
こんにちは。講師のカズです。
今回は「ビルドアップの始まり(Salida de balón)」において、運ぶドリブルとコントロールオリエンタードを使ってボールを前進させるための基礎的な練習メニューの紹介です。
プレーの状況としては、相手の前線からのプレスに対してディフェンスラインで詰まってしまう。
プレスの外し方が分からず、パスと運ぶドリブルを効果的に使えていない。
このような現象が起きている時に、基本的なテクニックと簡単な状況判断でプレーを改善する練習メニューとないっています。
✔︎ビルドアップの始まりにおいて、特にディフェンスラインの選手に必要なスキルが詰まってます。
これを機会にしっかりと理解しましょう。
■練習メニューの概要
✔︎改善:ビルドアップの始まりにおいてプレスを外す
✔︎対象年齢:小学4〜6年生
✔︎人数:6 人
※年齢は厳密に限定する必要はないですが、選手のレベルに応じて対応してください。
人数も7人とかいる場合はフリーマンをつけるか、ローテーションを工夫してください。
今回は、敵のパスコースの切り方を見ながら、運ぶドリブルとパスの使い分けが学べる内容となっています。
ではさっそく始めます。
練習メニューのオーガナイズ

【タイトル】
・2vs1+2vs1のロンド(前進型)
【コートサイズ】
・15m×20m
(※現象の割合で調整してください)
【進め方】
・グリッドの中は2対1
・守備、攻撃ともにもう一方のグリッドには入れない
・もう1つのグリッドにいる味方にパスを出して前進させる
・前進したら反対方向に、繰り返す
・守備が奪ったら攻守交代
【ノルマ】
・なし
【時間】
・15〜20min
以上が練習メニューのオーガナイズです。
レベルに応じて細かな調整をしてください。
練習メニューのテーマ
以下の3つの項目を、練習メニューのテーマとします。
【目的】
・ビルドアップの始まり〜前進
【ツール】
(戦術アクション)
・サポート
(テクニックアクション)
・パス、コントロールオリエンタード、運ぶドリブル、フェイント
【プレー原則】
・設定なし
僕の場合、練習メニューのテーマが複雑ですが、詳しく知りたい方は【練習テーマの設定方法】少年サッカー・レベル別に解説をご覧ください。
練習メニューの特徴
この練習メニューの特徴をいくつか。
✔︎4vs2のロンドではなく2vs1と区切ることで、数的優位な状態から前進させるイメージをつける。
✔︎通常のビルドアップの始まりの時のように、ドリブルやパスで外した後に中盤のフリーな選手を探すイメージ。
✔︎前進後も敵の位置を見て、中盤の有利な方にパスを送るまでが連続したプレーになっている。
僕の場合、GKからパスを受けたCBがプレスを外して中盤にパスをつけるイメージの原型、基礎的なテクニックと戦術的判断のベース作りに採用しています。
練習と試合がどれだけ共通のイメージが持てるかがポイントですね。
キーファクター
では具体的なキーファクターを1つずつ見ていきます。
①コントロールオリエンタードで敵のラインを超える

②身体の向きでパスを意識させドリブルで超える

キックフェイントを入れることで敵がパスに食いつきやすくなりますね。
③プレーするスペースを確保する

近づけれる前に判断して余裕を持つことが大事です。
④寄せられた時のターンやドリブルはボールを守りながら行う

簡単に切り返して引っかからないようにするのがポイントです。
以上がこの練習メニューにおける代表的なキーファクターになります。
この他にもレベルによって細かな問題が発生すると思うので、その都度キーファクターを設定してください。
実際の指導例

最初にこの練習メニューを行うと、突破のドリブル(レガテ)が増えることがあると思います。
その際はボールを安全にかつ確実に前進させることの重要性を理解させましょう。
✔︎DFの動きを把握して、いつパスでドリブルかの理屈を理解することが大切
パスやドリブルの使い分けを行うためには、いつドリブルでいつパスを出すのか。
相手を超える方法はどのようなものがあるか。
基本的な理屈を理解することが重要です。
他にも身体の向きや細かなフェイントで相手を動かすこと。
単純なプレーだと敵のプレスにハマるので、しっかりと敵を捉え、フェイントやボールを動かすことによって主導権を握りながらプレーすることを意識させると上手くいくと思います。
ぜひ試してみてください!