繰り返すことで、指導者としてのスキルも磨かれていきます。

6.まとめ

指導者がいくら伝えても、試合で子どもたちが練習やコーチング通りに動けない背景には、学習段階の見極め不足や、練習と試合のリンクが欠如していることが挙げられます。

指導者として、選手の成長を支えるために次の3つを心がけましょう!

1. 子どもの学習段階に合った指導を行う
2. 練習と試合のイメージをリンクさせる
3. 成長を見据えた計画を立てる

以上、今回は『言っているのにできない現象』に対しての改善ポイントを解説しました。

なかなか指導者が思うようなプレイを、子供たちができないときには、まずは学習段階が合っているか、練習と試合のイメージが、指導者自身がリンクできているかを見直してみてください!

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