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サッカーの本質と8の負荷・サッカー上達の道はサッカーをすること

サッカーの本質と8の負荷・サッカー上達の道はサッカーをすること

サッカーにおける負荷という言葉をご存知でしょうか。

あまり聞きなれない言葉かもしれませんが、この「負荷」という言葉はサッカーという競技の本質を構成する要素とも考えられます。

また練習メニューを考える際にもこの概念は役立ちます。

後ほど解説する11の負荷ですが、これらがすべて満たされると「サッカーという競技になる」というものです。

では詳しく解説します。

①サッカーにおける8つの負荷

サッカーにおける8つの負荷

過去にオランダサッカー協会(未確認)が定義していた「サッカーにおける負荷」。

これは選手側から見た考えだと思いますが、サッカーをプレーする上で選手にかかる負荷を端的に表現したものです。

注記1.サッカーにおける負荷
過去に日本で入手できた書籍ではオランダサッカー協会がこの概念を提示していましたが、そもそものルーツやその後日本でも定義されたかは分かりません。


基本的には下記の8つの項目があります。

1.ボール
2.味方
3.相手
4.ルール
5.ゴール(方向性)
6.時間
7.スペース
8.緊張(ストレス)

では一つずつ見てみましょう。

1.ボール

サッカーという競技は手ではなく主に足を使って行われる競技です。

そのため技術習得が他の競技より困難になるのとそれ自体の難しさがあります。

特に小学生年代の子どもをイメージしてもらうとわかりやすいですがボールを思うままに扱うことができません。

2.味方

味方がいることが負荷になるのかと思われるかもしれませんが、ボールを持っている選手に対しては選択肢が増えること、ボールを持っていない選手にとっても関わり方を意識しないといけないため負荷になります。

3.相手

自分たちのプレーを邪魔する相手がいるということがプレーをする上で負荷になるというのは理解しやすいでしょう。

4.ルール

様々な反則やサッカー特有のオフサイドルール、GKに対してもペナルティエリア外では手でボールを扱えないなどルールもまた、選手のプレーに制限を加えるものです。

5.ゴール(方向性)

必ず一方向に向かって攻撃・守備が展開されるということは自由に展開できないので負荷となります。

方向性のないボールポゼッション練習でパスが回っても、進行方向を決めることで難易度が上がるのはそのためです。

6.時間

限られた時間の中でプレーするということも負荷になります。試合中にタイムをかけることはできませんし、後半が終われば終了です。

7.スペース

サッカーコートはゴールラインとタッチラインで大枠のスペースを限定しています。
競技の特性上、そのラインより内側でプレーしないといけません。

また、ピッチ内でもGKにとってはペナルティエリア、オフサイドルールが適用されるハーフェイラインなどもスペースを限定します。

8.緊張(ストレス)

サッカーには勝敗があること、得点を挙げて失点を防ぐ中で様々な緊張があります。

シュートシーンで「外してはいけない」というプレッシャーや、敵にプレスもプレーに緊張を与えます。

以上が8つの負荷の説明になります。

このように考えると、これらのどれか一つが排除されるとサッカーという競技の特性が損なわれることになります。

②サッカーにおけるさらに3つの負荷

戦術的負荷

先の8つの負荷にさらに3つの負荷を付け加えたのが下記の項目になります。

9.プレーモデル
10.タスク
11.選択肢

これはジュニアサッカー大学オリジナルの考えで、主にインテリジェンスに関わる部分です。

選手側からするとチーム戦術やプレーモデルを理解し実行することも制限を受けますし、タスクや判断することも知的作業ということで負荷がかかると考えています。

この他にもいくつかの負荷を考えることもできるかもしれませんが、重要なのは自分自身の定義や言葉を整理することです。

正解はないので自由に設定できます。

注記2.ジュニアサッカー大学オリジナルの3つの負荷
このような戦術的な要素を含む負荷を大きくまとめて「戦術的負荷」と呼んでいます。
これらは本来は選手のプレーを助けるためのものですが、要素や量によっては選手に負荷を与えるものになります。

③サッカーの負荷とはサッカーの構成要素=サッカーの本質

このサッカーにおける負荷を違う視点から見るとそれは「サッカーをサッカーたらしめる構成要素」でもあると考えることができます。

つまりこの中の要素を一つでも欠いた場合に「それはサッカーでなくなる」というもの。

「サッカーを構成する要素」とは「サッカーの本質」を担っているものであり、この集合体が「サッカーの本質」となります。

私はこれを「サッカーの『競技としての』本質」と定義しています。

④構成要素の度合いでサッカーに近づく

これらの構成要素の多さによって「サッカーに近づくかそれとも離れて行くか」が決まります。
全ての要素を含んでいれば「サッカーそのもの」で、減っていけばいくほどサッカーから離れ行きます。

8つの負荷のうち3つしか練習に含まれていなければ離れていきますし、8つすべて含まれていればサッカーそのものです。

余談ですが、ここに日本で言われている「敵のいないドリル練習では上手くならない」という言葉のゆえんがあります。
(※私はドリル練習は採用します。その理由はメソッド論を参考)

日本における「サッカーはサッカーをすることで上手くなる」という言葉は「サッカーの本質=構成要素」を意味していると仮定できます。

フラクタル(相似)という関係

時々ジュニア年代における8人制サッカーに対して「8人制はサッカーではない」という意見も聞きますが、この場合は「サッカーの本質の定義」が曖昧なのかなと思います。

前述した「サッカーの本質」、11人制と8人制では何がことなるのでしょうか?

僕の考えでは、「同じサッカーである」と考えています。
なぜなら11人制でも8人制でも「サッカーの本質=構成要素」は同じだからです。

つまりフラクタル(相似)な関係。
フラクタルな関係である以上、その本質は同じなので同じサッカーであると規定できます。

まとめ

今回はサッカーを構成する8つの負荷とジュニアサッカー大学オリジナルの3つの負荷について解説しました。

これらの負荷は練習メニューを組む時にも合わせて考えるとサッカーの理解が深まります。

ぜひ指導現場でこの考えを取り入れてみてください。

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